さくほろ、とろり、しゃくしゃく…名パティシエが生み出した気さくなスイーツ
『銀座・和光』のグランシェフパティシエとして活躍し、パティシエの世界大会の最高峰、「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー 2019」では日本代表として準優勝した小熊亮平シェフが自店をオープン! 眩しすぎる経歴に遠い存在かと思われるかもしれないけれど、むしろ逆。「ギフトはもちろん、焼き菓子1~2個だけを買いにでも、ふらっと立ち寄れるお店にしたいんです」。お菓子が生活に根付くフランスのパティスリーみたいに懐深いのだ。
看板スイーツがこの「ポムコルネ」なのも、そんな思いの表れ。日本生まれのパン「コロネ」をヒントに編み出したここだけのお菓子は、ワンハンドで子供もお年寄りもみんなに食べやすく(なんなら食べながら帰れてしまう)、しかもお財布にまで優しいという気さくさ。筒型パイに見えるのは薄く伸ばしたブリオッシュ生地で、パイより薄く砕けやすくなるという。たっぷり詰まったりんごクリームは、食感が残るよう大きめに角切りしたりんごのローストに、バニラも香らせて。齧ると生地はカリカリというよりさくほろ。儚く崩れると、クリームがとろりと溢れ出してくる。しゃくしゃくとりんごを噛むたびに果実味がはじけて、柔らかな甘酸っぱさに生地のほどよい塩気と香ばしさがいい具合。ふらっと味わえるご近所さんが羨ましい!
「ポムコルネ」1本¥410。クリームは一日に何度もこまめに絞るので、いつでも出来たて。口いっぱいに広がるりんごの味わいはもちろん、さくほろ、とろり、しゃくしゃくとにぎわう食感もやみつきに。
Patisserie Chocolaterie Pomme Rouge 千葉県柏市若葉町1‐1 TEL:04・7199・9760 10:00~18:00 火曜休
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
※『anan』2024年9月25日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・chico
(by anan編集部)