アイドルもバッグも“半径1m以内” みんなの共感キーワードとは

2017.2.15
相変わらず、お茶の間を賑わせているのは、会いに行けるアイドルや頑張れば真似できそうな感じがする読モたち。昔は誰もが憧れる高嶺の花を追いかけていたのに、どうして変わってしまったの?
アイドル2041

世の中変わらないから、身近なものが大切に!

「経済が上向いているときは、自分も一緒に成長していく感覚があるため、なかなか手が届かない人やモノが憧れの的でした。でも、低成長時代になると、あまり大きな変化が起こらないので、小さな感情がとても大事にされるように。さらに、SNSでその感情をシェアできるようになったことで、友達と共感し合えるような身近な存在の人に注目が集まるようになったのです」(マーケティングアナリスト・原田曜平さん)

「昔は限られたメディアで最先端のモノしか取り上げられていませんでした。でも、SNSの普及で情報を選択できるようになると、自分とかけ離れた雲の上の人の情報ではなく、等身大だけどおしゃれな人の情報をフォローすることが可能に。ファッションや持ち物などもそうした人を参考にするようになり、日常の共感から消費が広がっていくんです」(マーケティングライター・牛窪恵さん)

憧れのあの人よりも、“育てた感”にグッとくる。隣のあの子に人気集中!

「経済が成長し続けていた’90年代までは、アイドルは憧れの存在だった。でも今は、会いに行ける距離感でないとアイドルとは言われない。高嶺の花すぎると、自分には手が届かないと悟っているんです。タレントさんや海外セレブも、“いい人”であることが人気の条件になっている気がします」(原田さん)

「アイドル→モデル→読者モデルときて、今は素人ブーム。インスタからスターが生まれていたり、ぺこ&りゅうちぇるのような友達感覚の人が人気です。みんなで一体となって育てている感がいいのかも」(牛窪さん)

あの投稿のバッグが欲しい! 買うのも売るのも、“いいね!”で共感ショッピング。

「何か欲しいモノがあったとき、今はショップよりもまずスマホに向かう時代。みんながパーティにどんな服を着ていくかも、インスタや『WEAR』などのアプリでおしゃれな投稿を検索して調べているんです。また、団塊ジュニア世代以下はシンプル族が増え、見栄でブランド物を買うことはなくなりました。安いものでも自分でデコればかわいくなるし、素敵なものは写真で十分。結局、インスタにアップすることで欲求が満たされてしまうので、高いものはメルカリで安く手に入れたり、レンタルのほうが効率的と考えているんです」(牛窪さん)

牛窪 恵さん マーケティングライター、世代・トレンド評論家。フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』ほかに出演。3月、『「男損(だんそん)」の時代』(潮出版社)が発売予定。

原田曜平さん マーケティングアナリスト、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。“さとり世代”という言葉を世に浸透させた第一人者。日本テレビ系『ZIP!』の金曜レギュラー。

※『anan』2017年2月22日号より。イラスト・小山 健 文・春山繁美

(by anan編集部)

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