
左から、安元洋貴さん、松岡由貴さん、杉山紀彰さん、森田成一さん、折笠富美子さん、伊藤健太郎さん
20年以上にわたるTVアニメシリーズの最終クールとなる『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚(かしんたん)-』が放送中! 堂々の完結を目前とした今、初期のアニメシリーズからキャラクターを演じてきた6人に、現場の雰囲気や役柄への想いを伺いました。
── 20年以上携わってきた作品がついに完結を迎える。今、率直にどんな想いですか。
森田 正直、最終回を終えた実感がなく、涙もないんですよね。
杉山 僕らも完成したものを4話分ぐらいしか拝見できていないので、終わった感じがしてないのかもしれないですね。
森田 うまく杉山くんがまとめてくれて(笑)。視聴者の皆さんの反応を見て初めて湧き上がるものはあるんだろうなと思います。
折笠 明確なゴールテープがなく、まだ走っている感覚はありますね。
松岡 最終話を録った時、やり切った気持ちは絶対にあったんだけど、まだふわーっとしていて。
伊藤 僕もみんなと同じように終わった実感はあまりないけど、アニメーションの制作が一区切りしたあと、いち読者として、原作の最終回まで読んだ時、ここまでちゃんと演じ切りたいなと思ったので、最後までやれた今、喜びと充足感は間違いなくあります。
安元 同意見です。僕がアニメの声優として深く関わらせてもらった最初の作品が『BLEACH』なので、途中で一区切りした時は力不足のような悔しさも感じて。だから最後までやり切れたのは本当に嬉しく、感謝しかないですね。
── 長年、共に歩み、一護たちにも負けない深い関係を築かれているであろう6人。その先頭を走ってきた座長の森田さんは皆さんにとってどんな存在なのでしょう。
安元 森田さんはちゃんと叫ぶし、叫べる人なので、周りもサボるわけにはいかなくなり、現場の温度もどんどん上がっていく。森田さんの大きな声が僕は大好きです。
森田 ありがとうございます(笑)。
伊藤 座長気質なのは出会った頃から変わってないし、もちろん本作でも森田くんの座長風を浴びながら、一緒にやってきて…。まぁ、座長じゃない作品でも、その風は微風で漂ってくるんだけど。
森田 クレームじゃん!
伊藤 クレームじゃないよ! それが森田くんの真骨頂だし、20年以上、そのテンションが一度も下がることなく続けてこられている。心の底から尊敬してます。
折笠 熱気が最初から最後まで変わらなかったですよね。ずっと半袖を着ている感じ(笑)。
伊藤 冬でも半袖の小学生みたいな。心がずーっと元気だった。
松岡 『千年血戦篇』の収録では、「(初期の)『BLEACH』を見てました」という若手の役者さんたちも参加されていて。そういう新メンバーにも“もう仲間だよ”みたいな空気を向けていて、気配りが素晴らしい。本当に森田くんが座長でよかったなと思います。
杉山 若い子たちやスタッフさんへの気遣い然り、常に、よりよい作品にしようと動いてくれていて。『BLEACH』が最後までいい形で来られたのは、森田さんが座長でいてくれたのが大きな要因の一つだと思いますね。
森田 磔獄門にでもあってるような気分(笑)。20年以上やってきて、こういう話を聞いたのは初めてなので驚きますが、素晴らしい座組が作れたのも、皆さんがいてくれたからこそ。僕が“こうしたい”と思い描くものにみんなが乗ってくれたから。…あぁダメだ。泣く。
松岡 泣かないでー!
森田 本当に温かくて、稀有な現場に出合えたと思います。
── 『千年血戦篇』で感じた成長や活躍も含め、改めて、演じたキャラクターの魅力を挙げるなら?
森田 一護は主人公では珍しいぐらい台詞が少ないんですが、一つ一つの言葉に重みがあって。彼の思考を読み解くのも大変で、最後まで彼の考え方には追い付けなかったなと。深く分析しないとわからないところも魅力ですし、やりがいも感じました。
杉山 雨竜は、自分一人で答えを出して何とかしようとする不器用で真っすぐな人物。でも、『千年血戦篇』に入ると、仲間の力も信じて戦う一護を見て、少しずつ変化していく。ハッシュヴァルトとの戦いでは、これまで言ってこなかった“仲間を信頼している”みたいな気持ちも恥ずかしげもなく口にしていて。それも変化であると同時に、生死がかかった瞬間だからこそ本音が出るという彼の不器用さも感じました。
松岡 織姫は慈愛に満ちていて、“ザ・癒しキャラ”。『千年血戦篇』では、ずっと願ってきた“一護を護って戦いたい”という想いが報われる時が来たので、演じていてもシビれました。
折笠 ルキアの強さは私の憧れで。死神だけど、人間味も感じられ、第1話の「“死神”ではない “朽木ルキア”だ。」という台詞がまさにそれを表しているかと。種族や性別を超えていて、一人の命として立ち、凜と前を向いている姿勢は、ずっと憧れなんです。
伊藤 恋次は少年漫画に出てくる王道キャラクター。敵対する役として登場し、仲間となり、物語の中でわかりやすく成長も遂げさせてもらっている幸せなキャラですし、やっていて楽しかったです。
安元 チャド(茶渡)は普通さが魅力かなと。最初は自分に力があると思っていて、友達の力になりたくてがんばるけど、死神の皆さんと比べたら能力的には劣るし、そこで自分にできることは何かを考え、『千年血戦篇』では一護たちに託すという選択をする。それも素敵な成長だなと思います。
伊藤 チャドは男性ファンが多い。
安元 海外の男性からのファンレターも多いんですよね。
── ご自身が演じたキャラクター以外で演じてみたい人物は?
