岡崎体育、曲の終わらせ方が3パターンだけ 「まあええか…」となる理由

エンタメ
2020.11.09
岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「曲の終わり方」です。

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ひとつの曲はイントロから始まってアウトロで終わります。僕はこのアウトロを作ること=曲をどう終わらせるかに、むちゃくちゃコンプレックスがあります。なぜなら、僕の中で終わらせ方が2パターンしかないからです。ひとつが「ジャーーーーン」って終わるやつ。もうひとつが「ジャーーーーン、ダダン」で終わるやつ。この2パターンでここまでやってきました。あと、最近になってフェードアウトして終わるという手法も取り入れたので、やっと3つに増えました。メジャーデビューしてもう4年半。けっこう経ちましたが、これまでこの3つですべての楽曲を乗り切ってきました。

なんで終わり方の手法が増えないかというと、僕はパソコンを使って、“DTM”で音楽を作っています。いつも作業の最初に、だいたいの絵コンテみたいなものを作るんです。簡単なイントロを作り、平メロ、サビ、落ちサビはこんな感じで…と全体の構成を考えて、終わり方はまだラフコンテやし、とりあえずドラムのキックとシンバルを置いとこか、となります。で、そこから肉付けをいろいろしていくのですが、サビをこだわって、イントロはもっと工夫して…とやっているうちに気づくと締め切り間近になっている。歌詞も考えないといけないし、譜割の調整もしないと…、と作業がどんどん追いつかなくなってくる。そうなると、アウトロにとりあえず置いといたドラムとシンバル、「最初のままだけどまあええか…」と、どうしてもなってしまうんです。ほかのミュージシャンの方、どうですか。そうなりませんか? 個人的には、どうにかしたいと思っている案件です。また終わり方これやん…と自分でも呆れているんですが、これまで誰からも「岡崎くん、終わり方もっと工夫できないの?」とはわざわざ言われなかったので、手数が3つから増えません。

かっこいい終わらせ方を開発したいと思う一方で、もういっそのこと終わらせない、というのはどうか? という考えにたどり着きました。曲はずっと続いていて、終わらせるのは聴き手の役割にしてしまうという、聴いている人がミュートするとか次の曲に飛ばすとかしないと終わらない。そんな曲があってもいいのではないか…。現実的ではないでしょうか。でも、それくらい曲の終わり方を考えるのは難しいです。

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※『anan』2020年11月11日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・村田真弓 文・梅原加奈

(by anan編集部)

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