10月19日、世界体操競技選手権大会が始まる。今回は団体戦は実施されず、個人総合と種目別の個人戦のみとなる。パリ五輪翌年ということもあり、次の大舞台を見据えて新たなスタートとなる年。自身の現在地を確かめる重要な場でもある。


パリ五輪に続き日本の底力を示すための舞台が始まる!

日本代表は、男女ともに楽しみなメンバーがそろった。

パリ五輪の団体で金メダル、さらに岡慎之助が個人総合と鉄棒で金メダルを獲得したのが象徴するように、地力を見せつけた男子。世界選手権の代表にも岡と、東京五輪個人総合金メダリストで、パリ五輪のメンバーでもあった橋本大輝が名を連ねた。世界トップクラスのオールラウンダーである二人は、今年4月の全日本体操個人総合選手権で橋本が優勝し岡が2位、5月のNHK杯では岡が優勝し橋本が2位と、高いレベルでしのぎを削ってきた。種目別にも出場するが、両者ともに、まず目指すのは個人総合での世界一だ。

国際舞台で数々の実績を残す岡と橋本の一方で、初めて世界選手権に臨むのが角皆(つのがい)友晴。高校時代から期待を集めていた一人だが、大学生になった今シーズン、全日本個人総合で橋本、岡に続く3位になり注目を集めた。世界選手権では種目別の平行棒と鉄棒に出場するが、両種目には岡と橋本も出場する。決勝に進めるのは国ごとに2人、先輩たちに勝負を挑み、躍進を誓う。そのほか、南一輝、石澤大翔、金田希一が種目別に出場する。

女子で注目したいのは杉原愛子。リオデジャネイロ、東京と2度五輪に出場し、東京大会後、競技生活にひと区切りをつけるとしてコーチになったが2023年に現役復帰。パリ五輪代表にはあと一歩届かず、補欠での帯同となったが、今年のNHK杯で実に10年ぶりの優勝を果たし、世界選手権の個人総合代表となった。キャリアを長年積み重ねた今も成長を続けるだけに、楽しみだ。

そのほか、杉原と共に個人総合代表として岸里奈、種目別に岡村真と中村遥香が出場する。

ベテランから若い世代までそろった体操日本代表がどのようなパフォーマンスを披露するのか。それは今大会に限らず、2028年のロサンゼルス五輪への第一歩ともなる。

岡 慎之助(徳洲会体操クラブ)

パリ五輪個人総合ではEスコア(出来栄え点)の高評価が金メダルにつながったように、技をきれいに決められるのが魅力。

橋本大輝(日本生命/セントラル)

パリ五輪は怪我の影響もあって万全でない中、役割を果たし団体金メダルに貢献。世界選手権で再びの戴冠を期している。

杉原愛子(TRyAS)

五輪ではリオデジャネイロ団体4位、東京団体5位に貢献するなど第一線で長く活躍。新たなユニフォームの開発も手掛ける。

角皆友晴(順天堂大学)

今春、体操の名門である順天堂大学に入学。7月の世界ユニバーシティゲームズの平行棒では岡を抑えて優勝を果たした。

Information

第53回世界体操競技選手権大会

日程:10月19日~25日

場所:インドネシア・ジャカルタ

日本テレビ系で放送予定。

写真・松尾/アフロスポーツ 森田直樹/アフロスポーツ 文・松原孝臣

anan 2467号(2025年10月15日発売)より

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