8⽉6⽇・7⽇の2⽇間にわたってKアリーナ横浜にてSEVENTEENのHOSHIとWOOZIによるファンコンサート「HOSHI×WOOZI FAN CONCERT [WARNING]-JAPAN」が開催。2⽇間で4万⼈を動員し、全12曲とSEVENTEENのヒットメドレーを披露した。2⼈は今年9⽉に⼊隊することがすでに発表されており、⽇本では⼊隊前ラスト公演となる。2⼈の気迫、そしてCARAT(ファンネーム)の熱量を今まで以上に感じたファンコンサート2⽇⽬の模様をレポートします。
今回のコンサートのテーマは“ギャラリー”。そのため、開演前からステージのメインスクリーンには誰もいないギャラリーのような空間が、左右のサブスクリーンにはそれぞれHOSHIとWOOZIが⽬を閉じた顔がまるでそれぞれのアート作品のように映し出されていた。そんなアートであるはずの2⼈の像の⽬が開くと、アラート⾳が鳴り響く。続けて会場が真っ⾚に染まるとド派⼿な⽕花が打ち上がり、いよいよ「HOSHI×WOOZI FAN CONCERT [WARNING]-JAPAN」が開幕した。

(P)&(C) PLEDIS Entertainment
ベース⾳が鳴り響く中、2⼈はゆっくりとメインステージへと移動しながら「Bring It」でコンサートのスタートを切る。まさに“トラの視線”で気合みなぎるラップを叩きつけるHOSHIに、余裕のボーカルでステージを掌握するWOOZIという対照的な2⼈のステージは、想像以上に相性のよさを感じた。その勢いのまま、1996年⽣まれの⾃分たちのことを歌った「96ers」ではステージを降りてアリーナ通路へと⾶び出すと、CARATの肩を組んだり、⼿を取り合ったり、普段以上に近い距離感でファンとの出会いを楽しんだ。ステージに戻った後には2⼈しておしりをぶつけ合ったり、⼿を合わせたり、やはり息ぴったり。最後には2⼈で腕を組み、仲のよさを⾒せつけた。
今回はファンコンサートということで、「コンサートとファンミーティングのいいところだけを集めてみました。コンサートのようにトークがいっぱいです。ファンミーティングのようにステージがいっぱいです(原⽂ママ)」とHOSHI。ここからは2⼈ともディレクターズチェアに座り、ギャラリーに飾られたHOSHIとWOOZIという作品を解説するガイドの⾔葉を聞く時間になった。

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この⽇、ガイドとして登場したのはSEVENTEENのメンバーであるVERNONとTHE 8、さらには2⼈を近くで⾒守るスタッフたち。2⼈はまず坊主頭のVERNONの姿を⾒て、「9⽉に軍隊に⾏くのは僕たちなのに、なぜVERNONの髪型があんななんだろう?」とHOSHIが訝しがると、WOOZIも「知らない⼈が⾒たらVERNONが軍隊に⾏くと思いそう」と笑う。スタッフからは⾐装のフィッティング時の様⼦が暴露された。HOSHIは⾐装を着替えると必ず踊ったり写真を撮ったり若⼲⾃⼰愛が強め、WOOZIは⽚⾜は⾐装の靴、もう⽚⽅はスリッパのままなのでそっちのほうが不便じゃないの?とスタッフは思っているそう。その話を聞いてWOOZIは⽚⾜スリッパの時の動きをステージ上でぴょこぴょこ歩きながら再現しつつ、「両⽅履くのは時間がかかりますよね。僕がぴょこぴょこ歩く苦労をするよりも、時間が早く終わるほうがいい」というWOOZIなりの合理的な考え⽅を披露した。
