デビュー5周年を迎えたSnow Manが満を持して挑んだのが、国立競技場と日産スタジアムの2会場4公演で28.4万人を動員するスタジアムライブだ。東京では4月というのに27.8℃という今年一番の気温を記録し、初夏のように暑かった4月19日。会場に集まった7万人は、Snow Manの登場を待ちわび、ライブが始まる前から気温に負けないくらいの熱気に溢れ、高揚感に包まれていた。
空がまだ明るい。定刻の17時30分を迎えた頃、白×ピンクの華やかな衣裳に身を包んだ9人がスターオーラを纏って登場。サングラスをして「Crazy F-R-E-S-H Beat」をハイテンションに歌う姿に大いに沸くファン。2曲目の「EVOLUTION」では「国立~!」と熱く叫ぶ、岩本照さんの声に会場は割れんばかりに「イエーイ!!」と力強く返し、この日を待ちわびていたことが伝わってくる。パワフルなナンバーで畳みかけていくと、ラウールさんが「国立、盛り上がっていますか? 外で会うのは初めてだね」とファンに呼びかける。「調子はどうだい国立、エレガント!」と叫んだのは宮舘涼太さん。向井康二さんは「皆、声出せるの? サワディーカー!」とタイ語で挨拶。
岩本さんは「楽しむ準備はできているか? 叫ぶ準備はできているか? 皆、呼吸していこう」。目黒蓮さんは「初めての国立だぞ。一番の声を聞かせてくれ。盛り上がっていけんのか?」と熱いコール&レスポンスを。阿部亮平さんは「幸せになりたい人。ここにいる7万人と俺たち9人で幸せになろうぜ」と微笑む。「いや~、皆さんめちゃくちゃ盛り上がってますね」と嬉しそうな顔をのぞかせた渡辺翔太さんは、「皆さん、上を見てください。空が見えます。めちゃくちゃ日焼けします。でも、そんなことを気にしないで一緒に最高の思い出を作ろうぜ」と美容男子ならではの挨拶が、らしさ満点。「皆で“さっくん”と呼んでください」と“さっくん”コールを求めてから、「明日のことは考えない。今日全部出していけ!」と呼びかけたのは佐久間大介さんだ。ラスト、深澤辰哉さんは「Snow Manに会いたかったか? 深澤辰哉に会いたかったか? Snow Manコール、いくよ!」と耳に手をあて、Snow Manコールで会場を最高潮にホットに!

「ナミダの海を越えて行け」では、高さ20mまで噴水が勢いよくふき上がり、ダイナミックな演出が次々と繰り広げられ、会場のボルテージは序盤とは思えない盛り上がり。岩本さんが「Tic Tac Toe」でドラム演奏を始めると黄色のフラッグを持ったダンサーや70名のマーチングバンドが登場。9人でズラリ一列に並んで、息ぴったりに太鼓を演奏する場面もあり、お祭り気分を盛り上げていく。監修は松本潤さんが担当、衣裳はモデルとして活躍するラウールさんが担当し、スタジアムライブのステージを特別感たっぷりに彩った。
360度お客さんに囲まれてセンターステージで行ったMCでは、「どうでした? 登場でさ、開いた時に見えた景色って」と深澤さんが皆に尋ねると「震えたね~」と向井さん。渡辺さんは「緊張して歌詞を間違えた」と打ち明ける。「Cry out」で「靴の片方が落ちていた」(佐久間さん)という話でメンバーが盛り上がるとハードなダンスナンバーのため、噴水の水で床が滑るから靴を脱いで踊ったと告白するラウールさん。歌唱後は向井さんがひざまずいてラウールさんに靴を履かせる姿もあった。
そして、ラウールさんが「ソロ、めっちゃ盛り上がってた」と切り出したことから阿部さんが「マジで楽しかった~。ピアノのイントロ1音目でマジで緑」と会場がメンバーカラーの緑一色に染まったことに喜ぶ。宮舘さんのソロ曲の話になると「舘様の“間”がめっちゃ面白い」と一同。「国立であの間でできるの、メンタルやばいよ!?」と褒める渡辺さんに「皆がそうさせたんだよ。皆が待っててくれるから、俺はできる」とファンとの信頼関係があるこらこその間だと宮舘さん。すると「あの隙にファンデ直していた人もいるかもよ?」と宮舘さんを冗談交じりにお茶目にいじるラウールさん。仲良しトークが止まらない。
そして、深澤さんに“投げチュー”のファンサを求めうちわがあったという話になり、投げチューを実践する深澤さん。「ふっかがそういうことをすると天気悪くなるから(笑)」と岩本さんが冗談めかすと、「それでいうとね、晴れたね~!」と喜ぶ阿部さん。「阿部ちゃんが気象庁に働きかけたの?」というラウールさんに「俺が天気を司ってるわけじゃないから!」と阿部さん。「てるてる坊主作った人いない?」と深澤さんが会場に呼びかけるなど、ハイテンションでフリーダムなトークで会場を沸かせっぱなし。

