
映画『マリー・アントワネット』(ソフィア・コッポラ監督、2006年)より Photo:Courtesy of I WANT CANDY LLC. and Zoetrope Corp.
マリー・アントワネット250年のスタイル史を辿る展示「マリー・アントワネット・ スタイル」が、横浜美術館で開催中。
今もなお世界中で注目を集め続けてる秘訣とは
歴史上もっともファッショナブルな王妃であったマリー・アントワネット。200年以上前に存在した人物ながら、刺激的で革新的な生涯は、30本以上もの作品で映像化され、日本でも少女マンガやTVアニメ、舞台のモチーフになるなど、今もなお世界中で注目を集め続けている。
本展は彼女のスタイルに注目。18世紀後半の歴史的なファッションから2025年のオートクチュールまで、王妃マリー・アントワネットのスタイルが250年にわたり、どのように影響を及ぼしていったのかを日本初公開作品を含む約200点から辿る。ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で企画された世界巡回展が、日本国内では唯一、横浜美術館で開催される。
まず第1章ではフランス王妃となってからの彼女の肖像やドレス、装飾品を紹介。当時のドレスやジュエリー、家具、そして肖像画や写真などが登場する。なかには、アントワネットが特に好んだという技法で作られた「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」や、アントワネットの評判を失墜させた「首飾り事件」のネックレスの一部と伝わるダイヤモンドも展示。当時とは形を変えながらも、色褪せることがない最高級の輝きは必見だ。
続く第2章では、アントワネットの死後、彼女から影響を受けた人々が残した肖像画やドレスなどが登場する。例えば、ナポレオン3世の后ウジェニーはアントワネットに心酔しており、自ら仮面舞踏会を主催してアントワネットに扮するだけでなく、彼女の旧蔵品を集めた展覧会を主催するなど、19世紀のアントワネットブームを作る立役者となった。そして第3章では、彼女のスタイルからインスピレーションを得た現代のクリエイターたちが手掛けたファッション、デザイン、映画、音楽など現代の生活に息づくカルチャーを紹介する。ヴィヴィアン・ウエストウッドやアンドレア・グロッシ、モスキーノなど名だたるデザイナーのドレスを一堂に会した圧巻の展示になっている。
華やかで美しい全盛期とは裏腹に、最期は悲惨な末路を辿る悲劇のプリンセス。ドラマティックなアントワネットのイメージは、今も世界中の女子を魅了する。本展では、単に贅沢さの象徴として語られてきた王妃像を再検証し、彼女が閉鎖的だった習慣を変えた革新者だったことにも焦点を当てる。18世紀から現代まで脈々と続くスタイルの系譜や、意外にも日本文化との深い結びつきがある事実にも気づかされる。ぜひ会場に足を運び、体感してほしい。
information
マリー・アントワネット・ スタイル
横浜美術館 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1 開催中~11月23日(月)10時~18時(11/21・22は~20時。入館は閉館の30分前まで) 木曜休(8/13、9/24、11/19は開館) 一般2500円ほか TEL. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
anan 2507号(2026年8月5日発売)より




































