s**t kingzが“踊る絵本”を出版! 登場人物はメンバーに似た動物?

2019.6.6
ダンスで世界を魅了する男たち。キャラクターもダンススタイルも違う4人が世界に名を轟かすチームとして活躍するs**t kingz。なんとこのたび、新感覚の<踊る絵本>を出版!
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Talent

4人の個性が反映された4匹の動物たちの冒険譚。

三浦大知さんやSHINee、EXOなどの振付を手がけるほか、エルメスのファッションショーに出演しパフォーマンスを行うなど、日本のみならず世界から注目を集めているダンスパフォーマンスグループ・s**t kingz(通称・シッキン)。いまやダンスという枠組みにとらわれることなく、オリジナル&フリーダムな活動スタイルを開拓する彼らが、また一歩新たな扉を開いた。

「昨年、シッキンとして『The Library』という舞台のツアーを行ったんですね。図書館を舞台にした公演だったこともあって、いつか僕らの本が図書館に並んだらいいねと話していたのが実現した形です」とは、リーダーのshojiさん(以下、s)。そこから、どんな本を作るのが最もシッキンらしいかを4人で話し合う中で辿り着いたのが絵本。

「最初に絵本っていうワードが出た時に、めちゃくちゃしっくりきたんです」(kazukiさん・以下、k)。「写真よりも絵で、漫画よりもっとシンプルな言葉で伝える絵本って、セリフなしのシンプルなものを目指している僕らの舞台と近い気がしたんですよね」(NOPPOさん・以下、N)

そして完成したのが、『あの扉、気になるけど』。グリム童話の「ブレーメンの音楽隊」をベースにした今作は、いつも楽しそうなことを探し歩いているネコが、ロバ、犬、ニワトリと次々出会い、彼らを誘って、丘の上に見える扉の向こうを目指し冒険に出かける。実はこの物語には、それぞれダンサーとしてソロで活躍していた4人がシッキンを結成するまでの経緯が重ね合わされている。

「最初にダンスチームを作ろうと4人を集めたのがkazukiなんですよ。僕らが何かで迷った時に、『やれるんじゃない?』って、前進する言葉をくれるのもそう。まさにこの作品に登場するネコそのもの」(Oguriさん・以下、O)。「普段も気ままで自由で、kazukiはそこもネコっぽい。Oguriは真面目で、まさに犬だし、NOPPOはのんびり屋さんのロバにぴったり。僕は臆病な性格で、ずっとダンスをやりたいと思いながら決断できずにいた人。メンバーに背中を押されていまがあるんですけれど、ニワトリには、そんな自分が反映されている。4人がそのままキャラクターになっているんです」(s)

普段の舞台を作るのと同じように、4人でざっくばらんにアイデアを出し合い、そこに編集者や構成作家が加わって、ストーリーを完成させていったそう。「自分ひとりではできないと思っていたことが、ネコから『なんでやらないんだ? 君ならできるよ』って言葉を投げかけられて、仲間とならやれるかもしれない、という方向に気持ちが変わっていく。仲間っていいなって思うし、食わず嫌いでいるばかりじゃなくて、ちょっと頑張ってみようかなって思える。少しでも、ポジティブに明日に向かう支えになってくれたらなと思います」(N) 

そんなストーリーをより魅力的に見せてくれているのが、ユーモラスな中に素朴な優しさを感じさせる絵の存在。これはメンバーのNOPPOさんの手によるものだ。「以前から絵が上手いのは知っていて、誰に絵をお願いしようかという時に、『NOPPOが描きますよ』って軽いノリで言ったんです。そしたら、実際に上がってきたものが、すごく素敵な絵で驚きました。これは僕の個人的な感想ですが、絵に愛があるんで、NOPPOはうちらのこと大好きなんだと思います(笑)」(s)

そんな厚い信頼を寄せられているNOPPOさんだけれど、本人は当初、「無茶振りだと思った」と苦笑。なにせ、「絵の具を使って描いたのは小学生以来」だったとか。「僕らが見ていたのは、NOPPOがホワイトボードに描いた落書きなんで、確かに無茶振りといえば無茶振りだったかも(笑)」(k)

