え、連ドラ初主演? 東出昌大が「身を削りながら演じる」覚悟のドラマ

2019.5.8
映画『64-ロクヨン-前編/後編』をはじめ社会派の名作を数々生み出してきた名匠・瀬々敬久監督が、『連続ドラマW 悪党 ~加害者追跡調査~』でメガホンをとった。主演に抜擢されたのは、東出昌大さん。連ドラの主演は、意外にもこれが初。

わかりやすいお芝居はせずやりたいように散々やらせてもらいました。

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「僕が演じるのは、松重(豊)さん演じる木暮が所長を務める探偵事務所で働く佐伯という男。犯罪がらみの依頼を受けては解決していくのですが、じつは佐伯自身も幼いころに姉を殺された被害者遺族で、犯人への復讐心を抱えながら生きてきた。だから最初にこの作品のお話をいただいた時は、身を削りながら演じることになるだろうな、と覚悟しました。その後、クランクインするまでに様々な事件を記録したノンフィクションや、被害者側、加害者側の手記などを読み漁って思ったのは、このドラマを佐伯のような境遇の人たちに見てほしいとか、何かを伝えたいなんて簡単に言えるわけがないってこと。やるからには腹を据えて、堂々とぶち当たっていかないといけない。そのために佐伯でいる間は、姉が殺され人生が一変してしまったという事実を忘れずに居続けようと意識していました」

撮影は、リアルを追求する瀬々監督ならではの手法で進められた。

「たとえば、台本に書かれた“睨みつける”ひとつとっても、睨むではなく睨みつけちゃうと“お芝居”になっちゃう。そんな不自然な行動やセリフ、セリフのあとに勢いでつけた『!』のマークは斜線ですべて消して“お芝居をさせない”のが瀬々さん。言い回しが変わっても、その人物の言葉になっていることを優先するんです。ドラマって映画とは画面サイズが全然違うから、わかりやすく見せたり、時には大きな表現を求められるけど、今回は僕も“わかりやすいことはしない”という、やりたかったお芝居を散々やっちゃって、大丈夫だったかなって心配(笑)」

瀬々×松重のベテランコンビの実力も目の当たりにしたという。

「20年以上前から一緒に作品を作ってこられたお二人なので、瀬々さんは松重さんの心の奥に住みついている悪魔的な部分を相槌一つでひゅっと顔出させたりもする。またそんな松重さんのお芝居が非常に恐ろしくもあり、間近で見ることができて嬉しく思いました。探偵ものだからって、わかりやすいハードボイルドではありません。もがき苦しむ中に差す一筋の光を描いた、瀬々さんならではの描写が大きな見どころです」

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薬丸岳の傑作ミステリーを連続ドラマ化。主人公・佐伯が自らの過去と、忘れることのできない犯罪に向き合い、葛藤する様を描く。出演/東出昌大、松重豊、新川優愛ほか 5月12日よりWOWOWにて放送開始(毎週日曜22時~。全6話。第1話無料放送)。©2019 WOWOW INC.

ひがしで・まさひろ 1988年2月1日生まれ。昨年4月クールに放送されたドラマ『コンフィデンスマンJP』が映画化。5月17日より公開ほか、SPドラマが5月18日21時~放送。

※『anan』2019年5月15日号より。写真・森山将人 スタイリスト・及川泰亮 ヘア&メイク・AMANO インタビュー、文・若山あや

(by anan編集部)

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