中島健⼈さんが9⽉14⽇(⽇)に台北・Zepp New Taipeiでソロ初の海外ライブ「KENTO NAKAJIMA 1st Live 2025 in TAIPEI “N / bias”凱」を開催。7⽉にファイナル公演を迎えたホールツアーとは異なったセットリストと流暢な現地の⾔葉でパッション全開に盛り上げたステージをレポートします。


中島健⼈さんにとって初めての海外ライブ。登場を待ちわびる観客のペンライトの光が中島さんを出迎える中、現地の⾔葉での挨拶で始まったステージは、「CANDY 2024」で幕開け。キャンディステッキを持って、ダンサーと⼀緒にダンスする表情は、喜びに満ちあふれたキラキラ笑顔だ。「SHE IS…LOVE」では「エブリバディ、セイ!」と笑顔で呼びかけたり、投げキスをしたり、のっけからKENTYワールド全開! 「ヘイ、台北! メイクサムノイズ(騒ごうぜ)、楽しんでますか? 今⽇という⽇をめちゃめちゃ楽しみにしてました。冒頭、映像にファンタスティックトラブルがあったんですけど、トラブルもエンターテインメントだから。何があってもね、こういうエンターテイメントっていうのは、俺とU:nity(中島さんのファンネーム)と⼀緒に作り上げていくもんだから、よろしくね!」と、現地ではオープニングの映像トラブルがあったことにスマートに触れながらも、エンターテイナーとして楽しませることを忘れない。

とにかく驚かされたのが、流暢な現地の⾔葉でのMC。この⽇のためにファンを盛り上げる⾔葉をマスターし、台湾U:nityとの交流を楽しむ姿が頼もしい。「Raise Your Light」では、「みんな歌える? クラップ ユア ハンズ!」と⼿拍⼦をしたり、「歌って」と両⼿であおったり、会場がひとつになるように呼びかけ、笑顔を振りまいていた。ファンの⼤きな悲鳴が会場を包んだのが、「Mission」。⿊のTシャツに⿊パンツ、⼿には⿊のグローブをはめ、シンプルな⾐裳でパフォーマンス。曲の途中で⾸元からT シャツを⼒強く引き裂いて、鍛え上げた⾁体美を露わに。⼒強くセクシーに踊る姿に会場の歓声が鳴りやまない。

2度⽬のMCでは、「Zepp New Taipei、楽しんでますか。オールU:nity!!」と呼びかけ、「ここからは違う⾔葉を喋ります」と、現地の⾔葉のMCで、盛り上げていく。中島さんの⼀⾔ひとことに歓声が上がる会場。「イケてる? バッチリ? やったぜ、最⾼!!」とご満悦だ。「⾐裳チェンジをするから、ちょっと⾏かないと…」とステージを⽴ち去ろうとすると、「えー」というような残念がる声があがり、「いや、ここで脱ぐのもありなんだけど」と⽇本語で⾔いながら、ワイン⾊のバスローブ⾵⾐裳を挑発するように何度もセクシーにはだけさせる。⽇本ではステージ上でのお着替えタイムがあったが、「ここ台北だから。オッケー? ちょっと着替えてくるね。その間に台北のU:nityのためにスペシャルな映像を⽤意しました。じゃあ、ちょっと⾏きますね。Enjoy!」と、颯爽と⾐裳チェンジへ。

海外公演のみで披露されたインタビュー映像で語ったのは、中島さんの世界で活躍したいという今の想い。「いろんなエンターテインメントがある中で、⾃分が今、中島健⼈というアイドルとして何を伝えるべきなのかって考えた時に、⾃分の⼿で作った⾳楽、⾃分の⼿で作ったステージを⼀番に⾃分が信じて、これをもとに⽣きている気がしていて。全国7都市の(ホールツアー)『“N / bias”巡』で分かったU:nityのグルーヴ、熱量みたいなものを、じゃあ次はどこで伝えるか。それが台北っていう流れ。『リビングの松永さん』のファンミーティングの時の空港の俺、⾒た? ちょっとスーパースターすぎる(笑)」と笑うと、会場から⻩⾊い悲鳴が。

中島節は絶好調。「やっぱり歓声に抱かれながら⽣きたい。それくらい台北の⽅が⾃分を温かく迎え⼊れてくれたっていうのがすごく嬉しかった。台北公演は、正直すごく緊張しているし、不安なこともあるけど、でもそれはもうU:nityのみんなが助けてくれるでしょ。今、多分“キャー”、来てると思う」と中島さんが予想した通り、ここでもキャーという歓声が巻き起こる。

