そわんそわん「性的なことは言葉でYES、NOを伝えるのが当たり前」 イギリスのフェムケア事情

2024.2.26
ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「イギリスのフェムケア事情」です。現在イギリスに留学中のそわんわんさんに、気になる日本との文化の違いや生理用品事情を伺いました。

種類豊富でおしゃれな生理用品の使い心地は?

fem1

ananフェムケア委員会のメンバー・そわんわんさんが現在イギリス留学中ということで、現地のフェムケア事情やカルチャーの違いについて教えてもらいました。

「留学経験がある人から“日本からたくさん生理用品を持っていったほうがいい”とアドバイスされたので、愛用しているソフィのショーツ型ナプキンとおりものシートを持ってきました。手持ちがなくなってからはこっちで調達していますが、やはり最初のうちは環境の変化で知らないうちに心身に負担がかかるし、体調も不安定になりがちだから、使い慣れたものを持っておくのは安心感がありましたね。あとは生理痛でつらい思いをしないためにも、絶対に痛み止めなどのお薬は持っていったほうがいいです。かさばりますが、想像の“倍”の量は持っていってほしい。言葉の壁もあるし、体質に合うかどうかもわからないので、自分が飲み慣れているものは必須です」

イギリスの生理用品にもトライ中。

「こちらは、生理用品が非課税対象なんです。ただ円安の影響もあって、日本よりもかなり高いですね。羽つきタイプがあったり、オーガニックタイプがあったりと種類は豊富ですが、どれを使っても一緒というか、そこまで差別化されていない印象。ナプキンはどれも大体、肌に触れる部分がメッシュ素材で、厚みも薄いから漏れそうな不安が。そういう点では日本のほうが質は高いかなと思います。デザインに関しては、イギリスはシンプルでおしゃれなものが多くて素敵。ショーツ型のナプキンは、日本だとオムツっぽい見た目ですが、こちらは普通のショーツに見えるデザインで、カラバリも豊富に展開されています。ただこれも、吸水部分に厚みはあるけれど、ウエスト部分などはかなり薄くて心配な形状…。またイギリスの方の体型に合わせているので、サイズ感も日本人には少し大きい印象です」

またメンタルケアへの配慮や男女間のコミュニケーションのとり方など、違いを感じることは多いそう。

「レディファーストの国だから、見知らぬ人がドアを開けて待っていてくれるのが普通だし、男性はみなさん紳士的。下心があるわけじゃなく、人としてのやさしさを感じます。そして性的なことははっきりと言葉でYES、NOを伝えるのが当たり前なんだそう。日本ではそこが曖昧になりがちだけれど、本来これが普通だよなって思います。ほかに驚いたのが、様々な場所のトイレに“鬱っぽくなってませんか?”というメッセージポスターが掲示されていること。心が疲れたときに、人に相談しやすい環境が整っているなと思いました。このあたりが、日本はイギリスと比べて遅れているから取り入れていくべきだと感じています」

スーパー&ドラッグストアで見つけたフェムケア用品。

fem2

A 生理用品は日本と同じようにスーパーやドラッグストアに行けば手に入れられる。「日本ではナプキン派が多いのに対して、海外ではタンポンが主流。ナプキンもタンポンも半々くらいで棚に並べられています」。

B イギリスで人気の生理用品メーカー〈always〉。「種類豊富で、ショーツ型ナプキンもあります。見た目はおしゃれですが、クオリティは日本のほうが上だと感じます」。

C 使い捨てナプキン。「表面はメッシュ素材でさらっとしていますが、日本のものに比べてかなり薄いので吸収力に正直不安があります」

そわんわんさん 1999年2月19日生まれ、和歌山県出身。YouTuber、モデル。長年の夢だったイギリスに語学留学中。ananフェムケア委員会のメンバーとして、誌面にも度々登場している。

※『anan』2024年2月28日号より。取材、文・岡井美絹子

(by anan編集部)