
映画『見えない娘』で透明に生まれてきてしまった娘の父親を演じた毎熊克哉さんにインタビュー。
作品の中の空気感に近い感じでいられました
映画『見えない娘』は、そのタイトルの通り、透明に生まれてきてしまった娘を隠すように、人目を避けて暮らす家族の物語。とはいえ、サスペンスでもホラーでもなく、一風変わった親子を軸にしたヒューマン作品だ。
「見えない人相手の芝居は大変だったんじゃないかと聞かれるんですが、その苦労はほとんどなかったです。たとえばひとり芝居も、見えない相手と会話したりしますし。しかも今回、透明の娘・ひかりを演じた鈴木凜子(りこ)ちゃんがリハーサルから本番までのほとんどのシーンに一緒にいてくれていました。だから、ひかりがどんな子かを現場にいる全員が共有できていたのも大きいです。本番前のテストには、凜子ちゃんにも入ってもらって、ひかりがどんな動きをするのかも確認できたし。だから逆に、ひかりの存在を意識しなくても感じていられたんです」
と話すのは、ひかりの父親・学役の毎熊克哉さん。必死に人目を避けようとする心配性の学と、その父をよそに自由に振る舞うひかりら三姉妹。娘たちに振り回される姿に、ハラハラしつつもクスッとさせられる。
「クランクイン前は心配していたんですが、撮影初日から、子供たちとはゲームしたり一緒にごはんを食べたり、作品の中の空気感に近い感じでいられました。場面的に自分が担わなければいけない役割があって、監督と話す必要がある時は、なるべく子供たちがいないところでしていました。凜子ちゃんが『パフェ食べよう』って言い出したことがあったんですが、心を開いてない相手には言わないですよね。その雰囲気が映像にも映ってる気がします」
ただ、コメディ的要素もある作品だけに、そこは意識していたそう。
「学は娘たちがちゃんと自立していけるのかと心配しているわけですが、そこをちょっとだけ誇張するようにしていました。学自身、旅の中で成長していきますが、どこでどんな気づきを得るのか、そこをどれくらい表現するのかは、結構考えました」
共演者との空気感で生まれるものを大事にしながらも、作品の中での役割や役としての居方を冷静に見つめる目は、もともと作り手を目指して映画界に入ったからだろうか。
「そこは逆に若干コンプレックスでもあります。演じることだけに没頭しているほうが役者っぽいしカッコいい。ただ僕の場合、演じている自分そのものも客観的に見てしまって、どうやったら面白くなるのかを考えてしまう。それを考えるのが好きなんでしょうね(笑)」
Profile
毎熊克哉
まいぐま・かつや 1987年3月28日生まれ、広島県出身。近作に、ドラマ『今際の国のアリス』シーズン3(Netflix)など。出演映画『時には懺悔を』は8月28日より公開。11月には『月がみている』の公開も控える。
information

『見えない娘 THE INVISIBLES』
祖母のお見舞いのため、透明人間の末娘を連れ、家族で東京を目指す。監督・企画・共同脚本/竹林亮 企画・脚本/夏生さえり 出演/毎熊克哉、寺島進、余貴美子ほか 8月28日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開。
Ⓒ THE INVISIBLES Production Committee
anan 2509号(2026年8月26日発売)より
































