「最初は一人になる不安もあったんですけど、それを忘れるくらい充実していました。特にアルバム制作中は一曲書いたらまた一曲…、と常に締め切りに追われていたので、一息つく間もなく一年が過ぎましたね」
全曲で作詞作曲を手掛けたこのアルバムは、卒業後発表したシングル3曲を含む全11曲を収録。切ない恋、穏やかな愛、夢を追う情熱…。26歳のリアルな気持ちがあふれる歌詞に共感せずにはいられない。
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「だとしたらうれしいです! アイドルからシンガーソングライターになる上では、歌詞や曲でさらけ出すことも必要。今回も詞を作るときに“ぶっちゃける”ことを意識しました。それが曲のリアリティにもつながるはずだから。逆にアイドル時代はグループのキャプテンとして、自分を抑えることが多かったので、さらけ出す方向に切り替えるのは時間がかかりました。でも努力の甲斐あってか荒々しい自分、ナイーブな自分、余裕のある自分…。いろんな私が入った歌詞を書けたかな」
サウンド面でもそうそうたるプロデューサー陣とタッグを組み、未開拓のジャンルに挑戦している。
「自分のルーツはロック。でも今作はブラックミュージックやシティポップなど幅広いテイストの曲が入っているので、いままで私のことを知らなかった方にも聴いてもらいやすいと思います。トレンドに敏感な方なら、う~ん…特にLUCKY TAPESの高橋海さんと作らせていただいた『feel the night』は旬な音でおすすめかな。年齢相応の大人っぽさも出ていると思う一曲です」
アルバム制作を終えたいま、山本さんの気持ちはすでに来年へ。
「今年は次につながる一年になったけど、まだまだこれから。2年目で結果を残すことが大事やと思ってます。プロ野球選手みたい…? いやでも本当にそうなんですよ! 来年は2年ぶりのホールツアーも控えていますし、ギター一つで路上ライブ…みたいなこともしてみたい。今後の自分が楽しみですね」
内面はもちろん、いまはビジュアル面での“キャラ変”も満喫中。
「髪色を変えたり、ピアスをしたり、いろんな格好に挑戦してます。でもこうして変化を楽しめているのはアイドル時代のおかげ。キャプテンとして予想外のことに対応していくなかで、変化することが人としての深みにつながると知ったんです。これからもいろんな経験をして、それを曲で表現できるようになれたら。そして実体験から作った曲なら、それがラブソングだとしても『これは私の実体験です』って堂々と言える人になりたい。シンガーソングライターってそういうものだと思うから」
グループ卒業後初、自身3枚目となるアルバム『α』。新曲3曲を含む充実の11曲。【初回限定盤(CD+DVD)】¥4,000 【ファンクラブ限定盤(CD+DVD+フォトブック)】¥9,800 【通常盤(CD)】¥3,000(ユニバーサル シグマ)
やまもと・さやか 1993年7月14日生まれ、大阪府出身。NMB48キャプテンとして8年間活動。昨年11月の卒業後は力強い歌声と特技のギターを武器にシンガーソングライターの道へ。2020年2月からは全国ツアーも予定している。衣装協力・ニットワンピース(zucca/エイ・ネット) 花柄スカート(muller of yoshiokubo) リング(e.m./e.m.表参道店) その他はスタイリスト私物
※『anan』2019年12月25日号より。写真・小笠原真紀 取材、文・大澤千穗
(by anan編集部)