前半パートと後半パートにわたって披露されたソロ曲は、ベストアルバム『THE BEST 2020-2025』収録曲。「いっそ、嫌いになれたら。」では、阿部さんが眼鏡姿で甘いボーカルで届ける。ハットをかぶったダンサーが2人登場と思いきや…帽子を脱ぐと目黒さんと深澤さんと判明。阿部さんの横でVサインをして盛り上げるふたりに会場は大きな歓声を上げた。
宮舘さんは赤い薔薇を背負って「I・だって止まらない」を。スタンドマイクの前で薔薇の花に口ずけをしながらセクシーに歌う。ここでは岩本さんとラウールさんが一緒にダンスで盛り上げ、キメ台詞も。岩本さんが「抱きしめたい」、ラウールさんが「守りたい」と決めると次は宮舘さんの番。しかし、真顔の宮舘さんは荒い吐息をマイクに響かせながら、長らく沈黙状態に。独特な間に「なんで止まってるの?」と思わず突っ込むラウールさん。「だって………キミが好きなんだもん」と愛の告白をささやく宮舘さんに会場から黄色い悲鳴が巻き起こった。
渡辺さんソロは「オトノナルホウへ」。向井さんと佐久間さんの3人でソファに座って楽しそうに歌う場面もあり、わちゃわちゃぶりに会場は、ほっこり。渡辺さんの伸びやかなロングトーンボイスに会場が聴き惚れるような声も上がり、最後は佐久間さんが渡辺さんの頬に手を寄せる場面も。1人で「朝の時間」を白い衣裳を着て歌ったのは目黒さん。トロッコで客席の目の前を駆け抜けながら、疲れた心を癒すような応援ソングを、心を込めて歌う。
オレンジ色のペンライトの光がすっかり薄暗くなった夜の会場を照らすと、向井さんのソロ「ファインダー」へ。カメラで撮影する向井さんの映像が流れる中で歌い、最後はメンバー全員で記念写真を撮影して、Vサイン。深澤さんは「iro iro」を。ここではメンカラのパラソルを持って、メンバーがダンサーに。最後にどんなキメポーズをするのか期待していると、メンバー全員、パラソルでセンターの深澤さんを隠す。「一番いいとこじゃないの!?」と深澤さんが絶叫すると、会場が笑いに包まれた。
「守りたい、その笑顔」を歌った佐久間さんは「KP!」と叫びつつ、オタ芸のコールを披露。佐久間さんのメンカラピンクの法被を着たメンバーがペンライトを手にノリノリ全力オタ芸で盛り上げる。岩本さんの「7%」では満月が輝く夜景の映像をバックにムーディにダンス。噴水が上がる中、白い椅子に座ってパフォーマンスする岩本さんの姿が色っぽさ満点だ。ソロのラストを飾ったラウールさんは「Induction」を。スモークが立ち込める中、真っ白の衣裳を着て、白い照明に照らされる中で踊る姿はどこか幻想的で引き込まれた。Snow Manらしい、9人9色の個性を発揮した魅力的なパフォーマンスに会場はクギ付けだ。
終演後の会見でSnow Manがスタジアムライブまで達成できた理由を尋ねられると岩本さんが「一番の理由は、応援してくださる人たちとサポートしてくださる人たちがいたからこそ。あと、この9人だったからというのが一番大きいかな」と言えば、佐久間さんが「ウマが合うやつが多い」、ラウールさんが「ビジネスパートナーというより、お友達が仕事仲間」と仲の良さをアピールしていたが、「Party! Party! Party!」では目黒さんと渡辺さんがハグしながら歌ったり、阿部さんと佐久間さんがおでこをくっつけながら歌ったり。自然と寄り添う姿に歓声が起こっていた。
この日は、ラスト曲を前にメンバーからファンへ感動の挨拶が。トップバッターは岩本さん。「皆さん、本日は本当にありがとうございました。やっぱりこうやってみんなに直接会えるのが本当に幸せだなって感じさせてもらったし、幸せって思えるのもそんなに多くないと思うし、感謝できる、幸せって思えるという経験、いつも初めての経験を僕たちにくれて本当に感謝してます」
続いては阿部さん。「皆さん、本日はありがとうございました。本当にこの国立という舞台に立つのも、昔の自分は絶対、想像できなかった…そんなふうにみんなといると何でも叶う気がしています。僕たちのSnow Manを国立に連れてきてくれて本当にありがとう」と、胸がいっぱいの表情。
佐久間さんは、「皆さん、ありがとうございます。本当に感謝ばかりで。“ありがとう”と“これからもよろしく”という言葉がいっぱい出てきます。この夢のステージにSnow Manがステージに立てたこと、本当にありがたく思います。これからもっと先、もっと未来を一緒に僕たちSnow Manとファンの皆とで見られたらいいなと思います。これからも応援よろしくお願いします」。