THE 8から⾒たHOSHIは「炎のような⼈」。「その熱気を多くの⼈が⾒てエネルギーをもらい、誰かにとっては暗闇の中の光となるけど、たまにやけどする⼈もいるかも。でも兄さんはいつも⼼がピュアでとてもやさしい⼈なので、たまに熱いと感じてもHOSHIさんだから⼤丈夫だと思えます」とその情熱を称えた。WOOZIは反対に「⼭のような⼈」と語る。「包容⼒があって、誠実で、⽣命⼒を持っている⼈。いいエネルギーやアイデア、インスピレーションを与えてくれます。僕からするとWOOZIさんは⼩さいです。でもその⼩さな体の中に⼤きなエネルギー、愛を溜め込んでいるんです。深い話もできる⼈です」と絶賛。
VERNONにとっての2⼈は「怖いと思ったことはないです。厳しい時もあるけど、2⼈ともやさしいし、たくさん助けてもらいました」のだそう。WOOZIとの思い出は、練習⽣の時にはWOOZIともう1⼈で新しい振り付けを考えなければいけないことになった時、WOOZIだけが率先して振り付けを作ってくれて感動したことがあると振り返った。HOSHIについては周りの環境をフルに活⽤する振り付けと演出のアイデアが素晴らしいと思っているそうで、「照明をつけたり消したり、そんな単純な道具だけで効果的な演出を作り出すアイデア、ウィット、センスが素晴らしいと思います」と誇らしげに語った。
その後、トークは練習室で未公開曲を歌ってしまうHOSHIの話題へ。HOSHIいわく「作ってある曲がたくさんあるので…。⾃分でも気づかないうちに出てしまうんです」だそうだが、WOOZIにはこの件について印象に残っている出来事があったそう。「僕に曲を書いてというので、作っていったんです。当然、他には誰も知らないはずの曲なのに、次の⽇に練習室に⾏ったらメンバー全員がその曲を知ってるんです。僕が来る数分前に⼀体何が起きたんだ!?」と驚愕したように語った。HOSHIはHOSHI×WOOZIの練習をする時にあった出来事を語りだした。いわく、「後輩たちからもらったトラックを朝に受け取って⼣⽅にWOOZIに渡すと30分の間にガイドとサビの歌詞を加えてくれたので、それを持って再び後輩のところへ⾏って歌詞を書き、ガイド録⾳まで済ませて、練習室に⾏ってWOOZIが来る前にそれをずっとかけていました」とせっかちすぎるビハインドを語った。そしてそんなHOSHIをWOOZIは「不思議⼈間だな、スーパースターだな」と思って⾒ているそうで、2⼈のいい関係性が窺えた。

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たっぷりなトークも終わり、コンサートはいよいよライブパートへ。今回のファンコンでは2⼈のソロステージも充実。まずはHOSHIがスパンコールのノースリーブにクロップド丈のレザージャケット、パンツまでオールブラックの⾐装で登場すると、「Damage(feat.Timbaland)」をパフォーマンス。⻘いレーザーが交差する中、最後まで鋭い視線で観客を圧倒した。ジャケットを脱ぎ、しなやかな体を⾒せつけるようなヴォーギングで魅了した「Touch」は、今まで以上に⼤⼈セクシーなHOSHIを魅せるステージに。ボイスチェンジした声が⾯⽩かったのか、曲が終わった後もしばらくそのままの声で客席に向かって話しかけていた。ソロステージ最後の曲に⾏く前には「STAY」や「ホランイPOWER」、さらには先⽉リリースしたばかりの新曲「I Want You Back」と、今回のセットリストには⼊らなかった曲を少しだけ披露してくれたり、サービス満点。ソロステージ最後の曲「Spider」では蜘蛛の巣にとらわれたようなダンスにはじまり、ジャジーなサウンドに合わせたムーディなステージとなった。

