マンガ『あした死ぬには、』について、作者の雁 須磨子さんにお話を聞きました。
Comic

思いもしなかった自分と出会う40代女性の悲喜こもごも。

40代の壁、という言葉をご存じだろうか。20代、30代は心も体もノリノリで、ある程度の無理もきく。ところが40代になると、疲れが取れにくくなったり、それまでかかったことのない病気に襲われたり。思わぬところに不調が現れ、見て見ぬふりをしていた老後やお金の不安が、突如実像として目の前に立ちはだかる。本作はそんな40代女性のリアルを描き、当事者はもちろん、未来の40代をざわつかせている。

「40代になってから起こった変化に自分でも驚いたことがたくさんあったので、マンガにしたら面白いかな、と思いました。キャラクターに関しては、結婚や出産経験のあるなしなど、境遇が違っても気持ちが重なるところ、共有できるつらさや楽しさみたいなのを目安に描いています。でもまったくわかり合えないのも、それはそれで面白いですよね」

主人公の本奈多子(ほんなさわこ)は42歳、独身。映画宣伝会社に勤めていて、ただでさえハードワークなのに、できない上司の“お守り”に苛立つ日々。ある晩、動悸が止まらなくなって、更年期障害を疑う。

「『気持ちが年齢に追い越されるような気がするけど』の『けど』の先を考えたりしたいです。ついていく必要性があるのかなという疑問と、ついていく楽しさを混ぜつつ」

対して、多子と中学の同級生だった小宮塔子は、23歳で結婚して大学生の娘がいる。子育てが一段落して、ファミレスでパートを始めるのだが、おばさん扱いされたり、されなかったりするたびに一喜一憂して、モヤモヤ……。しかしこの物語は、年を取ることをネガティブに捉えているわけでは決してない。多子や塔子が、今までと同じはずなのにどこか違う自分に戸惑いつつ、折り合いをつけようとする様は、世代や性別を問わず共感できるだろう。

「年齢を重ねるプラス面は過去がちゃんとあることですかね。過ぎゆかないと過去はできませんもんね。時間は等分で、未来への不安は誰しも変わらないのかなと思います」

40代女性の右往左往は、どこへ向かうのか。すこやかに明日を生きていくための必読書だ。

Comic

雁 須磨子『あした死ぬには、』1 バリバリ働いてきた独身の多子と、パートとして久々に働き始めた主婦の塔子。異なる人生を歩んできた40代女性の問題を、コミカルに描くオムニバス。太田出版 1200円 ©雁須磨子/太田出版

かり・すまこ マンガ家。1994年デビュー。女性誌、青年誌、BLまで幅広く活躍。著書に『どいつもこいつも』『感覚・ソーダファウンテン』『胸にとげさすことばかり』など。

※『anan』2019年8月28日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子

(by anan編集部)

エンタメ-記事をもっと読む-_バナー

男が触れたくなる?「愛され肌を手に入れる」週1スキンケア法
[gunosy]
#男の本音 について、もっと深く知りたい![/gunosy]

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

Today's Koyomi

今日の暦
2026.2.
17
TUE
  • 六曜

    先勝

もし今、出⼝が⾒えないような苦しさの中にいても、どうか希望を捨てず、⾃分を信じて。派⼿な解決策を探すより、⽬の前のことに真摯に向き合いながら⼀歩ずつ進むことが⼤切です。もがくほど空回りしやすい時だからこそ、⾃分を整えて静かに過ごしてみて。飾らない真っすぐな想いが、現状を変える⼤きな⼒になります。

エンタメ

Recommend

こちらの記事もおすすめ

Today's Update
赤楚衛二×カン・へウォン「国籍はあまり関係ないと知れたのは、逆に発見でした」
赤楚衛二×カン・へウォン「国籍はあまり関係ないと知れたのは、逆に発見でした」
Entertainment
グレた妊婦に引きずられ、価値観もひっくり返る!? 綿矢りさの妊娠コメディ小説
グレた妊婦に引きずられ、価値観もひっくり返る!? 綿矢りさの妊娠コメディ小説
Entertainment
“わかり合えない”からこそ見える二人をつなぐ時間と距離感。『違国日記』がTVアニメに
“わかり合えない”からこそ見える二人をつなぐ時間と距離感。『違国日記』がTVアニメに
Entertainment
2人のトミーの世界を虜にする圧倒的センス。アナログ盤でじっくり酔いしれて
2人のトミーの世界を虜にする圧倒的センス。アナログ盤でじっくり酔いしれて
Entertainment

Movie

ムービー

Regulars

連載