大人気実況者・ポッキー、インディーゲームは「着眼点がすごい」 おすすめ6作品を紹介
ポッキーさんが語るインディーゲームの魅力。
「彼のインディーゲームとかフリーゲームの実況を見て、僕もやってみたいと思って始めました。彼に限らず海外の実況者は、誰かが作ったちょっと面白いゲームをプレイしたものをネタっぽく紹介している方が多くて。それを見て、インディーゲームの面白さを知ったんです」
魅力を尋ねると、「着眼点がすごいんです」という答えが。
「“なぜそこに焦点を当ててゲームを作るんだろう”みたいな作品がめっちゃ多くて、そこに良さを感じます。主人公が人間ではないパターンが多いところも、インディーゲームならではなのかなと。たとえば、始めてすぐの頃にプレイした『ゴートシミュレーター』は、プレイヤーがヤギになって街中を暴れまくるという単純なものなんですけど、すごく面白かったです。販売ページを見た時に、ゲームってこういう形もアリなんだと衝撃を受けました。あと、『I am Bread』は、プレイヤーがパンになって、家の中を転がったり家具の上を渡りながらトースターに焼かれに行くというもの。地面に落ちちゃうとバイ菌がついて体力が減るんですけど、結構難しくて10時間くらいはプレイしました」
そんなふうに驚くほど難易度が高く、クリアできないものがあることも、インディーゲームの面白さに。また、実況にも向いているのだそう。
「すぐに死んじゃうような鬼畜ゲームも結構あるんですけど(笑)、でも、動画であれば、たとえ何度も挑戦して死んでいたとしても編集ができるし、むしろ何度も死んでクリアできず壊れていく姿が面白くてエンタメになったりもするんです。難しいインディーゲームと実況の相性はいいと思いますよ。あと、YouTuber目線ですが、サムネイルにした時に映える面白いシーンが多い。これは大事なことで、ただ切り抜いただけなのに、引きになってくれますから。僕の動画に作者の方がコメントしてくださったり、Twitterで反応してくれることも結構あって、それはすごく嬉しいです」
実況動画を撮るため、週に平均3本はインディーゲームをプレイするというポッキーさん。遊ぶタイトルは、どのように選ぶのだろうか。
「Steamをはじめ、国内外のインディーゲームサイトを毎日のようにチェックし、内容やスクリーンショットを見て、面白そうなものをやります。日々、新しいゲームが上がってきて、なかには、2~3分で終わるような短いものも。でも、そういうゲームがどんどんアップデートを重ねて、ものすごい長編になるなど進化していく姿もたくさん見ていて。ユーザーさんの意見を取り入れるなどして、最初はバグだらけだったのが、神ゲーになることも。初期からプレイしていると、成長を見届けるような面白さを味わえるところも好きです。あと、良い意味で雑だったりとツッコミどころのあるものは、実況として面白い形になりやすいです」
さまざまなジャンルを遊ぶポッキーさんだが、「ただ、ホラーゲームを選ぶことは多いかもしれません」と言う。それも実況を意識してのこと。
「インディーのホラーゲームは、1時間くらいで完結するものが多いので、単純に面白いのはもちろん、視聴者の方が見やすいんです。僕は結構、怖がらずにサクサク進んでいっちゃうけど(笑)、全然ビビっていない人がプレイすると怖くなくなるからか、『普段ホラーゲームの実況は見ないけどポッキーさんのは見ます』というコメントをいただくことも多いです。実況がつくことで面白い要素が追加され、怖がらずに見られるという声もあり、ホラーと実況も相性がいいようです。いま注目しているクリエイターはChilla’s Artさん。『夜勤事件』をはじめ、めちゃめちゃプレイしています!」
ちなみに、ゲームを作ってみたいと思ったことは?