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「Spider」のアウトロでHOSHIがステージ下に捌けたかと思いきや、バックステージの通路でWOOZIとバトンタッチ。続いてはWOOZIのソロステージに。真っ⾚なレザージャケットにデニム、サングラス姿で登場すると、メインステージの両サイドから⽕花が散る中、⼿にしたギターを掻き鳴らして「Ruby」がスタート。サブステージが浮き上がると、その下からまるでロケットが発射するかのように⽕花がいくつも連なり、その上で真っ⾚なマイクスタンドで楽しそうに歌い上げる姿はまさにロッカーだった。続く「Simple」は⼀転、清々しさを感じるミドルテンポの曲。WOOZI特有の響きのある歌声が会場を包み込み、ハイトーンは天井を貫くように響き渡り、歌の⼒だけで会場をいっぱいに満たしてみせた。⾃分はHOSHIのように明るく引っ張っていく⼒はないと語りながらも「でも公演というものは情熱的すぎても疲れますよね。だからみなさんもちょっと休んでくださいという意味でこんな感じで進めています」と⾔って会場を笑わせた。最後の1曲は、バンドマスターであるギタリストと隣りあって座りながら「Destiny」。想いを込めるように時折⽬を閉じながらしっとりと歌う姿が印象的だった。

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スポーティルックに着替えた2⼈が登場すると、「ECHO!(Prod.WOOZI)」で再びHOSHI×WOOZIのステージに。韓国の伝統を感じさせるメロディを強めのドラムンベースとヒップホップで味付けしたこの曲を、ステージで⽬を合わせて笑い合いながら、⼼底楽しそうにパフォーマンス。せっかくかっこよくキメたステージだったのにHOSHIがマイクを落とし、「これがライブの醍醐味ですよね」と笑顔を⾒せる⼀幕も。ちなみにこの曲は、リリースする頃には⼊隊しているんじゃないかと予想されていたそうだが、2⼈の⼊隊時期が延びたことでタイミングがズレたという。そんな話題にしんみりしかけた空気を察したHOSHIが「⼼配しないで!」と歌うように叫ぶと、CARATがすかさず続けて「やがて夜が明け〜」とSEVENTEENの⽇本語曲「ひとりじゃない」を⼤合唱。そんなCARATと2⼈のやりとりに、SEVENTEENの⽇本での活動歴の⻑さを感じてほっこりする場⾯だった。
本編最後はこのツアーで初披露された「Copy&Paste」。どこか切なさを感じさせる壮⼤なメロディに、リフレインされる「Copy&Paste」のフレーズがカタルシスを呼ぶこの曲では、会場も⼀体となってペンライトを振り、⼤きく⼿を叩いて⼀緒になってコンサートを盛り上げる。背中を向けたまま2⼈が腕を突き上げ、天を指すポーズで曲が終わると、会場からは早くもアンコールの声が。しばらくして、ステージには閉館したギャラリーを点検するかのようなガードマンが登場。ギャラリーの扉が開くと、⿊いジャージに着替えた2⼈が再び登場。今年3⽉にリリースした「STUPID IDIOT」でアンコールがはじまると、本編では“トラの視線”を⾒せるパフォーマンスが多かったHOSHIもにこにこ笑顔でパフォーマンス。ストリートな楽しい曲に合わせて、最後まで全⼒でステージを遊ぶように楽しんでいた。
ここで、この⽇の感想を⾔っていくことに。HOSHIは「CARATのみなさん、10年間ありがとうございました」とお礼を述べると、「その愛の⼒でこれからも⽣き続けると思います。みなさん、元気に⾏ってきます! これからもCARATの最⾼で最後のアイドルになります」と明るくコメント。最後は定番の挨拶「ホランへ!」で締めくくった。WOOZIは「みなさんのおかげでいつも⼼強く活動できたと思います」と今までを振り返りながらも、「ご⼼配なく。すぐ、じゃなくても、すぐ戻ってきます。⾏ってきます」と、こちらも淡々とコメントした。
