
MCを務められるAwichさんにインタビュー。
2025年の年末にNetflixで配信されると、国内外で話題になったヤンキー恋愛リアリティショー「ラヴ上等」。シーズン2となる本作は、沖縄を舞台に社会のはみ出し者として生きてきた男女9人がガチの「愛」を学ぶ。日本のヒップホップシーンを牽引するAwichさんが、新MCとしてこの番組から受け取ったものとは?
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ついていけないぐらい展開が速い。その理由は…
── MCが決まった時、MEGUMIさんと自宅で語り合ったのだとか。
シーズン1は、視聴者としてクリスマスの日に友だちと鑑賞会をしたんです。恋リアは挫折してしまうものも多いのですが、『ラヴ上等』は一気に見ちゃいましたね。だからお声がけいただいて嬉しかった。
今回は私の故郷の沖縄が舞台で、自分はアウトローの代弁者としてのオファーだったと思うんですけれど(笑)。だからこそ本気で取り組みたくて、MEGUMIさんと語る会を設けてもらいました。HABUSHを3本あけるぐらいじっくり話せたので、安心して収録に臨めました。
── シーズン2でも、初手からセキュリティスタッフが登場しましたね。
そうですね。すぐ手が出ちゃうから、止めに入らないと。
── 拳だけではなく、会ってまだ数時間のうちにトラウマを語りだして…。
ついていけないぐらい展開が速かったですね(笑)。
でも、あれは番組だからと いうよりも、「明日会えなくなるかもしれない世界で生きてる」感じが出ていたんだなと思います。ヤンキーの世界だと、命もそうだし、捕まったりするじゃないですか。
私自身、夫が捕まったり、銃撃されたり、突然会えなくなる日々を経験してきたから、「今、本音を言わないと、絶対に後悔する」と考えてしまうので。
男子部屋にカチコミ。「男より漢」な女子たち

ある出来事を詰め寄る女性陣。
── 懐かしい感じはありましたか? Awichさんはアメリカでも青春時代を過ごしていたと思うのですが…。
ありましたね(笑) 。アメリカだと「ヤンキー」ではなくて「ストリート」とか「アウトロー」みたいなジャンルになると思うのですが、日本の子たちと精神性は近い。
みんな個人のルールを優先してしまうから、喧嘩したり暴れたり、はみ出し者になってしまうというか。でも彼らはそのことを自覚していて、だからこそ「自分でやったことには責任をとらなきゃ」と思ってる。責任を取るために「筋を通す」ことを大事にしてるんですよね。「そこをとったら何が残るんだ?」という意識がある。悪いことをしたら責任を取るし、贖罪しようとする。本物の悪とは違うところにいる人たちだと思います。
── 確かに「筋を通す」という単語が頻出でした。
そうですね。男性性をこえた精神性としての「漢」を美徳としてますね。「筋を通すのが漢=魅力的な人」みたいな。るるが「外形は誰でも作れる。心を見てる」みたいなことを言ってて、「かっけーな!」と思いましたもん。
── 前回から引き続き、ラッパーのキャストが参加していました。ヤンキーとヒップホップは近いものがある…?
イコールではない。でも、似てるところはある。ヒップホップって、厳しい環境下で生きている人たちが、反骨心とか贖罪、悲しみ、怒りを自分の言葉にしていく文化なんですね。自分以外の言葉を使うとヌルくなる。ルールの外にはみ出してしまった人たちが、自分のストーリーや魂を言葉にしていくという意味では、ヤンキーに近い気がします。みんな、自分の言葉を持ってるし。
── 共同生活内では「女って男より漢」という発言も出ていましたけど、今回は女子が男子部屋にカチコミに行ったり、女の子たちが強かったですね。
恋リアなのに、女子たちが男子に説教しにいくのはびっくりしましたね(笑)。中盤で、男女がバチバチに喧嘩していて、「何を見てるんだろう? 恋リアだよね?」となりました。でも、説教とか喧嘩した後にすぐ恋愛モードに変わるんですよね。
── 説教されたら恋心がしぼみそうなのに。
彼らは素直に「この言い方は気に食わなかった」とか「ごめん」って言い合えているんですよね。「起きてしまったこと」を引きずらない。この切り替えの速さが、「説教即恋愛」にさせたんじゃないかな。恋をすると、「いいところしか見せたくない」「常に笑顔でいなきゃ」みたいな気持ちが芽生えるじゃないですか。でも、人間は本来多面的なんですよね。ためらいなく全力でさらしあっていたから、短時間で恋が芽生えていったのかも。

