
©田中聖太郎写真事務所
RIIZEが自身初の全国アリーナツアー、「2025 RIIZE CONCERT TOUR[RIIZING LOUD] IN JAPAN」を開催。2025年7月12日の兵庫公演を皮切りに、全国5都市11公演を巡った。9月13日に開催された東京・国立代々木競技場第一体育館での公演では、K-POP男性グループとしてデビュー最速となる東京ドーム公演「2026 RIIZE CONCER TOUR [RIZING LOUD] Special Edition in TOKYO DOME」の発表も。そんなツアー最終日、9月15日の模様をレポートします。

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揃いのエンブレムが背中に入ったジャケットをまとったメンバーたちがステージへと歩み出ると、イントロとともにBRIIZE(ファンネーム)たちの大きなコールが会場に響き、「Ember to Solar」からコンサートはスタート。1曲目からギア全開のパフォーマンスを見せると、軽やかで大胆なステップが続く「Siren」では花道を進み、センターステージへ。一瞬たりとも休む間もないパフォーマンスで、すさまじいパワーを会場いっぱいに満たした。
リフトアップしたセンターステージにスモークがたかれ、幻想的な雰囲気の中で歌われたのは、スペーシーなメロディが耳に残る「Odyssey」。ペンライトに灯るオレンジ色の光に包まれて、まるで会場が宇宙のようにも見える中、夢という旅のはじまりを高らかに歌い上げた。
「Combo」では代々木競技場第一体育館をいっぱいに埋め尽くした客席のBRIIZEたちを眺めながら語りかけるように、訴えかけるように歌う姿が印象的。力強いボーカルが会場に響き渡り、最後にはメンバー全員、人差し指を高く掲げる場面はさながら青春映画の1シーンのようでもあった。序盤からの4曲、休みなく駆け抜けたこの16分で、RIIZEは完璧に会場を自分たちの色に染め上げた。
ソンチャンが「RIIZEが代々木に帰ってきましたー!」と叫ぶと、会場もそれに呼応して大きな歓声をあげる。ショウタロウが「熱気がすごいのでここで着替えてもいいですか?」と言って、メンバーが次々にジャケットを脱いでタンクトップ姿へ。その上にベースボールシャツを羽織り、着替えが完了するまで、BRIIZEのどよめきは止まらなかった。
ソンチャンは 「ソンソンソン、ソンチャンです!」というかわいらしい挨拶にはじまり、「みなさんの月曜日のテンションを見せてください。月曜日だけど大丈夫ですか?」と気合を入れると、ウォンビンも「月曜日なのに来てくれてありがとうございます。今日、休み?」と、月曜開催なのが気になる様子。ショウタロウが「今日は祝日です」と言うと笑顔を見せ、「今日は最終日なので力を全部出しきります」と力強く宜言した。

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今回のツアータイトル、「RIIZING LOUD」は「LOUDには叫ぶという意味があります」とソヒ。「初の単独ツアーで新しい旅路に旅立つRIIZEの叫びを込めました」そう。アントンも「RIIZEの叫びが代々木のBRIIZEに届くように今日もがんばります」と大きな声で気合を見せた。
白、もしくはブルーのシャツというプレッピースタイルの衣装に着替えて再び登場したメンバーが、メインステージと花道の間にかけられた白い階段に腰掛けて歌った「Passage」は、合唱のようにメンバーの声が重なり、透明感と奥行きが増したボーカルが魅力的。
続く「Midnight Mirage」も、よりボーカルに集中したステージに。パフォーマンスに注目が集まりがちな彼らだが、曲とボーカルのよさがより際立っていた。 ダンスを封印した代わりに、曲の合間にメンバーが手を大きく左右に振ると、それに呼応して客席のペンライトも左右に揺れ、一体感を味わわせてくれる。

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東方神起の楽曲をRIIZEが再解釈して今年1月にリリースした「Hug」では、ステージがくつろぎマイルームに変身。ウンソクとソンチャンは同じベッドに腰掛けながら歌い、ソンチャンがウンソクの肩にもたれかかる一幕も。ショウタロウは隣のウォンビンの頭をナデナデし、ソヒとアントンは同じソファに座って歌唱。ソヒが歌っている間、日記帳のようなものを読んでいるアントン。ページを開いたまま客席に見せると、そこには「次は東京ドームで会おう」という文字が。9月13日に発表になった東京ドーム公演を待ち遠しく思っているメンバーたちの気持ちが感じられた。MCではウンソクにもたれかかったソンチャンが、ウンソクからはもたれかかってこなかったと不満顔。 そんな二人の間にアントンが忍び寄り、強引に二人の顔を寄せるとBRIIZEからは大歓声が湧き上がった。
「9 Days」が始まる前、ソンチャンから「次のステージは一緒に歌ってほしい」というお願いが。ソヒの合図で会場のBRIIZEが練習することになったのだが、アントンが「あそこが歌ってなかったです」とまさかの告発。「みんなやらなきゃダメですよ 」(ソヒ)、「ここのBRIIZEが歌わないともう一回歌うことになりますよ」というスパルタな指導のあとに始まった「9 Days」ではメンバーが跳びはねるだけでなく、 BRIIZEたちも一斉にジャンプ! ステージをあちこち跳び回り、走り回って会場を盛り上げた。そしていよいよ「Show Me Love」では練習の成果を見せる時。メンバーとファンが一体となって、「どんな時も自分らしくあれば何でもできる」というポジティブな曲を高らかに歌った。

