俳優としても活躍中で、映画『永い言い訳』で、日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞したばかり。歌も芝居も、むき出しの魂を突き付けられるようで一瞬身構えてしまいそうなのに、徐々に人間的な温かさに包み込まれる。インタビューも、まさにそんな感覚を覚える時間が流れた。
――『永い言い訳』の役柄は竹原さんの存在あってのキャラクターという感じがしました。引き受けることになったいきさつは?
竹原ピストル:役の候補に名前が挙がってると言われて、ええっ! と驚きましたが、台本をきっちり読み込んで、これを書いた西川美和監督にぜひお会いしたいと思ったんですよ。父親役なので、僕の家庭の話などを聞かれたんですけど、ずっと論点がずれずにピタピタと会話できるのが気持ちよくて楽しかった。でもこの役は、きっと他のかたに決まるだろうと思っていました。
――竹原さんらしく、ナチュラルに演じられていて、どんどん感情移入していきました。
竹原:そう観てもらえたら嬉しいです。自分は即興性のカケラもない人間なので、怖くなっちゃって、実はめちゃくちゃ準備していたんですよ。監督にもリハーサルお願いします! と頼んで何度もやらせてもらったシーンがありましたが、「もう大丈夫、本番でやりましょう」と止められたり(笑)。主演の本木雅弘さんも優しい方で、自分がここにいる重要性を何度も説いてくれて、安心して芝居ができました。しかも「もっと売れるには、色々な可能性も試すべきだ」とか、竹原ピストルを有名にするためのアドバイスも下さって、思わずうるっとするようなこともありました。撮影中は、本木さんと現場で話すのが楽しみでしたね。
――この映画に参加して得たものを教えてください。
竹原:映画を宣伝する場面では遠慮して言えなかったんですけど、自分としては、西川組として過ごした日々の記録、ですね。何だよ、自分の思い出か、と叩かれそうで言えなかったけど、洗いざらいの心境を言うと、ソレですね! かけがえのない記録。DVDにはメイキングシーンがあるそうなので、それが楽しみ。早く観たいです。
――ニューアルバム『PEACEOUT』に、映画で経験したことは影響していますか?
竹原:うーん、それはないです。やっぱり音楽は別ものなんですよ。あるとすれば、西川監督と本木さんに、音楽でイイとこ見せないとな、という思いですね。恩返しする人がまた増えてしまった。つい1週間前も本木さんがアポなしで福岡のライブに来てくださったんですよ。ステージ上から客席の本木さんのシルエットを見つけたときの安心感(笑)。絶対いいもの見せたい、と、いっそう気合が入りました。映画でお世話になった方々全員から、もっともっと頑張るぞという気持ちをもらいましたね。
【人気記事】
※羽生選手が○○だと“勝てる選手はいない”!? 今春男子フィギュアの見所
※ちゃんと分けてる? 「タンブラー」と「水筒」の賢い使い方
※神木隆之介、2歳から20年間も役者を続けられた理由とは…