永野芽郁“斬新すぎるOL”役に「どういうこと?」 バカリズム脚本映画で
主演の永野芽郁さんと脚本を書き自らも出演しているバカリズムさんに、映画の裏話やヤンキー文化の魅力を直撃!
バカリズム:ヤンキー文化が学校ではなくOLの世界にあっても面白いんじゃないかと思って。さらにただヤンキーOLがのし上がっていく物語だと普通だから“モブキャラ”(取り巻き的存在)の視点から見た、ヤンキーの成り上がりを描こうと考えました。20代、30代の女性たちがリアリティを一切無視して戦う方が重みがあるし、いい大人たちが何やってるんだって、よりくだらないかなって(笑)。
永野:すごい発想です。
バカリズム:オリジナルの物語なんですが『地獄の花園』という原作漫画があってそれを実写化したみたいな感じにしたかったんです。だから本を書きながら、僕の頭の中の配役はすべて絵で出てきていて。まさか主人公の直子を永野さんが受けてくれるとは! この話を聞いた時どう思ったんですか?
永野:「ヤンキーOLの物語です」って聞いて「どういうこと?」って(笑)。すぐに台本を読んだら、斬新な世界観と今までに演じたことがない表情やセリフがあって、自分の新たな一面が見つけられるかもしれないとワクワクしました。
バカリズム:わぁ嬉しいな。
永野:でもクランクインの4~5か月前からアクション練習に入ったんですが、アクションの参考資料でいただいたのがマーベル作品で(笑)。あれ? 想像していたよりも本格的だぞ、この世界観と壮大なアクションがどうマッチするんだろう…って疑問で。
バカリズム:ただ2時間コントを書いているようなもんで、こんな好き放題でいいのかなって思ってました。でも完成作を観たらちゃんと直子に“モブ感”が出ていて。“こんなOLいねーよ”じゃなくて、“いてもおかしくないな”って思わせてくれた永野さん、さすがです。
永野:嬉しい! 私、直子みたいによく自己分析をする人が好きなんです。自分もそうだから。
バカリズム:直子ちゃんと友達になったら、絶対に楽しいですよね。
永野:あと、OLたちにネチネチした空気感がまったくなくて気持ちよかった。殴り合って勝ち負けを決めるって、潔いですよね。
バカリズム:そうそう。OLの日常にヤンキー漫画みたいな世界観が広がっているという軸をぶらさずに、あえてひねらない王道の展開だから面白い。そして僕は、直子がOL仲間と3人で、自動販売機でジュースを買うシーンが微笑ましくて好き。お互いに買うものを予想し合うというやりとりは、アドリブも交ざっていてよかった。
永野:どうせ毎日、自動販売機で買ってるんだろうなと思って(笑)。
バカリズム:喧嘩のシーンの合間に、そんな平和的なシーンをちょこちょこ書くのが楽しかったです。
永野:迫力の喧嘩シーンから直子たちOLの穏やかな日常シーンに切り替わるとホッとしつつハマってしまう、不思議な感覚でした。
バカリズム:ところで、ヤンキー漫画とか読んだことあるの?
永野:『ビー・バップ・ハイスクール』の実写版は中学の時に観ました。あり得ないシチュエーションなのに笑えて、本格的なアクションもあって面白いなぁって。
バカリズム:ヤンキー作品は僕も大好きだったな。男の子の大半は強くなりたいと思っていて、一度はヤンキーに憧れるんですよね。それが“ヤンキー文化”が廃れない理由かもね。
永野:実際にヤンキーに会ったことはないけど、ヤンキーって強いのに儚い感じがするのはなぜでしょうか。
バカリズム:その先に何もないことをわかってるからじゃない?
永野:なるほど!
バカリズム:青春感あるよね。
ながの・めい 1999年9月24日生まれ、東京都出身。映画『キネマの神様』が8月6日、主演映画『そして、バトンは渡された』が10月29日公開予定。
バカリズム 1975年11月28日生まれ、福岡県出身。お笑い芸人、俳優、脚本家、MCなどマルチに才能を発揮しながら活躍。
永野さん・トップス¥49,500 ワンピース¥42,900 シューズ¥44,000(以上エンフォルド TEL:03・6730・9191) イヤリング¥92,400(トーカティブ TEL:03・6416・0559) ヘアアクセはスタイリスト私物 バカリズムさん・ネクタイ¥13,200(giraffe TEL:03・6455・5892) その他はスタイリスト私物
『地獄の花園』 普通のOL直子(永野さん)と派閥争いで日々喧嘩に明け暮れているOLたちとの友情と絆を描く新感覚ヤンキー映画。旬の若手女優たちが特攻服を着たヤンキーに扮したビジュアルが公開されると、その斬新なギャップに世間は大注目。全国公開中。
※『anan』2021年6月2日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・岡本純子(永野さん) 高橋めぐみ(バカリズムさん) ヘア&メイク・吉田美幸(永野さん) 取材、文・若山あや
(by anan編集部)