『ラヴ上等』といえば、恒例のサウナシーンも。
「暴露系アプローチって有効なんだ」新鮮な恋愛術
── Awichさんが特に印象的だったメンバーは誰でしょう?
まりりん。彼女は過去の傷もあって、最初の方はうまく立ち回れないんですよね。でも、いろいろな衝突を経て、だんだん自分を確立させていく。番組を通して成長が見られる存在だったので、応援したくなりました。共同生活で一番応援したくなったし、成長を感じさせてくれたのがまりりん。
あっすんやるるは最初から強いじゃないですか(笑)。ああいう子は確定で大好きですけれど、種類が違う。
── 恋愛では定番の「安心させてくれる人」と「おもしろい人」の間で揺れる場面もありました。Awichさんはその2択をどう捉えてますか?
それぞれに良さがある気がしますね。たいてい「安心をくれる男を選んだ方が幸せになれる」みたいなアドバイスを聞きますけど、それは自分が「今、どんな恋愛をしたいのか?」という話でしかない。精神の支柱になる存在を求めたいときもあるし、華やかで刺激的な人の近くにいるだけで満たされる気持ちだってあるわけで。
一方的に搾取される恋愛はよくないけど、多少火傷してもいいから刺激を求めるのだって悪くない。そういう時期だった、みたいな。

「恋愛の前に、人間として全力でぶつかる」ヤンキーの生き様から思い出したこと
── 最も心に残ったシーンはどこですか?
るるが、男の子に「私は絶対浮気するから」と宣言しちゃうところが好きでしたね。普通に考えたら、これから恋愛する状況なんだから、そんなこと言わないほうが良いはずなのに、言っちゃう(笑)。私も自分の過去とかは包み隠さず気になる人に言うタイプなので、なんとなく彼女の気持ちがわかるのですが……。
── どんな気持ちですか?
「選ばれない」リスクをとってるんですよね。覚悟っていうのかな…。多分、るるは「ありのままを愛して欲しい人」なんだと思うんですね。誰だってそういう気持ちはあると思うんですけど、あれだけ潔く「今の自分は未熟ですが、それでも私を愛せますか?」という姿勢はなかなかとれない。さらに、るるは「私は今この人に矢印が向いてる」みたいなことを男女関係なく、包み隠さず公表していく。
男の子たちも、そういう面を全部知ったうえで「俺だったら大丈夫」っていうマインドになってる。爽快感がありました。暴露系アプローチって有効なんだっていう新鮮な発見がありましたね(笑)。
── 出演者たちを見ていて、自分自身への学びはありましたか?
恋愛の前に、人間として全力でぶつかって、その後にがっつり恋愛する。全身全霊でぶつかってるからこそ切り替えられる。
恋愛モードになると、本音をなかなか言えなくなったりすると思うんですけど、そこでぶつからないと、引きずることが増えていくのかもしれないな、と彼らを見て思いました。今を全力でぶつけ合う。そういう生き様が、かっこいいんだって思い出せました。

Profile
Awich
エーウィッチ 1986年、沖縄生まれ。2006年に渡米し’07年にデビュー。翌年、米国人男性と結婚、出産を経験。夫の他界後に帰国。2020年にメジャーデビューし、高い評価を得る。Netflixリアリティシリーズ「ラヴ上等」シーズン2では、MCとして出演。
information

ラヴ上等2
Netflixによる日本初・ヤンキーの男女たちが血気盛んに繰り広げる純愛リアリティショー。2025年12月にシーズン1が公開されると、国内外で話題に。8月4日から独占配信がスタートするシーズン2では、沖縄の「羅武上等マリーンアカデミー」にて男女9人が共同生活を送りながら真実の愛を探す。日本各地から集結したヤンキーたちが、本能剥き出しでぶつかり合う。
Netflixリアリティシリーズ「ラヴ上等」シーズン2独占配信中
配信スケジュール:8月4日(火)エピソード1〜4、8月11日(火)エピソード5〜7、8月18日(火)エピソード8〜10































