
Ⓒナガノ / 2026「映画ちいかわ」製作委員会
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』で声優を務める5人に、今作の見どころやキャラクターの魅力、演じる上で大事にしたことなどを聞きました。“あのシーンの陰にこんな苦労が!”と感慨深くなるお話にも注目です。
Index
青木遥(ちいかわ役)「絶対に仲間を見捨てないちいかわはすごいです」

Ⓒナガノ / 2026「映画ちいかわ」製作委員会
TVアニメから、ちいかわを演じる青木遥さん。
「もともと原作の“セイレーン編”は全部読んでいて、どんどん不穏な空気になっていくな…と驚いたことを覚えています。映画の脚本もそのまま、ちゃんとダークだなと思いました。ちいかわは、すごく優しくて繊細。だからこそ、演じる時は傷ついた時の声の震えを大切にしています。『フッ』みたいな一言の中に、“悲しみながらもちょっと立ち直っていて嬉しい…”みたいな複雑な感情を全部詰め込まないといけない時は、難しいですね。自分でいろいろな『フッ』を出して、一番近いと思ったもので演じるようにしています。映画では、一人になる場面が多いところや、高くて長い地声の音を出すシーンが大変でした。瞬発的に声を出さないといけないアクションシーンも結構難しかったです。ちいかわの収録の現場では、お話に登場するお菓子を差し入れしてくださるんですけど、しるこサンドが美味しかったのもいい思い出です。テレビの方でも美味しいお菓子が出てくる回の収録は、いつも楽しみです!」
映画のなかで好きなシーンとは。
「ちいかわが、モモンガに飴が欲しいと言われてあげる時の不機嫌そうな顔が、かわいいなと思いました。普段、そんな顔しないのにって。映画で動きがついたことで、さらに嫌そうに見えました(笑)。あと、セイレーンがちいかわたちを追いかけてきた時に、みんなが被害に遭わないよう、島二郎がずっと戦ってくれたところが印象に残っています。自分の身を挺して守るところがカッコよくて胸にグッときました。ちいかわが一番ピンチの時に助けてくれた存在でもあって、すごく素敵です」
青木さんの好きなキャラクターは、シーサーなのだそう。
「何かを食べている時に、嬉しさや楽しさを感じて、ほわっとした顔になる瞬間がすごくかわいいです! 映画ではカレーを作って活躍していました。もちろん、ちいかわも大好きです。普段は結構臆病なのに、窮地に陥った時は結局、自分でなんとかできちゃうし、絶対に仲間を見捨てないところが主人公らしいなと思います。例えば、橋の前でセイレーンに追い詰められてしまったシーンは自分に置き換えて想像してみると本当に怖そうだから、ちいかわはすごいなって。私も、もし“いざ!”という時が来たら、ちいかわみたいに勇気を出して、行動したいです」
Profile
青木遥
あおき・はるか 2011年12月3日生まれ、東京都出身。『ちいかわ』がアニメ声優初挑戦作品となる。TVアニメ『天久鷹央の推理カルテ』や映画『アメリと雨の物語』などに出演、活躍の幅を広げている。
田中誠人(ハチワレ役)「ハチワレの性格にだんだん似てきた気がしています」

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「映画は、ちいかわらしい世界観がすごく出ているお話だと思います。友情を感じるし、勇気をもらえるところも魅力的。いろいろな感情になれました」
と、映画の感想を教えてくれたのは、ハチワレを演じている田中誠人さん。収録時、TVアニメと映画で違いを感じたこともあったのだという。
「映画は一つのお話がずっと続くので、声や感情が途中で変に切れないように意識していました。アクションシーンは、大きい声を出したり、声が裏返ったりして大変だったのを覚えています。ハチワレは優しい性格なので、なるべく穏やかで、ゆっくりとした話し方になるようにしています。僕は普段、早口なタイプだと思うので。最初は天然で無邪気なキャラクターだと思っていたんですけど、ラッコ先生の特訓を受けて、映画でも自分の行動を反省するシーンもあって、どんどん成長して強くなっているのを感じます。憧れるのは、何があっても逃げずに努力を続けられるところ。僕は結構、勉強がうまくいかない時などに、めげそうになることが多いので(笑)。友だち思いで、ちいかわやうさぎのことをよく考えているところも好き。ハチワレを演じるようになって、ポジティブ思考になり始めたりと、性格が似てきたように感じます。意識的に変えているつもりはないけど、ハチワレと一緒に自然と変わっている部分はあるかもしれません」
映画のオープニングテーマである話題の曲「くつずれ」も歌っている。
「歌詞から勇気をもらえる曲で、歌っていてすごく楽しかったです。ただ、リズムや音程を取るのが難しくて、何度も練習しました。すごくいい曲なので、たくさんの人に聴いてほしいです」
映画で特に印象に残るシーンは、討伐に向かうちいかわたちだそう。
「みんなが団結して準備をしている時の緊張感とワクワク感が好きです。あと、ちいかわとハチワレが合流した時に、ハチワレが『みんなが助けてくれたから』と言いながらラッコ先生の剣を握るシーン。ラッコ先生はその場にはいなかったけど、一緒にいる感じがしていいなって思うんです」
好きなキャラクターは、くりまんじゅう。
「いつもお酒を美味しそうに飲んでいて、おつまみのセンスもいい。大人になったら真似したいなと思っています!」
Profile
田中誠人
たなか・まこと 2010年8月25日生まれ、東京都出身。俳優としてNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、ミュージカル『メリー・ポピンズ』など、数々の作品に出演している。
小澤亜李(うさぎ役)「自由さと頼もしさが映画でも大発揮されてます」