「これでまた⽇本に来るにはしばらく時間がかかりますね」とHOSHIがしみじみ⾔うと、「今じゃなくても、すぐ戻ってきます」とWOOZIが再び会場を元気づける。そして「これで終わるのはちょっと残念ですよね」というHOSHIの⾔葉で、ここからはSEVENTEENメドレー。今年5⽉にリリースした「THUNDER」では会場が渾然⼀体となってコールを⼤きく響かせ、⽇本デビュー曲の「CALL CALL CALL!」では2⼈が再びステージを降りてアリーナの通路を駆け巡り、そんな2⼈の代わりに客席のCARATたちが⼤合唱する。その勢いのままにはじまった「DON QUIXOTE」でもHOSHIはCARATたちの⼿に触れ、時には肩を組んで親愛の情を⽰し、⼀⽅のWOOZIはひたすらに我が道を⾏くスタイルで前に突き進んでいった。「CLAP」ではステージへと戻り、歌い続けるCARATたちをうれしそうに眺めながら歌う姿が印象的。HOSHIの「CARATちゃん、いつもいつも⼀緒に⾏こう」という⾔葉ではじまった「Together -Japanese ver.-」ではHOSHIとWOOZI、そしてCARATが美しいハーモニーを奏で、これまで共に歩んできた歳⽉の⻑さを思わせた。
5曲を⽴て続けに歌った後、WOOZIが「曲がいっぱいありますね」と感⼼したようにつぶやくと、HOSHIは「13⼈の曲だからか、⾃分のパート以外はちょっとおぼろげです」と苦笑い。その⾔葉を受けてWOOZIも「僕は⾃分で歌詞を書いたんだけど、それでも思い出せない」と⾔って笑った。まだまだ終わらないSEVENTEENメドレー、HOSHIは「次の曲は何がいいですか? VERY NICE?」とSEVENTEENコンサートのラストの定番曲を挙げると、WOOZIは「みなさんのところへ⾏く曲からはじめましょうか」と「Run to You -Japanese ver.-」へ。しかし歌いはじめてすぐにHOSHIが⼊りを微妙に間違えて、慌てて曲をストップ。最終的には「好きに歌えばいいよ」とHOSHIの歌いたいようにさせるWOOZIであった。
「今だ!」というHOSHIのシャウトではじまった「今 -明⽇ 世界が終わっても-」では、HOSHIがめちゃくちゃに踊りながら会場を盛り上げる。曲が終わり、公演が終わる気配を察知したファンから早くもアンコールが⾶び出すと、いったん帰ろうとした扉から再び2⼈が出てきて「Super」を2⼈とCARATたちで熱唱! もはや絶叫のようなCARATの合唱と2⼈の覇気のあるステージを観ていると、どうかこのアンコールがずっと終わらないでほしいと願ってしまう。そんな気持ちを察したように、「もう⼀回!」を叫ぶCARATに向けて「ちょっと⾏ってまた戻ってくるから」とHOSHI。その⾔葉どおり、しばらくして2⼈が再々登場すると、再びの「STUPID IDIOT」。HOSHIもWOOZIもCARATも最後の⼒を振り絞って跳びはね、盛り上がる。そうしていよいよアンコールにアンコールを重ねた公演も、「これが本当に最後の曲でした」とWOOZI。それでも鳴りやまないアンコールの声に「みなさん、残念だったらもうちょっとここで遊んでいってください」とHOSHIが冗談を⾶ばすと、2⼈は最後にぎゅっと⼿を繋いでお辞儀。WOOZIが「元気で⾏ってきます」と⾔葉を残してステージを去っていった。
2⼈のユニット曲、それぞれのソロ曲のステージももちろん素晴らしかったけれど、最後のSEVENTEENメドレーはどの曲を聴いても東京ドームでチリンチリンの⼤合唱を聴いたなだとか、この曲をスタジアムで聴いた時は⾵が吹いていたなといった思い出が蘇り、さまざまな想いが込み上げた。いつも最後に歌われる「VERY NICE」の歌詞のように、次のデートはすぐにとはいかないけれど、2⼈が早く元気に戻ってくるといいなと思いながら会場を後にした。