うがい薬でなく水でOK! “うがい”の正しいやり方を要チェック

2020.8.30
私たちの暮らしを大きく変える原因になった新型コロナウイルスとの共存は、どうやらもう少し長引きそう。ここでは、感染防止のために行いたい“うがい”と“手洗い”に関する疑問について、衛生に詳しいナチュラルクリーニング講師・本橋ひろえさんに伺いました。

うがい

手洗いほど重視していない人が多い、とウワサのうがい。面倒に感じがちだが、正しいメソッドに従えば効果大。意外と大事な習慣だった!

Q. うがいは水だけで大丈夫?

A. 体内に入るウイルスの数を減らすには十分です。
「うがいには、体に入るウイルスの数を減らす効果があります。消毒・殺菌できるうがい薬もありますが、それが新型コロナウイルスに効果があるかどうかは、まだ分かっていないと思います。なのでうがい薬を使わなくても、水を使えばOK。口の中を清潔に保つということは、新型コロナウイルス対策だけでなく、健康状態を保つために大切なことです。全身の免疫力を保って新型コロナウイルスに負けないようにしておくためにも、うがいを習慣にしましょう」と本橋さん。

うがいをするときは、まず手を洗うことから。「手についたウイルスが水やコップに移らないようにしましょう。手洗い後に使うタオル、うがいに使うコップや洗面台を清潔に保っておくことも大切です」。本格的にうがいをする前には、口の中を軽くすすいでおくこと。「いきなり上を向いてうがいをすると、口の中のウイルスが喉に入ってしまうかもしれません。先に水で流しておけば、より体の中に入るウイルスの数を減らすことができるはずです」

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1、うがいをする前は、石けんやハンドソープを使ってしっかり手を洗っておくこと。

2、口の中に水を含み、ブクブクゆすいで吐き出す。間違っても飲み込まないで。

3、水を含んで上を向き、約15秒喉の奥までガラガラうがいをして吐き出す。これを2回。

手洗い

新型コロナウイルス感染事例の中で、最も多いといわれているのが手を介した目、鼻、口からの感染。家でも出先でも、まめな手洗いが健康を守る。

Q1. オーガニックのハンドソープでもウイルスを殺せる?

A. 泡が立つならOK。
手洗いに使うアイテムは、泡が立つか立たないかが重要。「泡が立つということは、界面活性剤が入っているということ。界面活性剤は新型コロナウイルスの表面の油膜を壊すので、消毒に有効なんです。その界面活性剤が合成成分でできているのか、自然由来のものでできているのかは、どちらでもかまいません」

Q2. 商業施設や駅のトイレの備えつけハンドソープで大丈夫?

A. ハンドソープも携帯できれば安心。
出先のトイレに備えつけられているハンドソープは、それほど泡立たないことも。「泡がたくさんあればよいというわけではありませんが、界面活性剤が少ないハンドソープは消毒効果が落ちるので避けたいですね。最近は携帯用ハンドソープも発売されているので、バッグにひとつ入れておくとよいかもしれません」

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洗い流し不要。ジェイ・アール・ワトキンス ノーリンス フォーミング ハンドクレンザー レモングラス 48ml¥900(アントレックス webmaster@entrex.co.jp)

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マカダミアナッツ油を使用した、植物性ハンドソープ。赤ちゃんにも使える泡タイプ。パックスベビーハンドソープ 80ml¥500(太陽油脂 TEL:0120・894・776)

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無香料無着色。酸化防止剤や合成界面活性剤を使わない無添加処方。泡タイプ。手洗いせっけん バブルガード携帯用 50ml¥500(シャボン玉本舗 TEL:0120・4800・95)

Q3. 固形石けんと液体ハンドソープ、どちらがよい?

A. 界面活性剤が入っていれば、新型コロナには同じ効果。
「固形でも液体でも、界面活性剤が入っていてしっかり泡立てられればどちらでも可。ただ、固形の石けんは余分な成分が入っていないものが多く、肌に優しいのでおすすめです。固形石けんは溶けたり雑菌が繁殖したりしないように、通気性のよいソープディッシュに置きましょう。液体ソープはノズルの口をこまめに拭き取って、清潔に保ってください」

本橋ひろえさん ナチュラルクリーニング講師。化学系企業で合成洗剤の製造などを担当。掃除を楽にするアイデアやアイテムを紹介する著書が好評。

※『anan』2020年9月2日号より。写真・吉岡真理 イラスト・松元まり子 取材、文・風間裕美子

(by anan編集部)