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「TVアニメが放送される前に青木遥ちゃんと一緒にインタビューを受けた時、いつか映画になったら嬉しいよねと話していたんです。時を経て実現して、どんな映像になるかなど想像できない部分もありましたが、嬉しい気持ちが大きかったです」
と話すのは、うさぎを演じる小澤亜李さん。
「うさぎはとにかくユニークなキャラクターで、楽しい時もピンチな時もとにかく自由です。そして、どんな時でもポーカーフェイスで焦らないし恐れない。常に一定であるからこそ、頼もしさにもつながっているんですよね。映画でもいつも通りそんな自由さと頼もしさが大発揮されています」
劇中にはボートを漕ぐなど体力が求められる場面も。
「息のコツを掴むまで何回かやらせていただきました。あんなに『イーヤハ!』と言ったのは初めてです。息をつく間もないくらい連発しましたから(笑)。キャラクターの1シーンが長いというのも、劇場版ならではの新鮮さがありました。うさぎを演じていて思うのは、リアルな音を全く感じさせたくないということです。例えば食事などのアクションがある時、人間を演じる際のような息のお芝居ではなくて、うさぎから出る“余裕さ”と“リアル感のなさ”をあえて入れたいと思っています。映画はアクションもたくさんあり、いつもの10倍くらいのアドリブでリアクションがあるので、うさぎらしさを残さなくてはと不安になりながらも集中して演じました」
ラップのレコーディングにも挑戦している。
「“遂に来たか”という気持ちがありました。原作にあり、小澤さんの声でラップシーンが再現されるのが楽しみというお声もいただいていたので、“いつかやるのかな、でもだいぶ先だろうな”と思っていました。素敵な音源をいただいたのでやっていて楽しかったです。収録はドキドキで頑張りました!」
映画で新たに感じたうさぎの魅力もあるという。
「知らない間にふてぶてしさがアップしているかもと少し思っています。初期の頃は“ちいさくてかわいい生き物なんだ”という意識が強かったので、どこかでかわいさを意識して声も高めでしたが、気づけばどんどん低くなっていて(笑)。昔の映像を見ると声の高さの違いに驚きます(笑)。映画では日常とは違う、島で過ごす高揚感やうさぎのかわいらしさも一緒に楽しんでもらえると嬉しいです」
Profile
小澤亜李
おざわ・あり 8月10日生まれ、東京都出身。近年の出演作に映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』、TVアニメ『呪術廻戦 死滅回游』『ONE PIECE』『骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中Ⅱ』など。
最上嗣生(島二郎役)「物語と島二郎を頭からお尻まで楽しんでほしい」