「ステージに⽴っていて、⾃分がみんなの⽣きる糧になってるんだなってアイドルとして思うことがあるんだけど、ただそれ以上に⾃分が輝かせてもらってる気がして。だから、⾃分よりもきっとみんなのほうがアイドルなんじゃないかって⾔ったことがあって、いい関係性でライブができてると思うけどね。もう歓声という歓声が⼤好物。それを聞くために⽣きている。だから、やっぱり⼀個⼀個の場所での熱量や盛り上がりが⾃分にとって⼤切な宝物であり、それをみんなと⼀緒に分かち合いたいなって。それが中島健⼈のライブの醍醐味な気がする。⾃分が本気で声嗄らすレベルで、服も破くレベルで、みんなと向き合ってるから、みんなも声を嗄らすレベルで、全⼒で向き合ってくれよ! 後悔のないライブの時間を過ごしてほしいし、その熱を感じたいからここに来てんだろう? 僕たちが作るライブ会場は、世界で⼀番熱くあるべきだ。今という瞬間、最⾼に輝かせますよ!」と、熱さ全開、真剣な表情でファンに全⼒でついてきてほしいと訴える。

そして、「今回はZepp New Taipeiだけど、次は台北アリーナ、絶対にやりたいです。絶対に台北アリーナの終わりに⼩籠包を⾷べる! …お願いだから、トリュフ⼩籠包⾷べさせてほしい。俺、トリュフ⼩籠包なら300個ぐらい⾷べれるかな。それぐらい好き。配信もされてるから⽇本中に観られているし、ちょっとあまり⼤げさなこと⾔うのやめて…100個ぐらいで(笑)。その次の年に台北ドーム。夢は広がるわけです」と、トリュフ⼩籠包への愛をユーモアたっぷりに語りつつ、台北アリーナと台北ドームを⽬指すという野望をサラリと宣⾔するのがチャーミングな中島さんらしい。

9月13日「SINGDOME Music Radio」@台北ドーム

着替えも終わり、ここからは、台北公演に⾄った想いを直接ステージ上で説明。「⼈⽣で初めての海外公演なので、嬉しいです。今、⽣配信で台北の⽅、⽇本のファンの皆様も観ていますので、ちょっと⽇本語で喋ろうかな。準備をたくさんしてきて、昨⽇は台北ドームで歌ってきました。観てくれたって⽅? 台北ドームに⾏ったっていう⽅?」と会場に尋ねると「はーい」という⼤きな返事が返ってくる。「オーマイガー! アメージング! いやー、すごい。やっぱり歓声を主⾷にしてる⼈間なので。皆さんの歓声が僕にとってはプロテインなので(笑)」とリアルな反応に⼤喜び。

9月13日「SINGDOME Music Radio」@台北ドーム

中島さんは9⽉13⽇の夜、台湾プロ野球球団の楽天モンキーズが開催する「SINGDOME Music Radio」にゲスト出演したばかり。⽇本⼈ソロアーティストとして台北ドームでパフォーマンスをしたのは、中島さんが初の快挙だ。「台北ドームでは3万⼈の⽅を前に『CANDY〜Can U be my BABY〜』『ピカレスク』『ファタール』の3曲を聴いていただきました。GEMNのキタニティーから海外公演のアドバイスもいただきまして。『台北はごはんが全部美味しいから、⾷べすぎてお腹壊さないようにしてね』って(笑)。あと、『みんなの声援と熱気がすごいから、健⼈さんはきっとそれに応えるだろうけど、3倍ぐらいで返してね』って⾔われたんで、今⽇は全⼒で!」とキタニタツヤさんからのアドバイスを明かした。

そして、「『“N / bias”凱』のガイは凱旋の“凱”なんです。『リビングの松永さん』のファンミーティングで台北に来た時に、台北の皆さんに元気をもらえたので、その恩返しをしに来ました。そして、ライブが始まって、映像がありましたよね。映像。ファーストエンターテインメントね、ごめん、どっからどこまで観れなかったの? ちょっと後で1⼈ずつ話を聞くわ。この後ちょっと⼀緒に⼩籠包⾷べに⾏こうか」とニッコリ。

「皆さんが空港でね、待っててくれたじゃないですか。どういうファッションで⾏くかちゃんと考えたんです。あれ、私服なんです」と前⽇の空港での私服について触れてから、「台北で使われてる⾔葉で⾊々、喋ってみたかったんだよ。勉強しました。去年の松永さんの時よりも上⼿くなりました」と覚えてきたという現地の⾔葉をいくつか披露。そのたびに感激しているような割れんばかりの歓声が起こり、「また台北でライブできますか? 次は台北アリーナでね。たった1度のライブなんです、『凱』は…リミテッドナイト! 俺、全員を⾒てるからね。気抜くと今後、⼩籠包⾷べさせないから(笑)。(⼩籠包)はリアルに50個以上⾷べれる。裸になるじゃないですか。(と、Tシャツを引き裂くマネ)体がむくんでないといいな。⼤丈夫でした? ⽣配信でみんなに観られてるから、共同責任だからね。もう共犯者だからね、皆さん」と、中島さんの⼩籠包の⾷べすぎは、まさかのU:nityの責任に!?

