生ウニやチーズに胃袋がキュン…旬食材を楽しむ“フレンチ割烹”

2020.4.1
レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんの「今日、どこで何、食べる?」。今回ご紹介するのは、『Kamenote(カメノテ)』の創作フレンチです。
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新富町、八丁堀界隈は、ちょっとミステリアスな場所だ。近くに築地&豊洲市場があるから昼は賑わうが、夜は意外にもひっそりしている。その一画に、2月28日オープンしたのがフレンチ割烹『カメノテ』。居酒屋だった物件をそのまま利用しているからカウンターとテーブル席ともにサイズ小さめなのが可愛い。そしてメニューが興味深い。旬の食材をシンプルに調理し、ソースやスパイスでアクセントをつけるといった素材の良さを大切にしたスタイルだ。さらに生ウニ、チーズなどを使ったメニューが多いのも女子の好みを心得ている。その代表例は北海道産生ウニとブッラータチーズの前菜。海と乳製品の組み合わせが深い旨味を生みだしている。また厳選お造り4種1500円は魚好きの心をくすぐり、本日の混ぜご飯(ホタルイカと空豆)900円で締めはご飯でという人の食欲にもしっかり応えてくれる。

ちなみにオーナーシェフは、白いコックコート姿が爽やかな亀野篤史シェフ。専門学校からホテルに入り、基礎を学んでからパリで1年修業。食材をもっと知りたいと思い、帰国後は築地の仲卸で働いた。築地で飲食店の立ち上げを任され大成功させるが、「自分で料理したい」と独立。とても素直な料理に久しぶりに胃袋がキュンと鳴った。

アラカルトは1人前の分量。左前・北海道産生ウニとブッラータチーズ¥1,500(時価)、右奥・チャイロマルハタの炭焼き カラスミがけ¥2,400。魚も炭火で焼くと香ばしい。さらにカラスミを削って旨味プラス。野菜もたっぷり。右前・足利マール牛サーロイン炭焼き¥2,400。シェフが今推す、無名だけど旨い赤身牛。ワインはグラス¥800~。コース¥6,000~。

『Kamenote(カメノテ)』 東京都中央区湊3-13-1 鈴木ビル1F TEL:03・6280・3582 17:30~24:00(23:30LO) 月曜休

いぬかい・ゆみこ レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート

※『anan』2020年4月8日号より。写真・清水奈緒 取材、文・犬養裕美子

(by anan編集部)