実は“少女マンガ”的要素たっぷりの、動物群像物語。
「登場人物が動物ですが、基本はヒューマンドラマなんですよね。肉食動物と草食動物では、一般的には肉食のほうが強いとされていますが、この物語の中では、肉食のほうが肩身が狭く生きづらい。みんなが仲良く生きるために作られたルールでは、特に肉食動物は、本来あるべき本能的な姿では生きられないんですよ。そこにジレンマやズレが生じるわけですが、その生きづらさって、人間が社会で生きる上で感じる、個人としての考えと社会のルールの板挟み感みたいなものと同じなんじゃないかな、と思います」(松見さん)
主人公はハイイロオオカミのレゴシ・17歳。彼より年上だが体はとても小さいドワーフウサギのハルとの恋模様を中心に、学園で起こる殺傷事件の謎を追う物語。動物を描くにあたり、スタッフ一同動物園にも足を運び、熱心に観察したのだそう。
「群馬のサファリパークにみんなで行ったのを皮切りに、個人的にもあちこちの動物園に行きました。我が家にいる愛犬をいろんな角度から眺めて、レゴシの毛並みを描く参考にしたりもしました(笑)。でも、あまり本物との整合性ばかり気にしてしまうと、作品の持つ魅力を見落としてしまうので、そっちに引っ張られすぎないように注意をしつつ、キャラをデザインしていきました」
と、キャラクターデザインの大津直さん。大津さんは『宝石の国』で作画監督を務めています。
アンアン読者に見どころを…と伺うと、監督から意外な答えが!
「原作のコマ割り、情緒の描き方、モノローグが多い構造、そして男の子2人(匹)の間に女の子がいて、その女子と関わり男子が変わっていく物語も、実は少女マンガそのもの。少年マンガの殻をかぶった少女マンガ(笑)。あるいは、ヴァンパイア物なんかのロマンス小説にも通じる。アンアンを読む方に響く作品だと思うんです。そういった原作の魅力を入れ込むべく、監督は僕のようなおじさんですが、脚本には20代の女性に参加してもらいました。映像も美しさを意識して作っているので、ぜひ見てほしいですね」(松見さん)
板垣巴留(ぱる)先生から Specialコメント
「最初にアニメ化の話が来たときは、正直全然想像ができなかったのですが、松見監督やキャラデザの大津さんがマンガを読み込んでくださり、私の考えが及ばないようなところに関しても質問をしてくださったりしたので、とても光栄で、本格的にプロジェクトが動いていくにつれ、期待値がどんどん上がっていきました。アニメを初めて見たときには、キレイな映像の中で、精巧に作られた動物のキャラたちが、私が考えマンガに書いた言葉を喋っていたので、思わず爆笑してしまいました。ただそれは照れ笑いというか…(笑)。いずれにしても、素晴らしい体験でした。Netflixで海外でも配信されるということなので、外国の方々にも楽しんでもらえたら嬉しいです!」
『BEASTARS』 10/9より、フジテレビ「+Ultra」枠で、毎週水曜24:55より放送。また一足早く10/8よりNetflixにて世界190か国へ配信開始。2話以降は毎週木曜日の配信。原作は、『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)で連載中。©板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS製作委員会
※『anan』2019年10月16日号より。写真・中島慶子(本)
(by anan編集部)
♡ポケモンGOがランニングをサポート!お得なモードはこれだ!
[gunosy]
#男の本音 について、もっと深く知りたい![/gunosy]