熱い気持ちを生み出す、エンタメの今。エンタメ事情に詳しい識者が注目のトピックスとともに、“バズ”を生んでいるコンテンツや事象を深堀り!

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    選び手の姿勢で共感の範囲が広がるオーディション番組新時代到来

    努力を重ね、デビューを目指す姿から目が離せないオーディション番組。あまたある中で、最近は選ぶ側のメッセージ性を感じられる番組が熱く支持される。

    「話題を集めた『No No Girls(ノノガ)』と『timelesz project(タイプロ)』は、どちらも選び手が、理念や基準をはっきりと打ち出していたため、エンパワーメントされる人が多かった」(柴那典さん)

    「人気は分散傾向にありますが、要素が幾つかの界隈に重なっているものが支持されやすい。たとえばノノガはガールズグループでありながらHIPHOPやセルフラブの要素も含んでいて、共感の範囲が広がりました。またノノガのプロデューサーのちゃんみなさんの名言やタイプロの“菊池風磨構文”がSNSで広まったことで見る人が増えたことも、バズったひとつの要因」(長田麻衣さん)

    「選び手の姿勢に“人間の誠実性の価値”を感じ、多くの人の心を掴んだのでは」(中山淳雄さん)

    ノノガから生まれたガールズグループ「HANA」がデビューから快進撃を続ける

    今年4月のデビュー以来、リリースする楽曲が国内外の主要音楽チャートを席巻し、数々の快挙を達成し続けている。

    「ちゃんみなさんがグループのビジョンを明確に示したことで、それが全体の魅力の底上げに繋がり、“箱推し”で応援したいと思う人が増えたように感じます」(柴さん)

    自分を表現できる“みんなの最大公約数”。大キャラクターブーム到来

    「ラブブ」や「Lil ala mode」など、新しいキャラクターが次々と生まれ、根強い人気が。

    「その理由に、まずファッションの一部に取り入れやすい点が挙げられます。特にZ世代は、自分を主語にして語ることに抵抗を感じる傾向にあるため、自分を表現するクッションに上手く利用している側面が。また推し活も細分化しすぎて、周りと共通点を見出せなくなりつつある中で、調和を乱さないコンテンツとしてキャラものが最適という背景も」(長田さん)

    「今や国民的キャラの仲間入りを果たしたのが『ちいかわ』。7月にオープンした『ちいかわパーク』は、その世界観に入り込める、まさに集大成ともいえるスポット。このオープンを機に、ちいかわは一大体験型コンテンツにのし上がった気がします」(中山さん)

    キャラクターものは、日常の消費や体験に紐づけられるコンテンツとして秀でているだけでなく、みんなで楽しめるという要素も大きいため、ヒットしやすいようだ。

    レトロとトレンドが融合した「Lil ala mode」

    Ⓒmikko

    イラストレーターのmikkoさんが描く、“女の子の毎日に寄り添ったイラスト”をコンセプトに生まれた小さくてチャーミングな仲間たち。それが「Lil ala mode(リルアラモード)」。「6月にSHIBUYA109で開催されたポップアップストアも大好評でした。これからますます人気が拡大しそうな予感」(長田さん)

    「ラブブ」に世界が夢中。空前の大ブーム!

    中国の絵本『謎のブーカ』に登場する妖精のキャラクター。中国の玩具メーカー「POP MART」とコラボし、世界的なブームに。BLACKPINKのLISAさんがラブブのカスタム衣装を着用したことで、人気が加速。「1990年代に、キティがスターに上りつめた時と同じ流れを感じる」(中山さん)

    Profile

    柴 那典(とものり)

    音楽ジャーナリスト。京都大学総合人間学部を卒業後、ロッキング・オンを経て独立。雑誌、ウェブなど各方面にて、音楽やサブカルチャー分野を中心に幅広くインタビュー、記事執筆を手がける。

    長田麻衣

    Z世代をメインに、若者文化やライフスタイルを研究する「SHIBUYA109 lab.」所長。毎月200人のZ世代と対話を行う。TBS系『ひるおび』月曜コメンテーターなど、メディア出演や寄稿も多数。

    中山淳雄(あつお)

    エンタメ社会学者。エンタメ企業のコンサルティングを行うRe entertainment代表。大学で研究員も務める。近著に『キャラクター大国ニッポン世界を食らう日本IPの力』(中央公論新社)。

    取材、文・鈴木恵美

    anan 2463号(2025年9月17日発売)より
    Check!

    No.2463掲載

    熱狂のカタチ 2025

    2025年09月17日発売

    みんなの気持ちを揺り動かし、大きな熱狂を呼んでいる人、作品、モノにフォーカス。葛飾北斎の人生を描いた映画『おーい、応為』に出演する長澤まさみさんと永瀬正敏さん、歌舞伎界の新鋭・市川團子さん、T-POPのニューウェーブ・JASP.ER、話題の恋愛リアリティ・ショー『今日、好きになりました。』のキャスト、「kawaii」を生み出し続けるアソビシステムのクリエイターなど、いま盛り上がりを見せる各界の豪華な面々へのインタビューから、バズを生み出している秘密に迫ります。

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    魅⼒的だけど浮ついた⾔葉に惑わされず、地に⾜を着けることを⼼がけたい⽇です。悩みや問題を⼀気にどうにかしようと焦ると、安易な⼿段を選んで泥沼にはまりがち。ここは階段を昇るように、⼀歩ずつ⼩さな実感を頼りに進むことが⼤切です。その静かで着実な歩みの先に、あなたが⼼から望んでいる明るい景⾊が待っています。

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