外国人が見た、東京のココが面白い!
司会をつとめる番組を通じて、多くの外国人のお話を聞いてきた鴻上尚史さん。彼らが旅で大事にしているのは、見るだけでなく、体験をすることだという。
「写真を撮って終わりとならず、自分で経験したり、何かに参加することを何より面白いと感じるようです。好きな東京のスポットランキングに、屋形船に乗れるお台場や、散策ができる谷根千がランクインするのも納得の結果です」(作家、演出家・鴻上尚史さん)
食文化の楽しみ方には、以前と比べて変化があるよう。
「日本食といえば寿司や天ぷらという時代は終わり、今は、ラーメンとチェーン店が人気。また、精進料理がヴィーガンの方に支持されています。そして、日本ならではのホスピタリティを感じる点に感動する人も多く、温かい便座やきれいな公衆トイレは不動の人気です」
“こんなところに感動するの!?”と驚くエピソードが満載です!
世界にも広がり始めた日本の居酒屋カルチャー。
東京には山のようにある庶民的な居酒屋が、「実にクール!」と人気だという。「アメリカやヨーロッパなどでは、食事をする時はレストラン、お酒を飲む時はバーと分かれているのが一般的です。そのため、“食べながら飲める”という私たちにとっては普通のことが新しく、ウケているようです」。注文をする時のシステムにも、感銘を受ける人が少なくないのだとか。「レストランへ行くと、前菜、スープ、魚料理、肉料理のように最初に全部の料理を注文する必要があります。一方、居酒屋では注文しながら食事をすることができ、食べ進めた時の気分で次の料理を決められる。そこにも人気の秘密があるようです」
東京の3大人気スポットは、お台場・東京湾・谷根千。
「僕が司会をしている『COOL JAPAN~発掘!かっこいいニッポン~』で紹介した、外国人観光客が東京で行きたいスポットアンケートでは、トップがお台場でした。景色やビーチ、実物大のガンダムがあること、そして屋形船に乗れることが人気の理由です。2位の東京湾は、海の上に浮かぶ『海ほたる』に行きたいという声が多かった。海外ではあまり見られない風景なのでしょう」。私たちが思い描く“ザ・東京”な観光地とは、やや違ったスポットが上位にランクイン。3位は、「谷中、根津、千駄木周辺エリアを総称する“谷根千”。『日本の昔ながらの風景を味わえる』という人が多く、散策をしたり写真を撮って楽しんでいます」
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電車で食べる喜びも。バリエーション豊かな駅弁に夢中!
地域によって異なる駅弁は、外国人観光客にとっても旅のお楽しみに。「海外では、地域や主要駅にちなんだ食材を使ったり、パッケージ化された食品は、ほとんどありません。もともと、何種類ものおかずが入った彩り豊かなお弁当は、『bento』という名前で知られるほど有名ですが、日本の地形にも人気の理由があります。コンパクトな土地でありながら南北に長く四季があり、各地の気候も細かく違うことによって、さまざまな特産品が生まれやすい。そうして、さまざまな駅弁が生まれたのです。また、新幹線や電車に乗って、移り変わる日本の風景を眺めながら食べるという体験も含めて、楽しんでいる人が多いようです」
こうかみ・しょうじ 作家、演出家。『COOL JAPAN~発掘!かっこいいニッポン~』の司会を担当。虚構の劇団『日本人のへそ』が5/15~、舞台『スクールオブロック』が8/22~公演。
※『anan』2020年4月15日号より。イラスト・佐久間 薫 取材、文・重信 綾 瀬尾麻美
(by anan編集部)