「企画の中で原案を出して、プロに作ってもらったことはあるのですが、それでも難しかったです。プレイヤーが取る行動パターンをある程度理解していないとできないなと。だからこそ、迷うことなく快適に遊べるゲームを作れる人はすごいなと、あらためて感じました」
最後に、anan読者がインディーゲームを選ぶ時におすすめの方法を教えてもらった。
「手軽にインディーゲームが買えるのはマイニンテンドーストアだと思います。いろいろなタイトルが販売されているし、パソコンゲームはキーボードとマウスの操作になるので、最初はコントローラーで遊ぶニンテンドースイッチのほうがやりやすいはず。特に有料のものは、きちんと作られているものが多いので、気になるものがあったら試しに買ってみてください。想像以上に楽しめると思います」
ポッキーさんおすすめインディーゲーム6選
1、敵キャラのハギー・ワギーはグッズが作られるなど大人気。
『Poppy Playtime』PC、iOS、Android etc
廃玩具工場を訪れた元従業員となり、人形のハギー・ワギーなどおもちゃが襲いかかる中、パズルを解きながら進んでいくサバイバルホラーゲーム。「追いかけてくるキャラは怖いんだけど愛嬌があり、こんなに敵が人気になることは珍しい。実況でも人気で、突如現れて瞬く間に人気になった、インディーゲームの成功例だと思います」© 2023 MOB ENTERTAINMENT, INC. ALL RIGHTS RESERVED
2、独特のテクスチャーに驚き! 無限に遊べます。
『Human:Fall Flat』Nintendo Switch、PS4/5、Xbox One/Series X|S、PC etc
白くふにゃふにゃした「ヒューマン」を操作し、オブジェクトを掴んだり、押したり、運んだりして物理パズルを解いていく。「独特のふにゃふにゃ感や、いきなり落下するところからのスタートなど、いろいろ衝撃でした。マルチプレイだから友だちとやっても面白いし、ユーザーが作ったコースを遊べるので楽しみ方が無限大です」No Brakes Games © Copyright 2021. All Rights Reserved.
3、高いストーリー性で、映画を観ているような感覚に。
『つぐのひ』PC、iOS、Android etc
主人公がさまざまな道を左に進んでいくことで、日常が次第に恐怖に侵食されていくジャパニーズホラーゲームシリーズ。1回のプレイ時間は15~30分ほど。「主人公はひたすら横に歩いていくだけですが、ストーリーが面白くてホラー映画を観ているような没入感があります。最新作の『つぐのひ‐忌み夜の喰霊品店‐』も最高でした」©ImCyan / vaka, Inc. All Rights Reserved.
4、無事に生き残れるかドキドキ。アプデでどんどん面白く進化。
『Raft』PC
破片や藻類、箱など海の漂流物を使って避難所となる筏を作り、喉の渇きや空腹と闘いながら生き延びるサバイバルシミュレーター。「配信当初はただ漂流するだけしかできなかったのに、アップデートを重ねて物語が生まれるなど神ゲーに。海にはサメがいて、プレイヤーが海に落ちると襲ってくるなどハラハラできて面白いです」© 2020 Redbeet Interactive AB
5、トラップだらけの家に住むおじさんの秘密とは…!?
『Hello Neighbor』Nintendo Switch、PS4、Xbox One/Series X|S、PC etc
不思議な隣人の隠し事を暴くため、地下室にこっそり侵入するステルスホラーゲーム。ゲーム内のAIがプレイヤーの行動を学習、捕らえようとする。「謎のおじさんが住んでいるギミックだらけの家で行う謎解きが、しっかりした内容でとても面白いです。めちゃくちゃ怖いわけではないけど何か不穏な空気が漂う、微ホラー系」© Dynamic Pixels&tinyBuild 2020
6、複数に、筋肉質に! 不気味な怪生物・青鬼に夢中。
『青鬼』PC、iOS、Android
肝試しに訪れた洋館に閉じ込められた主人公たちが、謎解きをしながら脱出を目指す。プレイヤーを追いかける青鬼は鋭い牙があったり、複数体出現したり人型でないものになるなど、様々な種類が存在。「有名な日本の2Dゲームで、インディーゲームのレジェンド的作品。実況生配信でプレイし、完成度の高さをあらためて感じました」© noprops
ポッキーさん ゲーム実況者。2013年に開設したYouTubeのチャンネル登録者数は337万人。グループ「ぽみそしる」としても活動する。エッセイ『エンディングにはまだはやい』(KADOKAWA)が発売中。
※『anan』2023年5月17日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) ヘア&メイク・小宮四海(CharmeR) 取材、文・重信 綾
(by anan編集部)