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もともと『ちいかわ』を読んでいて、島二郎のことが好きだったという最上嗣生さん。
「オーディションを受けられると聞いた時に、おいおいおい…! となり、決まった時はまず驚きがあり、あとから嬉しさがこみ上げてきました。オーディションの時、指示はなかったけれど、水中のシーンをブクブク、ゴボゴボしながらやってみたのがよかったのかな? と振り返ったりしました」
島二郎は初めて見た時から心を奪われたそう。
「Xで見た時のインパクトがすごかったです。懐が深く、気が優しくて力持ち。『漢』という言葉が似合います。強さを誇示することはせず、背中で語り、みんなを守るために力を使うことを当然のようにやる。最初は正直、“このおじさんは誰…”と思いましたが、どんどんカッコよく見えるように。僕も顔だけは似てるって言われるんですけどね(笑)。ちいかわに接する時に圧を与えないよう、いい距離感を保っているところも好きで、演じる時は寄り添うような空気感を大事にしました。例えば、ちいかわが弱っている時は声を下から出すようにしたり、勇気づけたい時は、強めに出したり。青木さんと一緒に収録した時は、ちいかわと重ねて“この子に安心してもらいたい”という気持ちで演じました」
セイレーンに「サパーッ」と波の音を囁くシーンにも、こだわりを持って挑んだ。
「イメージしたのは千葉の九十九里浜の波音です。大洗のような激しい波は少し違うのかな? と。YouTubeで波の音を聞いてから収録しました」
お気に入りはセイレーンと戦うシーン。
「カットがパンパンと素早く切り替わるシーンに引き込まれました。あと、キャンプファイヤーもですし、煮付けは生姜のような薬味的な何かがのっているところも含めて、ざわざわしましたね(笑)。映画はナガノ先生ワールドそのままながら、コマとコマとの間を上手くつないで描かれていて本当に素晴らしいです。尺があるからこそ間を上手く使うこともでき、ちいかわが逡巡するシーンなどは、しっかりと感情移入できる仕上がりになっているように感じました。明るさと暗さのコントラストが強くて、何事にも表と裏があることを考えさせられる物語と島二郎。両方の頭からお尻まで(笑)、楽しんで見ていただきたいです」
Profile
最上嗣生
もがみ・つぐお 1980年1月18日生まれ、埼玉県出身。『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』『僕のヒーローアカデミア』『SPY×FAMILY』『進撃の巨人』シリーズなど数多くの作品に出演している。
鈴木みのり(セイレーン役)「戦う場面はオペラのようなビブラートを意識しました」

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セイレーンを演じることが決まった時の気持ちを尋ねると、「イィヤァッハー! ですね(笑)」と、うさぎのように表現してくれた鈴木みのりさん。
「原作のセイレーンそのままのかわいさを声でもしっかりとお伝えすることを何より意識して演じました。ちいかわから見た怖い存在というよりも、日々をシンプルに楽しんでいる部分を意識して、結果的に観ている人が怖いと思うものになればいいなと。セイレーンを知れば知るほど、悪意はなく、仲間思いの少年少女のような心を持ったまっすぐな子だなという印象になっていきました。自分が同じ種族だったら、むしろ頼もしいお友だちなんじゃないかなって思います」
セイレーンといえば美声の持ち主。歌のシーンは映画を彩るエッセンスの一つとなっている。
「オーディションの合格通知が届いた時に、音響の方がナガノ先生から預かったコメントを一緒に送ってくださって。『ビブラートがよかったです』といただいたことが本当に嬉しく、戦うシーンでは可能な限り、オペラのようにビブラートを出して歌うことを意識していました。また、セイレーンが目の前にいる存在に対して、どのくらいの感情を持っているのかを考えて、温度感を変えるようにも。戦闘能力が高いこともあり、収録後はライブ1公演終えたくらいの疲労感があったのですが、ちいかわ役の青木遥ちゃんが『すごいですね。声は大丈夫ですか?』と心配してくれて、急に元気になりました(笑)。かわいらしさと眼差しが眩しかったです」
劇中で心惹かれたのは、二日酔いのくりまんじゅうと、それをいたわるシーサーとのやり取り。
「ほっこりしましたね。収録でシーサーさんのお声を聞いた時、わかっていたはずなのに、とんでもなくかわいくて推しになりました。最近はゲームセンターでシーサーグッズを手に入れることが趣味になっています(笑)。あと、私は愛知県出身なので、作中でしるこサンドと出合えたことも嬉しかったです。映画では道徳的なことを考えさせられたり、出てくる食べ物も美味しそうで魅力的。また、いろいろな性格のキャラクターの中には自分に近しいと感じる子がいたりもします。全然違う世界ながら、現実世界に置き換えても共感できるポイントがあるところが、『ちいかわ』の魅力だと思います」
Profile
鈴木みのり
すずき・みのり 10月1日生まれ、愛知県出身。アーティストとしても活動中。『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』『おねがいアイプリ』『ポケットモンスター』などに出演。
information

『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』
全国の映画館で上映中。公開からわずか3日で興行収入22.4億円を記録。ナガノ氏が作詞を手がけたオープニングテーマ「くつずれ」、エンディングテーマ「机さする」も話題。
原作・脚本:ナガノ 監督:及川啓 配給:東宝 https://chiikawa.toho-movie.jp/
anan 2509号(2026年8月26日発売)より
