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中が合わせ鏡のようになったミラーボックスのセットを使った「Honestly」では白いシャツをたなびかせながら踊り、管楽器のサウンドが印象的な「Talk Saxy」はウォンビンのシャウトとジャジーな楽曲をパワフルなダンスで魅せ、「Impossible」では高い打点のキックにはじまり、軽やかだが終わりがないステップが続く。ショウタロウの「代々木、アーユーレディ?」の煽りでギアがもう一段上がり、パフォーマンスもBRIIZEのコールもさらに激しさを増していった。
最後にメンバー全員が腕を突き上げるまで今日一番の熱気を見せ、曲が終わるやソヒが「すごく盛り上がりましたね。みなさんが今、僕たちをすごく熱くしてくれました」と大興奮。ショウタロウも「もう一回、聴かせてほしいな」とコールをおねだりし、会場全体でもう一度メンバー全員の名前を呼ぶコールを再現してみせた。
ソンチャンが「怪物を捕まえに行かないと」と言ってはじまったEXOの「Monster」のカバーや、アントンがベースを、ウォンビンがギターを弾きながらスタートした「Get A Guitar」、「Boom Boom Bass」では再び激しいステップの連続の中、ショウタロウがくるりと回転すると、全員の動きがビタッと止まるストップモーションまで、完璧なパフォーマンスで会場の熱気はいよいよ最高潮へ。「Fly Up」ではウォンビンが鳥のように跳び上がって前方に躍り出ると、軽やかなメロディに合わせて、メンバーも楽しそうに笑顔を見せながらパフォーマンス。最後にキックでステージを終えるまで一瞬たりとも目が離せないステージに、曲が終わると今までにないほどの大歓声と拍手で会場が一体となった。
7月からはじまったツアーもこの日が最終日ということで、メンバーも口々に「終わるのが早い」と残念そう。それでも次は東京ドームでの3デイズが決まっていることから、「絶対に来てくださいね。みんなの顔を記憶したから」とショウタロウがアピール。ソヒはこのツアーの思い出を振り返り、「コンサートが終わってごはんを食べる時のことが一番印象に残っています」としみじみ。ショウタロウは「神戸牛も食べたし、モツ鍋も食べたし、代々木では…」と言い淀むと、ウンソクがうれしそうに「油そば」と回答。ソンチャンは「これくらい言ってたら油そばのアンバサダーになりそう」と呆れつつ、ウンソクは麺をすするふりをしながら「油そば、おいしい!」とアンバサダー就任に意欲を見せた。
そして、「生まれ変わっても、すべての瞬間が完璧ではないけど、みんな一緒に前に進んでいこうという意味が込められた曲」とショウタロウが紹介した「Another Life」でコンサート本編は終了。

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アンコールで再びステージに登場すると、一日の終わりを予感させる「The End of the Day」でしっとりムードに。そしてツアー最終日として、最後の感想を言っていくことに。「代々木は僕が初めてBRIIZEの前で泣いた場所なので、情を感じています」と語りはじめたアントン。次の東京ドームに向けて、「3日間、東京ドームを埋めるというのは簡単なことではありません。BRIIZEも友だち、家族、子どもたち、みんな連れてきて」と笑顔でアピールした。
ショウタロウは「活動できるのが当たり前ではないとわかっていますし、いつも支えてくださる日本のBRIIZEのみなさんがすごくありがたいです」と感謝の言葉を口にした。そして次は東京ドームという大きな会場になるが、「次はもっと近くでみんなに会えるように試行錯誤しながら、もっといいものを見せられるようにがんばります」と約束した。
その後は再び曲を届け、会場全員との記念撮影も終えて、長いようで短かった「RIIZING LOUD」も終わりを迎え…。「帰りたくないよ」というショウタロウの言葉に、メンバーも頷きつつ、全員でステージを端から端まで挨拶して回る。そして「BRIIZE、ちょっと待ってて」とウォンビンが、「近々また会おうね」とショウタロウが言いながら扉が閉まり、すべての公演が終了した…かと思いきや、まさかのダブルアンコールで「Same Key」がかかると、会場は騒然。ツアーが終わったさみしさから一気に楽しいモードへと戻され、最後とは思えないほどの盛り上がりを見せた。そして開演前にもあったように、ショウタロウが締めくくりに場内アナウンスまで担当して、「RIIZING LOUD」ツアーは本当に幕を閉じた。

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