しかし、「実際に描き始めたら楽しかったし、絵を描くのが好きなんだとあらためて気づいた。背中を押されてやってみたら、思ってもみなかった自分の世界が広がった。まさにこの絵本の話の通りなんですよ」(N)。「NOPPOの絵のすごいところは、物語の世界を、上からだったり横からだったり、いろんなアングルから描いているところ。絵が上手いだけじゃなく、イマジネーションが働く人じゃないと思いつかない構図だし、視点がいろいろ変わることで作品の世界観がより広がった気がします」(O)

実はもうひとつ、この絵本にはシッキンらしい仕掛けがある。絵の中にQRコードが埋め込まれていて、それをスマートフォンで読み取ると、物語と連動したオリジナルダンス動画を観ることができるのだ。それぞれ自分のキャラクターをイメージし創作したソロに4人で踊る2本を加えた計6本!

「僕らが作る本だから、何かしらの形でダンスは盛り込みたいということはメンバー全員から出ていたアイデアだった」(s)「ソロは、それぞれが4人ではできない自分の得意分野を出していますから、シッキンの舞台を観ている方にも新鮮に感じていただけるはず」(k) 

ひとりひとりに、ソロのダンスの見どころを教えてもらった。「ニワトリさんのつねに臆病で、飛びたいのに飛べない自信のなさをダンスに盛り込んでいます。その切なさと、みんなとなら何かを成し遂げられる、という希望の部分が伝わるといいですね」(s)「ネコは気ままなキャラクターなので、自由さを表現したくて部屋をフラフラしたり、アクロバットを入れてみたり。のびのび踊るイメージで作りました」(k)「イメージは、“右手くん”とのんびりロバの奮闘。僕自身、ストリートダンスにミュージカリティを交ぜたものが好きなので、曲も含め、少しドラマ性を感じさせる世界観を意識しました」(N)「犬は、時間にシビアでせっかちゆえに早く来すぎてしまうようなキャラクター。バカがつく真面目さが逆にコミカルに見えたらなと思っています」(O)

そして何より圧巻なのが4人でのパフォーマンス。広大な自然の中で楽しげに踊る4人の躍動感あるダンスは、シビレるほどカッコいい。この撮影では、幸運を引き寄せる彼らのパワーが発揮される出来事もあったそう。「撮影前日、めちゃくちゃ天気が悪い上に、すごく寒かったんですが、翌日は雲ひとつない青空。しかも道での撮影では、カメラが回っている間、車がまったく通らず、日が沈むギリギリのタイミングで綺麗な夕焼けも見られた。時間がない中での撮影だったのに、最高の動画になりました」(O)

メンバーが心がけたのは、文章ですべてを説明するのではなく、「絵を見て、文字を読んで、ダンスを見て、想像力を自由に働かせられるものに」(N)ということ。「絵本だけ読んでいただくこともできるし、逆に、元気になりたい時に動画だけ観ていただいてもいい。いろんな楽しみ方をしていただけたら嬉しいです」(s)

シッキンは、つねに新しい可能性に挑戦していける場。

結成から11年。個々がソロアーティストとして活躍しながらチームとしての活動を続けている彼ら。取材の中で気づくのは、彼らのメンバーへの深い信頼と、s * *t kingzに対する愛。全員が、義務感ではなく、4人でいることを心から楽しんでいるのだ。「それは、自然に成り立ったチームだからだと思います。友達として出会って、いつの間にか一緒に踊る機会が増えて、気づいたら4人でいるのが居心地よくなって、その関係性がいまも続いているんです」とshojiさん。Oguriさんも、「やりたいことを素直にやれるし、時には自分が予想もしなかった方向に進んでいくのも面白い。いろんな可能性を感じられる場」と語る。

つねにポジティブな思いで続けてこられた訳は、「ずっと同じことを続けてきたというより、扉を開けたらまた次の扉があって、新しいことに挑戦してきた11年だったから」(k)「ダンスという素地を大切にしつつも、その枠にとらわれずに、いろんな表現を無限に追求していけるのがシッキンなんです」(N)

