冬には“夏野菜”がおすすめ!? 冷えと乾燥を脱するヒント

2019.12.4
見逃されがちな体に現れるさまざまなサイン。食事や生活習慣を改めて振り返り、冷えと乾燥、どちらに傾いているかをチェック! 明治国際医療大学教授・伊藤和憲さんに話を聞きました。

冷え? それとも乾燥? まずは今の状態を知る。あなたのタイプをチェック。

冷えタイプ

  • 食事が不規則である
  • 睡眠不足である
  • お風呂に入らず、シャワーだけで済ませてしまう
  • 目や口が乾きやすい
  • 肩こりや腰痛が強い

乾燥タイプ

  • 寝ても寝た気がしない
  • 朝、起きづらい
  • 花粉症などのアレルギー症状がある
  • 冷たいものを好んで飲む
  • 刺激物や辛いものが好き

チェックが多くついたほうがあなたのタイプです。
同数の場合は両方の症状を引き起こす可能性が。3つ以上あてはまる場合は、警告レベル。

舌にも、冷えと乾燥のサインが出ます。

2.5

東洋医学には“望診”という外見を目で見て判断する診断法があり、冷えや乾燥には舌の色が参考になる。「色の薄い淡白な舌や暗い紫色の舌は血液の循環が悪く、冷えている状態。紅い色の舌は乾燥しやすい状態。ただし熱が内側にこもって体が冷え、舌が紅くなる場合もあります」

3

舌苔の状態もまた、冷えや乾燥の望診の参考になる。「苔は胃腸の中の水分度合いを見ています。白い苔は水分が溜まって凍っているというイメージでこちらは冷えの状態。黄色い苔は刺激物などを食べて消化しようと、胃に消化液が過剰に送られ、熱が生じている状態。こちらは乾燥の指標です」

キーワードは自律神経のオンとオフ。冷えと乾燥から脱するヒント。

まず、ストレスからくる冷え対策は頑張りすぎている脳をリラックスさせること。いい香りに包まれたり、心地いい音楽を聴いたり、好きなアイドルの姿を眺めるなど、五感を刺激して脳をゆるめる。

「体を温めることも有効です。入浴時には必ずお湯につかる、下腹部や肩甲骨の間にカイロを貼るのもおすすめ。一日の終わりに副交感神経を刺激して脳と体のスイッチをオフにする習慣を」

乾燥の対策はこの真逆、一日の始まりの朝に交感神経の働きをオンにする。朝一番にラジオ体操をする、熱いシャワーをさっと浴びる、冷水で顔を洗う。適度な運動や日光を浴びるなど体をしっかり目覚めさせる習慣を身につける。

「とはいえ、冬の間、夏並みに暑い室内環境で過ごしている人は少なくありません。それによって自律神経の調節機能が低下している可能性があります。外は冬なのに体は夏の状態なので、熱がこもったり乾燥しやすくなります。この場合は外からは体を温めて、食事で中から体を冷やす。体の熱を抜くためにキュウリやトマトなどの夏野菜を取り入れるなどの工夫をすれば、上手に体調のバランスを調整できます」

いとう・かずのり 明治国際医療大学教授。鍼灸学部学部長。セルフケアの重要性を説き、女性が内側から美しくなるためのメソッドをセミナーなどで提供。鍼灸や痛み治療に関する著書も多数。

※『anan』2019年12月11日号より。写真・Getty Images 取材、文・石飛カノ

(by anan編集部)

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