まだまだMCは続き、「今⽇は朝8時からメイクをして、取材をたくさんして、台北のメディアにもたくさん出演させていただきまして。その後にリハーサルがあって気づいたら今、美しい皆さんの⽬の前にいます」とこの⽇のスケジュールを語り、ステージ上にあるKとNのイニシャルの機構や照明について触れてから、「ちょっと皆さんに私からのギフト差し上げようかな。この台北に来ることが楽しみだったの。ある曲のカバーをしたいと思います」とジェイ・チョウさんの「晴天」を台湾公演だけスペシャルで披露することに。「えー、超緊張する。ヤバイどうしよう。スタッフの皆さんも初めての海外公演で、Nチームとしても初めてなので、皆さん緊張してるんです。それをちゃんと受け⽌めてくれるU:nityに⼼から感謝してます。いろんな景⾊をたくさん⾒たいし、いろんな場所に⾏きたい。そんな中で最初の場所、台北に来れたことが嬉しかったので、台北で聴かれている楽曲を練習してきました。頑張ります!」と、階段に腰掛けて、しっとり歌う中島さん。⽬を閉じて歌うなど、感情を込めて歌っているのが伝わってくる。途中でラップパートもあり、現地の⾔葉でなめらかに歌い上げると歌唱後、ステージに脱⼒するように崩れ落ちる。

「⼤丈夫でした? ホントに緊張しました。台北の皆さんにどうしても歌で気持ちを伝えたくて。本当にありがとうございます。ラップがすごく難しいんですけど、頑張りました。もっとたくさんの曲を歌えるように、⼀⼈のアイドル、アーティストとして頑張りたいと思います」と緊張から解放された笑顔で今の⼼境を伝えた。

ファンとコミュニケーションがたっぷりとれるMCが何度もあるのが「“N / bias”」ではおなじみ。2〜3曲ごとにMCタイムがあるのが中島さんのライブの魅⼒だ。「最⾼の時間だな。ステージに⽴って、⼀⼈で歌って踊る。こういう時間があるのは、皆さんが観てくれてるからできてることです。ありがとうございます。素晴らしい歓声を受けて、やっぱり⾃分の信じた道に突き進んだのは間違いなかったと思ってます。やっぱり新しい決断をする時に、それがよく⾔われないことがどの時代でもどの場所でもあると思うんですけど。悩んでる気持ちだったり、前を向けず、なかなか元気が出ない⼈の気持ちだったり、そういうことを深く知ることができました。感謝してます」。すると、そんな⾔葉を称えるような拍⼿と⼤きな声援が⾶び交う。

「俺は台北のファンミーティングでみんなに元気づけられて、あの時のスタートダッシュっていうのがすごく⼤きくて、それがあって今この『“N / bias”凱』に辿り着けています。もう俺は光しか⾒てないんだよね。光しか⾒てない中での進み⽅ってあると思う。やっぱり夢を⼤きく持ちたいじゃない? 夢を⼤きく持つ時に悪巧みも必要だよね? だからさ、これからもさ、俺の悪巧みに付き合ってよ」とニヤリと笑うとキャーと⼤歓声に包まれた。

「もっとここの⾔葉でメッセージを喋れるように頑張るよ。だから、それまでさ、俺のピカレスクロードについてこいよ。オーケー?」と曲を振り、ラストスパートの「ピカレスク」で熱気は最⾼潮に…! 美しいハイトーンボイスで会場を魅了した「迷夢」では、ラスサビを⼀部翻訳した歌詞で歌唱する場⾯もあり、中島さんの台北ファンを喜ばせたいという想いに深い感動に包まれた。

最後の挨拶は現地語で語り、ドーム公演を⽬指すことなど、今後のビジョンをしっかり⾒据えていることをファンに伝える。「最⾼の時間をありがとう! 最後、俺の名前を叫べる? LOVEって⾔ったら、“ケンティー”と叫んで!」と呼びかけ、会場がケンティーコールでひとつになって幕を閉じた台北公演。この凱旋ライブをきっかけにますます海外での活動も視野に⼊れてアイドルとして、アーティストとして⾶躍していきたいという気迫と覚悟が感じられたステージ。これからもアイドルとして貫いてきた⼈⽣を背負い、アイドル以上の存在へ進化していく──。

取材、⽂・福⽥恵⼦

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