流されやすいこの時代に、ただ自分であり続けることの素晴らしさ。
どう見ても“超有能そう”なのに、衝撃的に“無能”。そんなダメダメな主人公・鷹野ツメ子を演じることになった菜々緒さん。実は原作漫画『無能の鷹』のファンの間では以前から、「もし実写化するなら菜々緒さんでやってほしい」という声が上がっていたそう。注目すべきは、完璧なスタイルと無敵の美しさを持つ菜々緒さんが演じる、無能の鷹野。この想定外のギャップは、彼女の新たな魅力を生み出すに違いない。
「できる人オーラはこれまで演じてきた役で培ってきたつもりだったので、お任せあれ! とばかりにお引き受けしました。でも、これほどまでにギャップを持った鷹野のキャラクターは、かなり斬新でした」
登場人物の名前が鳥の名前に由来するなど、鷹野以外にも、一癖も二癖もあるキャラクターが登場する今作。大事にしたのはその世界観。
「原作を忠実に再現すべく、最初はひたすらクールで飄々とした鷹野を演じようとトライしました。でも監督やプロデューサーから、鷹野マインドの根底には純粋さや自由さがあり、笑顔や可愛らしさがあってもいい。視聴者にとって憎めない存在であってもよいのでは、と提案がありました。金曜日の夜に、一週間頑張ってきたみなさんにこのドラマを見て明るい気持ちになっていただきたいですし、ロボット的ではなく人間味あるキャラクターの鷹野にホッとしてほしいとも思っていたので、私も理解しました。また、自分ができないことを悪いと思わず、責任感もなければミスをしても落ち込まない。彼女のすごいところは、ただ自分であり続けるところ。ブレない軸を持ち、自分をないがしろにしないというその姿勢こそ、今の時代に刺さるのではないでしょうか」
脇を固めるのは、無能に見えて有能な新入社員・鶸田(ひわだ)役の塩野瑛久さん、真面目で死ぬほど優しい鳩山役の井浦新さん、老害部長・朱雀役の高橋克実さんなど。誰もが見覚えあるような、地続きのキャラクターたちもまた世界観を彩る。
「コメディ特有の間やテンポ感はみなさん徐々に掴んでいったし、どの役も原作からそのまま出てきたようなハマりっぷり。撮影をしながら日々、このチームってすごいと感心させられています。今ではもうアドリブまで飛び出すほどで現場は常に笑いっぱなしだし、うっかり笑ってNGなんてたくさん(笑)。肩の力を抜きながら、膝カックンされつつ、何も考えずに笑って見ていただける作品になっていると思います。楽しみにしていてください! そしてこの役をきっかけに、今までにやったことのない新鮮な役に挑戦できたら嬉しいですし、まだ経験のない舞台にも立ってみたいです」
自覚はないものの、周りからは「役が抜けていない」と言われることもよくあるという。
「そんな時は大好きな海など自然の中に行ったり、デジタルデトックスをしたりしながら次の役に向けてリセットしています。特に今回の鷹野は抜けなくなったら困っちゃいますから(笑)。クランクアップしたら、一度自分に戻るためにも、すぐに海に行くと思います」
一方で、常にファンを惹きつけ続けている立場としての新たな試みも、話題になったばかり。
「昨年、10年ぶりの写真集を出した時にお渡し会をさせていただいたんです。その時に、こんなにも応援してくださっているファンのみなさんともっと会う機会が欲しいと思ったし、ファンのみなさんからありがたい声をいただいたこともきっかけとなって、この夏にファンクラブをオープンしました。これからは、みなさんと直接交流できる機会をもっと設けたいですし、それこそ海でファンイベントを開いたりするのも楽しそうですね」
無敵の無能キャラが静かにかき乱す。
想像を絶する“無能さ”なのに、清々しく生きる鷹野ツメ子の日常を描いた超・脱力系お仕事コメディ。はんざき朝未の同名漫画を実写化した主演ドラマ『無能の鷹』は、10月11日よりテレビ朝日系にて、毎週金曜23:15~放送。※一部地域を除く
ななお 1988年10月28日生まれ、埼玉県出身。代表作は、ドラマ『忍者に結婚は難しい』ほか多数。昨年10年ぶりの写真集『DIVINE』を発売し話題に。今年8月には「NANAO OFFICIAL FANCLUB」を開設。
カットソー¥46,200 パンツ¥49,500(共にAKIRANAKA/ハルミ ショールーム TEL:03・6433・5395) ピアス¥341,000 トリプルリング¥319,000 ピンキーリング¥242,000 バングル¥275,000 ネックレス¥242,000(以上oeau/ハルミ ショールーム) サンダル 参考商品(PIERRE HARDY/ピエール アルディ 東京 TEL:03・6712・6809)
※『anan』2024年10月9日号より。写真・木村心保 スタイリスト・金 順華 ヘア&メイク・吉田真妃(クララシステム) 取材、文・若山あや
(by anan編集部)