国籍や文化が違っても女子は女子。異文化交流マンガ、注目の完結!
『サトコとナダ』はユペチカさんの留学体験に基づいているものの、あくまでもフィクション。しかしサトコが当初抱くムスリム女性への先入観は、ユペチカさんの気持ちを代弁もしている。
「ニカブ(目以外を覆うベール)を着ていると、それだけで違う世界の人だと思ってしまうじゃないですか。だけど実際に仲良くなってみると、私たち日本人よりも自己主張が強かったり、あけすけなところがあったりして衝撃を受けたんです」
サトコとルームシェアをするのは、サウジアラビア人のナダ。ホームパーティでセクシーな格好をしたり、アプリを駆使して礼拝を行ったりなど、序盤はイスラム文化とその意外な一面を紹介する内容がメイン。2巻目以降はナダにお見合い話が浮上し、より物語性を帯びてくる。
「お見合い結婚をさせられると聞くと、私たちはマイナスイメージを持ってしまいがちですけど、そうやって幸せに暮らしている方にもたくさんお会いしたので、プラスの面も伝えたかったんです。最終的には“イスラムだから”とか“サウジアラビア人だから”というのではなく、サトコとナダ、それぞれの生き方を見せたいと思っていました」
生まれた国や文化、宗教などまるっきり違うふたりが、たまたま一緒に住むことになり、お互いの違いを認め合いながら友情を育んでいく姿は尊く、何より楽しそうなのがいい。
「ほんの少しでも世界が優しくなるといいなと考えながら、いつもこの作品を描いていました。マンガでイスラムを扱うことはチャレンジングではありましたが、私自身も本当にいい夢を見させてもらいました」
イスラム文化への純粋な興味から読み始めるのもよし、友情物語として読むのもよし。世界の広さ、価値観の多様さを感じながら、最後は清々しい気持ちに包まれるだろう。
『サトコとナダ』4 監修・西森マリー アメリカで留学生活を送る日本人のサトコと、ムスリム女子・ナダのルームシェアの日々を描いた4コママンガ。留学生活が終わりに近づく、感動の最終巻。星海社 640円
ユペチカ マンガ家。Twitterに趣味で投稿していた本作が注目され、WEBマンガサービス「ツイ4」で連載をスタート。「このマンガがすごい!2018」オンナ編第3位に選ばれる。
※『anan』2019年3月6日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子
(by anan編集部)
※500円を積み重ねる資産運用!ズボラ女子のための楽しんでお金を増やす方法
[gunosy]
#恋愛 について、もっと深く知りたい![/gunosy]