9月13日に開幕する「東京2025世界陸上」。世界中の“超人たち”が国立競技場にやってくる。大会2日目の男子100m決勝で“世界最速”が決まるなど、閉幕する21日まで連日、名勝負が繰り広げられることになる。今大会はどんなドラマが待っているのか。そしてホスト国となる日本からも楽しみな選手が続々と登場する。


メダルや入賞を目指す注目すべき日本人アスリート

まずは今一番ホットな選手から紹介したい。男子110mハードルの村竹ラシッドだ。昨年のパリ五輪で5位入賞を果たしているが、今季は世界リスト2位&世界歴代11位タイとなる日本記録を打ち立てるなど格段に成長。メダル獲得はもちろん、優勝争いに加わるかもしれない。

男子200mの鵜澤飛羽も面白い。今季はアジア選手権を連覇して、日本歴代3位タイの20秒11をマークするなどハイアベレージの記録を残してきた。パリ五輪は準決勝で敗退したが、「ようやく狙っていた走りが見えてきましたね。世陸では今年一番のパフォーマンスを出せると思います。200m決勝でちゃんと走って、4×100mリレーの決勝もしっかり走って金メダルを取る。そのために練習をしっかり積んで、気持ちの面でも整えていきたい」と東京での快挙を目指している。

4年前に国立競技場で快走した田中希実にも注目だ。国際大会に滅法強く、大舞台で日本記録を何度も塗り替えてきた。東京五輪は無観客開催となっただけに、「自国開催ということで、日本の皆さんに応援していただけるなかで走ることができる。満員の国立競技場で走れるのは強みになると思います。自分らしさを出して、2種目で勝負できるように頑張りたい」と意気込んでいる。

フィールド種目では、女子やり投の“世界王者”北口榛花から目が離せない。今季は右肘を痛めたが、8月に試合復帰。代表内定会見では、「競技人生で自国開催の世界陸上は最初で最後だと思うので、東京の皆さんの前で金メダルを獲得できるように準備して臨みたい。どんな大きな試合でも特別なことはせずに、いつも通り、自分のやるべきことに集中していきます」と静かに燃えていた。

マラソンや競歩は公道でも行われる。お近くの方は、ぜひ間近で日本選手を応援しよう!

村竹ラシッド(JAL)

8月16日のAthlete Night Games in FUKUI 2025で12秒92をマーク。自己ベストを一気に0.12秒も更新して、今季世界リスト2位、世界歴代11位タイとなる“特大の日本記録”を打ち立てた。

「どんどんスピードが上がっていくような感じがあって、中盤からのスピードが新しい感覚でした。120点のレースでしたが、一発で終わりたくありません。さらに上を目指していきたい。東京世界陸上の目標は12秒台とメダルの獲得です」

トーゴ人の父を持ち、高校時代から男子110mハードルで活躍。順大4年時に日本記録タイ(13秒04)をマークすると、昨年のパリ五輪で5位に入った。

鵜澤飛羽(うざわ・とわ/JAL)

男子200mで「決勝進出」を目標に掲げており、日本人初の19秒台も期待十分。“アニオタ”としても有名で選手紹介のポージングにも注目だ。

北口榛花(JAL)

女子やり投で、世界大会(ブダペスト世界陸上とパリ五輪)を連覇している。チェコを練習拠点にしており、東京で“凱旋V”を目指す。

田中希実(New Balance)

1500mと5000mでダントツの日本記録を保持。東京五輪は1500mで、2023年ブダペスト世界陸上は5000mで共に8位入賞を果たした。

Information

東京2025世界陸上

日時:9/13(土)~21(日)

会場:東京・国立競技場ほか

TBS系で生中継

写真・アフロスポーツ 取材、文・サカイマサト

anan 2462号(2025年9月10日発売)より

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上下の意思疎通を図るにあたり、その橋渡しをする役目の人の苦労が焦点化されている日です。中間管理職の人知れぬ悩み。人体に例えると腰です。上半身と下半身のスムーズな連動のためには腰の柔軟さと強さが欠かせません。それと同じように、この大事な役を担っている人を気遣い、ねぎらう気持ちを改めて思い起こしたい日です。

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