「楽しかったですか?」とマイクなしの地声で叫んでから、「やっぱり届かんね、国立の上までは…」と会場の広さを再確認していたのは向井さん。「本当にね、こんな大きな所でできてるの、本当に皆さんのおかげ。Snow Manで色々お仕事やってますけども、本当に全部楽しいし、これからも楽しいこと、辛いこと、色々あると思いますけども、僕たちSnow Manと色々感情を共有して、楽しい思い出をいっぱい作っていただきたいなと思いますので、これからもよろしくお願いします」
宮舘さんは「皆さん、今日は本当にありがとうございました。本当に笑顔が溢れるライブだったなと思います。楽しかったですか?」と会場に尋ね、「イエーイ」と大きな声をあげるファン。「その言葉が聞けたら満足だ。これからも愛し合いましょう。ありがとうございました」と舘様ワールド全開だ。
深澤さんは「皆さん、今日はどうもありがとうございました。皆さん楽しかったですか。僕たちも最高に楽しかったです。今日はね、このライブを観て、皆さんにとってね、明日の活力だったり、これからの元気の素になっていたら、本当に嬉しいです。これからもSnow Manをよろしくお願いします」と一礼。
渡辺さんは「9人いるもんですから、言おうとすることがそろそろかぶってくるかと思います。心の中で、『今、言われちゃったよ』みたいなことが多々ありました(笑)」と笑わせてから、「そんな冗談はさておき、本日はありがとうございました。本番出る前は、緊張しながらも、今日来てくれている皆さんに、元気と幸せを与えられたらいいなと思っていたのですが。いつもね、ライブをやるとみんなに元気と幸せをもらってしまう側になってしまいます。だから、本当にいつも皆さんに幸せと元気をたくさんもらっているなと、今日改めてまた感じることができました。改めて、皆さん、国立競技場にSnow Manを連れてきてくれて本当にありがとうございます」と、ファンがいてこそ実現したと胸を張る。
「皆さん、楽しめましたか」とファンに呼びかけたラウールさんは、ファンの歓声を聞いて「僕もすごい楽しかったんですけど、皆さんの近くに行った時に自分の顔見てるみたいに、同じ顔してたんですよ。同じ表情していて、こんなにも同じ感情を共有できる存在は、なかなかいないなと思って。すごくエモかったです。また会いたいなっていう気持ちに僕もなったので。…あ、皆がなったか聞いてなかったか(笑)。また会おうね」と微笑む。
目をウルウル潤ませていた目黒さんは、「今日は皆さん遊びに来てくれて本当にありがとうございます。数年前はこうして国立のステージに立てるっていうのは、本当に考えられなかったし、それでも今こうやって、Snow Manが頑張って…」と言いかけたところで言葉をつまらせ、涙目に。応援するファンの「めめー!」と叫ぶ声があちこちに溢れる中、「Snow Manが国立に立てるのは、本当に周りの皆さんの支えがあったから。僕たちはこのような景色を見られて、皆さんと同じ時間を過ごせてるなと思います。僕たちを支えてくれてるファンの皆さんやスタッフの皆さんに心から感謝したいです。本当にキレイな景色、時間を過ごさせていただいて、ありがとうございました」。
そして、目黒さんが「次の曲はファンの皆さん、伝えたい言葉を並べた曲で、僕たちのそういった思いが皆さんに歌を通して届けばいいなというふうに思います」と曲振りをしてから「Dear,」へ。ファンへの愛が込められた曲をメンカラに輝くゴンドラに乗って心をひとつにして歌うメンバーたち。この瞬間、佐久間さんは「夢に見た景色だなと思って、感極まって号泣した」と公演後の会見で語っていたが、スタジアムライブは9人にとってずっと夢に見た光景に辿り着いた瞬間。9分割のスクリーンに一人ひとり映し出される表情は、皆、目をキラキラと輝かせ、感慨深げ。「皆、ありがとう」(岩本さん)とステージ去り際、それぞれが感謝の想いを届けて、夢の時間が幕を閉じた。

アンコールのラストを飾ったのは、「We’ll go together」。愛すべき未来まで届けと歌う壮大なナンバーを噴水の演出が天高く夜空にふき上がる光景は、華やか。スタジアムの遥か高く、夜空に打ち上がる花火やメンバーカラーに輝く大輪の花火など、眩しく豪華な花火がSnow Manの5周年を盛大に祝福。国民的アイドルに成長した9人が初めての新国立競技場でライブを行うという快挙を成し遂げた空間は、いつまでも愛と希望に満ち溢れていた。