
夜ドラ『税金で買った本』で、ひょんなことから図書館でアルバイトすることになるヤンキー・紀 一(きいち)を演じる奥平大兼さん。喧嘩っ早く口も悪い一方で、どこか憎めない愛嬌を持つ紀一を、いきいきと演じている。
作品を通じて新しい本と出合う面白さを知りました
「原作のマンガを読んだときから、紀一には無邪気な可愛さがあるなと思っていて。ヤンキーっぽさを前面に出すというより、その紀一らしさをちゃんとアウトプットできたらいいなと考えて演じました」
物静かで感情を内に秘めた役柄を演じることも多い奥平さん。紀一のように感情をストレートにぶつける人物は、演じることで解放されるような感覚になるのかと思いきや、返ってきたのは意外な答えだった。
「むしろ、もどかしさのほうが大きかったです。劇中で『俺が求めてた自由はこんなのじゃない』というようなセリフがあるんですけど、家のことなどいろんな事情が重なって紀一はああいう生き方になっている。行動は自由に見えても、メンタルは自由ではないのだと感じました」
図書館でのロケが多く、本との距離も自然と縮まったという。
「絵が好きなので、原田マハさんの小説は以前からよく読んでいました。最近は、ライトノベルにも挑戦しています。マンガやアニメが好きでいながらライトノベルにはあまり触れてこなくて。でも、この撮影で手に取るようになりましたね」
絵を描くことや将棋など、アナログな趣味を大切にしている奥平さん。そんな一面は、台本との向き合い方にも表れていた。
「家でセリフを覚えるときは絶対に紙の台本じゃないと入ってこないですね。『あのシーンのあのセリフ』って思ったら、大体の感覚でパッとページを開けますし。出演した作品の台本は全部残してあって、たまに見返すこともあります。最後にみんなで撮る集合写真を台本に挟んでいるんですけど、それを見るとすごく懐かしい気持ちになるんです」
そんな、作品との時間を大切に積み重ねてきた奥平さんの誠実さは、読者への一言をお願いしたときにも変わらない。「雑誌を読んでいる方ですよね…」と、じっくり考えながらメッセージを送ってくれた。
「本や雑誌を読むことが習慣になっている方も多いと思いますが、もし普段あまり読まないという方がいたら、ぜひ本を手に取ってみてください。自分で選んで読む一冊との出合いって運命だと思うんです。この作品を通して、僕自身も新しい本と出合う面白さを知りました。それを気軽にできるのが図書館だと思うので、この作品を見て本や図書館に興味を持っていただけたらうれしいです」
Profile
奥平大兼
おくだいら・だいけん 2003年9月20日生まれ、東京都出身。'20年に俳優デビュー。主な出演作に映画『MOTHER マザー』『マイスモ ールランド』『か「」く「」し「」ご「」と「』、ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』、日曜劇場『御上先生』など。
information

夜ドラ『税金で買った本』
人気同名コミックの実写化。ヤンキー高校生が図書館でのアルバイトを通じ成長していく姿を描くヒューマンコメディ。共演は西野七瀬、青木マッチョ、矢田亜希子ら。8月24日より毎週月~木曜22:45~NHK総合にて放送。
anan 2508号(2026年8月19日発売)より
































