松坂桃李初の時代劇主演!『侍戦隊シンケンジャー』から10年

エンタメ
2019.05.15
シリーズ累計2000万部を突破した佐伯泰英氏の人気時代小説『居眠り磐音(いねむりいわね)』が映画化された。凛々しい侍姿で主人公の坂崎磐音を演じたのは、松坂桃李さん。じつは時代劇主演は初めてだというが、自身の胸中には、ある思いがあったのだそう。

好きな人と一生会えない悲しさはある種美しい。

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「俳優デビュー作のドラマ『侍戦隊シンケンジャー』からちょうど10年で、時代劇で侍をやることになったので、1周回って不思議な縁を感じました(笑)。もう1回、侍に戻るというのがうれしくて、最初はそんな意気込みから入りましたね」

物語の舞台は江戸時代。ある事件により琴平(柄本佑)と慎之輔(杉野遥亮)の2人の大切な幼なじみを失ってしまった磐音は、許嫁の奈緒(芳根京子)を残して脱藩し、すべてを失って浪人の身となった。長屋の主人の紹介により昼は鰻屋、夜は両替屋の用心棒として働き始める中、幕府が流通させた新貨幣をめぐる陰謀に巻き込まれていく。

「磐音は、普段はおっとりした性格で周りに流されやすい男。でも、守るべきものに危険が及ぶと、剣客として腕前を発揮する。磐音を演じるにあたり、その空気がガラリと変わる緩急をまず大事にしなければいけないと思いました。それから、佑さんとは8年ぶりの共演になるんですが、日頃からプライベートの付き合いがある中でこうやって共演できてうれしかったですね。立ち回りのシーンでは、剣のひと振りがひとつのセリフになっているように感じて、言葉はなくてもこんなに会話できるのかと知れたのも、相手が佑さんだったから」

時代劇映画と聞くと、アンアン世代は難しそうだと思うかもしれない。

「僕もはじめは、距離があるかも…と思いました。携帯電話がない時代、気軽にやりとりができないからこそ、感情が高まる瞬間があったり、危ないことがあったら剣で斬るしか手段がなかったり。いつでも死と隣り合わせだという葛藤は、現代劇にはないですから。でも実際に演じてみると、今の僕たちにも共感できる感情も多いし、例えばお互いに生きているのに好きな人と一生会えない悲しさみたいなものは、ある種美しいし素敵だなあと憧れました。それから、言葉の使い方もそうなんですが、ひと言を発するまでの“間”に、緊張感や思いの強さが込められているというのがわかると、ますます時代劇って面白いんです」

磐音は、時代劇の新たなヒーロー像にもなりうると松坂さん。

「武士や侍って、剣を抜いていなくても鋭さが漂っているイメージだったから、普段はなかなかのお人好しで、一度剣を抜けば優秀な剣客だという磐音のギャップは新しいと思います。時代劇とはいえ、物語もシンプルでわかりやすく、テンポもいい。時代劇初心者にもきっと楽しんでいただけると思います。僕自身も、この先40代になっても時代劇に参加できる役者でいたいですね」

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『居眠り磐音』 普段は温厚な磐音は、独特なスタイルながら剣の腕前は一流。浪人となり江戸で出会った大切な人々を守るため、悪に立ち向かう。出演/松坂桃李、木村文乃、芳根京子ほか 5月17日より全国公開。©2019映画「居眠り磐音」製作委員会

まつざか・とおり 1988年10月17日生まれ。ドラマ『パーフェクトワールド』(CX系)放送中、映画『新聞記者』は6月28日、『蜜蜂と遠雷』は10月4日公開予定。

ジャケット¥48,000(オーラリー TEL:03・6427・7141) シャツ¥48,000 パンツ¥58,000(共にフランクリーダー/マッハ55リミテッドTEL:03・5413・5530) シューズ¥44,000(フット・ザ・コーチャー/ギャラリー・オブ・オーセンティックTEL:03・5808・7515)

※『anan』2019年5月22日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・小林 新(UM) ヘア&メイク・高橋幸一(Nestation) インタビュー、文・若山あや

(by anan編集部)

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