ダンスチームながら絵本を手がけたのも、そんな挑戦のひとつだ。「かつて、一度、目標を決めようっていう話が出たことがありました。でも話していくうちに、なんか違うなってなったんです。目標を決めたら、そこを目指していかなきゃいけないけれど、それってシッキンらしくないなって気づいたんです。僕らは、あてどもなく山を歩いているだけ。その時どきに出会う人たちが“どこでもドア”を持ってきてくれて、面白そうだからやってみようかというスタンスで、そのドアを開いていっている感覚」(s)。「この絵本をきっかけに、今度は絵とパフォーマンスを組み合わせた作品なんかも面白いなと思っています」(N)

さらなる次の展開にも期待大だ。

シットキングス アメリカ最大級のダンスコンテストで‘10年・‘11年の2年連続優勝し、世界から注目される。‘13年より舞台公演を開始。昨年の『The Library』ツアーは全国7都市30公演を行い好評を博した。6/8(土)・6/9(日)、shoji&Oguriがスパイラルホールでの朗読×ダンス公演『My friend Jekyll』に出演。

NOPPOさん・ジャケット¥120,000 シャツ¥36,000(共にアミ アレクサンドル マテュッシ/アミ オモテサンドウ TEL:03・5778・4472) パンツ¥102,000(ニール バレット/ニール バレットギンザシックスTEL:03・3572・5216) シューズ¥13,800(ドン ぺぺ/スタジオ ファブワークTEL:03・6438・9575) ベルト¥19,000(ニードルズ×マーティンF./ネペンテスTEL:03・3400・7227) バングル¥50,000(アイブイエックスエルシーディーエム/IVXLCDM 六本木ヒルズTEL:03・6455・5965)

Oguriさん・シャツ¥27,000(アトリエ ベトン/スタジオファブワーク) トレンチコート¥61,000(ジョンメイソン スミス) パンツ¥24,800(バーンストーマー) バングル¥24,000(トゥエンティー エイティー)以上HEMT PR TEL:03・6721・0882 シューズ¥65,000(パラブーツ/パラブーツ青山店TEL:03・5766・6688) ハンチング¥16,000(カンゴール/カンゴール ヘッドウェアTEL:03・6805・1272)

shojiさん・ジャケット¥46,000(ネサーンス/エリオットTEL:03・5708・5757) シャツ¥26,000(ニードルズ/ネペンテス) パンツ¥39,000(サイ/マスターピースショールームTEL:03・5414・3531) サンダル¥34,000(パラブーツ/パラブーツ青山店) ハット¥300,000(ボルサリーノ/ボルサリーノ ジャパンTEL:03・5413・3954) ブレスレット¥27,000(トゥエンティー エイティー/HEMT PR)

kazukiさん・ジャケット¥47,000(ワンダーランド/ノットワンダー ストアTEL:06・6110・5466) シャツ¥15,000(エンハーモニック タヴァーン/スタジオ ファブワーク) パンツ¥28,000(ギャルリー ヴィー/トゥモローランドTEL:0120・983・522) シューズ¥22,000(ティンバーランド/ティンバーランド/VFジャパンTEL:0120・953・844) スカーフ¥9,000(エンジニアド ガーメンツ/エンジニアド ガーメンツTEL:03・6419・1798) ベルト¥27,000(ニードルズ×マーティンF./ネペンテス) ブレスレット¥22,000(トゥエンティー エイティー/HEMT PR)

s**t kingz初プロデュース『あの扉、気になるけど』 QRコードを読み取ればダンス動画も楽しめる。s**t kingzの4人を思わせるネコ、ロバ、犬、ニワトリが、丘の上の大きな扉を目指す物語。世界的名作「ブレーメンの音楽隊」をベースにしたオリジナルの愉快な冒険に合わせて、ここでしか見られないハイクオリティなダンス動画が見られる仕掛けも。大興奮必至。見て、感じて、踊りたくなる新感覚の<踊る絵本>。マガジンハウス 1852円

※『anan』2019年6月12日より。写真・小笠原真紀  スタイリスト・森田晃嘉 ヘア&メイク・外山龍助(KIDMAN) 取材、文・望月リサ

(by anan編集部)

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