いい写真が撮れたのは、お二人の存在があってこそ。
「以前僕が撮ったお二人の写真を見た小学館の編集者の方から『二人の写真集を作りませんか?』とお声掛けいただいて。半信半疑で打ち合わせに行って『こんなイメージで作りたいです』と見せられたのが、小錦さんとパンダの写真集でした(笑)」
本当に企画として成立するのか、ふわふわした気持ちのまま撮影開始。モデルの二人も当初は「俺らは可愛くないぞ」と戸惑い気味だったそう。
「ディレクターの方の『欲にまみれる二人が見たい』という提案で最初は焼き肉屋、次はマッサージ店で撮影したんですが、オイルマッサージ時のタップタプな肉感は凄まじかったですね。それに、二人とも食べる時にいい顔をするんですよ。ビールのスポンサーがつくんじゃないかってくらい、いい写真が撮れました。それは別に僕の力じゃなくて、お二人の存在があってこそ。そもそも人間があそこまで大きくなることがすごいし、肩から足先に向かって細くなる円錐型の関さんと洋梨型のもぐらさんの体型の違いも面白くて。いい写真が“撮れた”というより“撮らせてもらった”感覚があります」
その後、雀荘や浅草花やしきなどでも撮影を行い、撮り溜めた写真の数は1万4000枚を超える。
「食べたり麻雀したりの撮影をお二人も楽しんでくれて、最終日には『終わりたくない、また焼き肉に行かせてくれ』って言ってました(笑)。春夏秋冬いろんなタイミングで撮る中で体型も変化していて、最初は二人が同身長・同体重だったのに、最終的にはもぐらさんが6kg太って115kgになってたんですよ」
写真集を出すことが夢だったという加賀さん。「初めての紙の写真集が、大好きな先輩とこんなに馬鹿げた内容で作ることができて本当に幸せ。お二人のファンじゃなくても楽しめる本になっているので、ぜひ歯医者さんの待合室に並べてもらって幅広い方に見てもらいたいですね」と語る彼に、写真を撮っていて良かったと感じる点を教えてもらった。
「良かったことしかないですよ。仕事に繋がる点はもちろん、人と距離感を詰めるのが難しい自分でもカメラのおかげで先輩と仲良くできる。芸人さんってみんな人が笑っているのを見るのが好きだから、写真を撮る時にお互いで笑わせ合ってくれるんですよね。それを撮る自分も笑っていて、写真を見返すとまた思い出し笑いをしてる。こんな好循環、なかなかないよなって思います」
『まあるいふたり』
撮影:加賀 翔
関 太 鈴木もぐら
まあるいフォルムの関太さん&鈴木もぐらさんが食べ、遊び、満たされる姿が詰まった癒し度満点な一冊。「ビートたけしさんが帯を書いてくださったことも含め、いろんな奇跡が重なった本」(加賀さん)。小学館 1980円
かが・しょう 1993年5月16日生まれ、岡山県出身。2015年に賀屋壮也とお笑いコンビ・かが屋を結成し、キングオブコントのファイナリストに2回選出。YouTubeチャンネル「かが屋文庫」では、多彩なコントをアップしている。
※『anan』2024年9月11日号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・真島絵麻里
(by anan編集部)