宇野昌磨の成長と若い世代の台頭に注目! フィギュアスケート、GPシリーズ開幕

2022.10.24
10月21日に始まるアメリカ大会を皮切りに、フィギュアスケートのグランプリシリーズが開幕する。オリンピック後の最初のシーズンは、次のオリンピックを視野に入れて新たな4年へと向かう年。長年にわたり牽引した羽生結弦が競技の世界を離れ、ネイサン・チェン(アメリカ)は休養を選んだこともあり、まさに新たなスタートとなる雰囲気が漂う。

新たな時代を担っていく選手たちの滑りに注目!

そんな状況の中、男子の中心となっていくのは日本の2人。北京五輪で銅メダル、世界選手権では優勝を飾った宇野昌磨は「まだまだ成長していかないと」と、常にこだわってきた“成長”を今シーズンも期している。北京五輪、世界選手権ともに銀メダルで名実ともに世界のトップスケーターの仲間入りをした鍵山優真も「プログラムもジャンプもいろいろ挑戦したいです」と、さらなる進化への意気込みを見せる。

若い世代の台頭も見どころだ。4回転アクセルに世界で初めて成功、12月に18歳の誕生日を迎えるイリア・マリニン(アメリカ)はむろんのこと、中学生の頃から傑出したジャンプ力を見せてきた17歳の三浦佳生(かお)も期待を集める一人。

一方の女子は、近年世界を席巻してきたロシアに対する出場停止処分が継続されているため、日本勢が質・量ともに抜きんでている。北京五輪で銅メダル、世界選手権で優勝の坂本花織は、新しい振付師と組むなどステップアップを志す。夏場はまだ調整などで遅れている面もあったが、シーズンが進むにつれて調子を上げていくはずだ。

紀平梨花も注目の一人。4回転ジャンプやトリプルサルコウを武器とするが故障により昨シーズンは欠場。再起を期す今季、完全に回復したとはいえないが、9月下旬の中部選手権に出場、無事ショート、フリーを滑り切った。ここからの復調を楽しみにしたい。北京五輪で念願のオリンピック出場を果たした樋口新葉(わかば)は、残念ながら怪我で今季すべての大会の欠場が発表されたが、他にも三原舞依、北京五輪に出場した河辺愛菜(まな)など、中堅から若い世代まで期待を担う選手が少なくないのも、日本女子選手の層の厚みを示している。

これからのフィギュアスケート界をリードしていくのは誰か、選手たちの滑りから目を離せない。

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宇野昌磨 春から夏に数多くのアイスショーに出演、試合で用いるプログラムを滑り込み、仕上げを図ってきた。

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鍵山優真 初めてロックテイストの曲をプログラムに用いるなど、チャレンジする姿勢を鮮明にしながらシーズンに臨む。

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紀平梨花 ’18年のグランプリファイナル覇者。怪我もあり、北京五輪出場も逃していた。第2戦と第6戦にエントリー。

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坂本花織 5シーズンコンビを組んできた振付師のブノワ・リショーからいったん離れ、新境地を目指す。

【グランプリシリーズの日程】
第1戦 アメリカ 10/21~
第2戦 カナダ 10/28~
第3戦 フランス 11/4~
第4戦 イギリス(中国から開催地変更) 11/11~
第5戦 日本(NHK杯) 11/18~
第6戦 フィンランド(ロシアから開催地変更) 11/25~
グランプリファイナル イタリア 12/8~

※『anan』2022年10月22日号より。写真・Getty Images 文・松原孝臣

(by anan編集部)