安元 涅(くろつち)マユリ。キャラクターも(演じた中尾)隆聖さんにも圧倒的な個性がある。自分がそこに到達できるとはまだ思えませんが、憧れに近い気持ちはありますね。
伊藤 わかる! 僕は自己主張するキャラを演じることが多いので、京楽春水が気になります。(演じた大塚)明夫さんのような、芯はあるんだけど、スッと抜いた芝居、いつか手に入れたいです。
折笠 私はネルかな(笑)。
松岡 どっちのネル?
折笠 小さいほう。主人公の頭にしがみついてみたいです(笑)。
松岡 私は猿柿ひよ里ちゃん。大阪出身なので関西弁は得意ですし、高木礼子ちゃんが全力で気持ちよさそうに「ハゲが!!」と叫んでいたので、私も言ってみたい(笑)。
杉山 魅力的なキャラばかりですが、僕は猫の姿の夜一(よるいち)さん。猫キャラが大好きなので。
安元 さすがブレないなー(笑)。
森田 僕は山本元柳斎重國(やまもとげんりゅうさいしげくに)の「痛恨なり」という台詞が大好きで、収録が始まった当初、よく陰で使っていたので言ってみたいですね。あんなシブい声も出ないし、威厳もゼロなので無理ですが、演じられたら最高だなと思います。
伊藤 ないものねだりだよね。
── ついに戦いを終える一護たちに、今、声をかけるとしたら?
伊藤 やっぱり「お疲れさま」だよね。
安元 僕も「お疲れさま。これからも楽しんでくれ!」ですね。
折笠 私はルキアに「この先もがんばれ」とエールを送りたいです。
松岡 私も、織姫に「がんばって!」と言ってあげたいかな。
杉山 雨竜に対してメッセージを送るとしたら、「これからは自分の幸せのために生きてほしい」と伝えたいです。
森田 「また戦いたいな、一緒に」ですね。敵なのか、人生なのか、戦う対象はわかりませんが、仲間たちとずっと一緒に戦っていてほしいなと思います。
Profile
伊藤健太郎
いとう・けんたろう 1月3日生まれ、東京都出身。出演作に『ゴールデンカムイ』(白石由竹)、『弱虫ペダル』(田所迅)、『キングダム』(桓騎)など。
折笠富美子
おりかさ・ふみこ 12月27日生まれ、東京都出身。出演作に『スイートプリキュア♪』(南野奏/キュアリズム)、『あたしンち』(立花みかん)など。
森田成一
もりた・まさかず 10月21日生まれ、東京都出身。主演作に『キングダム』(信)、『TIGER&BUNNY』(バーナビー・ブルックスJr. )などがある。
杉山紀彰
すぎやま・のりあき 3月9日生まれ、東京都出身。主な出演作に『NARUTO -ナルト-』(うちはサスケ)、『Fate/stay night』シリーズ(衛宮士郎)など。
松岡由貴
まつおか・ゆき 9月13日生まれ、大阪府出身。主な出演作に『おジャ魔女どれみ』(妹尾あいこ)、『涼宮ハルヒの憂鬱』(鶴屋さん)などがある。
安元洋貴
やすもと・ひろき 3月16日生まれ、山口県出身。出演作に『鬼灯の冷徹』(鬼灯)、『弱虫ペダル』(金城真護)、『ぐらんぶる』(時田信治)など。
information

『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』
最終クール「禍進譚(かしんたん)」では、死神と滅却師の全面戦争がついに決着を迎える。一護たちは宿命の敵・ユーハバッハを討つことができるのか。テレ東系列ほかにて毎週土曜23時より放送中。
写真・内田紘倫(The VOICE/P.72~75) ヘア&メイク・KASUGAI BOTAN(M's hair&make-up/久保さん) 河口ナオ(森田さん) 木村ゆかこ(addmix B.G/折笠さん) 山中悠樹(éclat/杉山さん) 馬上えりか(フリンジ/松岡さん) 横島梨紗(安元さん) 畦上絵美(addmix B.G/伊藤さん) 取材、文・関川直子 Ⓒ久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
anan 2508号(2026年8月19日発売)より

































