パリ五輪代表争いに決着がつく大一番! 全日本卓球選手権大会から目が離せない!

2024.1.19
1月22日から28日にかけて、卓球の全日本選手権が東京体育館で行われる。例年、日本一を懸けて選手たちの熱い戦いが繰り広げられるが、今回はいつにも増して熱のこもった舞台となりそう。なぜならパリ五輪代表選考の最終大会でもあるからだ。

2024年全日本卓球選手権大会

個人戦は2022年以降の各選考大会で得た合計ポイントの上位2名が代表に選ばれる。男子はポイントランキング1位の張本智和、2位の戸上隼輔が代表選出を確実にしている一方で、激しい競争となっているのが女子だ。現在790.5点の早田ひなの1位はすでに確定している。だが2位の平野美宇は486点、3位の伊藤美誠は451.5点と34.5点差。全日本選手権で得られるポイントは、優勝者が120点、2位100点、3~4位80点、5~8位50点……と定められているから、結果によって両者の順位は十分入れ替わる範囲にある。

たとえ個人戦で代表に入れなかったとしても、団体戦用のメンバー(1名)に選ばれる可能性はある。ただその選考は総合的な判断によるとされていて、ランキング3位であってもそのまま選ばれるとは限らない。なによりも、平野も伊藤も、個人戦での代表入りを目指して戦ってきただけに、自力で五輪切符を手にしたいところだ。

さらに女子は他にも実力者が目白押しであることも、両者の争いを予断を許さないものにしている。例えば張本智和の妹である15歳の美和。ポイントランキングは5位ではあるものの、今季、シーズンが進むにつれて国際大会で好成績を残してきた。しかも今秋以降の大会で早田、平野、伊藤それぞれから勝利をあげるなど、まさに伸び盛り。「3人目の代表は張本美和を」という待望論も起こるほどだ。さらにはランキング4位の木原美悠、6位の長﨑美柚なども侮れない存在。平野と伊藤は決勝まで顔を合わせない組み合わせだが、容易ではない対戦相手が少なくないだけに、トーナメントのどこかで足をすくわれる可能性もある。初戦から一戦一戦、息の抜けない試合が続いていくことになる。

東京五輪では銀メダルを獲得した団体戦でチームメイトだった平野と伊藤。日本を牽引してきた2人が1枠を懸けて臨む全日本選手権は、若い世代の戦いぶりもあわせ、目を離すことができない。

伊藤美誠(いとう・みま)選手(スターツ)

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リオデジャネイロ五輪は団体戦メンバーとして、東京五輪では個人戦で銅メダル、団体戦銀メダル、混合ダブルスは金メダル。日本女子を牽引してきたエース格。同学年の平野美宇を追いかけ、今大会で逆転を目指す。

平野美宇(ひらの・みう)選手(木下グループ)

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中学時代は“みうみま”の愛称で、伊藤美誠とのダブルスで数々の好成績をあげ卓球界を席巻。東京五輪は団体戦の代表として出場し、銀メダルを獲得した。東京では僅差で叶わなかった悲願の個人戦代表を狙う。

パリ五輪代表選考ポイント(女子)
1位 早田ひな=790.5点
2位 平野美宇=486点
3位 伊藤美誠=451.5点

2024年全日本卓球選手権大会
日程:1月22日(月)~28日(日)
会場:東京体育館
NHK総合、NHK BSで放送予定。卓球TVで全試合ライブ配信

※『anan』2024年1月24日号より。写真・T.LEAGUE/アフロ 文・松原孝臣

(by anan編集部)