岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「セクシーボイスメンズバラード」です。
岡崎体育

YouTubeのショート動画をよく見ます。おすすめで流れてくる動画を見続けていると1時間たっていた…なんてことも多々。みなさんもインスタやTikTokなどSNSに投稿する動画にBGMをつけることがあると思います。動画にどんな音楽をつけるかはセンスが試されるところ。踊るだとかネタ動画などは別として、旅の思い出をまとめたVlogやデート動画などエモさのある場面を切り取って編集した時にはそれに合った音楽が必須。切なさだとか、ロマンティックさを感じられる音楽がおすすめです。そんな時に率先して使えると、僕が今注目しているのが“セクシーボイスメンズバラード”です。このジャンルが何度目かのブームになるのではと睨んでいます。’80年代や’90年代の邦楽のリバイバルブームも続いていますが、まさにその時代、どんぴしゃで流行っていた“セクシーボイスメンズバラード”。たとえば、カルロス・トシキ&オメガトライブや稲垣潤一さんなどが歌う、甘く切ないラブバラードやポップスがそれに当たります。和製AORやシティポップなどともいわれるジャンルです。

僕自身もぜひ手掛けてみたいと思っていますが、どうしたらこんな歌い方ができるのだろうかと、目下研究中です。セクシーボイスメンズバラードはとにかく、歌、歌が重要です。歌が上手なことは前提として、声は高めのキーで歌えないといけない。高音とはいえそれは耳を刺すようなものでなく、優しさがあり、まとわりつくような甘みも必要…。それによって切なさが増し、セクシーさも加味されるのです。そんなエロスが入り交じる感覚が大事です。情事を予感させるような、大人の恋愛がはじまる予兆のような…そんなトキメキをはらんだ歌声です。そのためには、ちょっとキザな自意識過剰さも必要かもしれません。今だと、離婚伝説のボーカルの松田歩さんはそんな雰囲気を掴むのがうまいなと感じています。彼の歌声はまさにセクシーボイスメンズバラードそのもの。また、この時代のものはサウンド面も特徴的です。欠かせないのはシンセドラムの音。アタックの強いシンセドラムはリバーブが利いていて空気感を与えて余韻を残し、歌声の持つ世界を引き立ててくれます。ああ、そんな曲を作ってみたい! うまく醸し出せれば、アーバンなドライブデートなどでも岡崎体育の楽曲を流してもらえるかもしれません。

おかざきたいいく 油性マーカー「ハイマッキー」の新キャラクター「Hi! Mckee」のオリジナルテーマソングが配信中。ホールワンマンTOUR「盆テク博覧会」を10/19~全国5か所で開催。

※『anan』2024年10月9日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND) 文・梅原加奈

(by anan編集部)

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先の見えないトンネルを、小さな希望という明かりを携えて一歩一歩進んでいく、そんな意味の日です。コツコツと地道に、場合によっては一人寂しい歩みのなかで自分の力を信じるというのは、正直なところかなり難しいものです。それでもめげずに続けていれば、やがて光明が見えてくるし、共に歩む仲間も増えていきます。

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