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ロロの“いつ高”シリーズ最新作 上演時間が60分のワケは…

2018.3.25
何もない空間にドラマが立ち上がる60分間の清新な演劇体験。いつ高シリーズvol.5、『いつだって窓際でぼくたち』。
STAGE

“学生演劇”と聞いて、道徳めいた退屈なものだと思う人は少なくないんじゃないだろうか。そんなイメージを持つ人にこそ観てほしいのが、近年、気鋭の劇団として注目を集める「ロロ」の三浦直之さんが手掛ける『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校(通称:いつ高)』シリーズ。上演時間60分。その前の10分間でセットを仕込む高校演劇のコンクールのルールに沿って上演されている公演だ。

「何年か前から審査員として高校演劇を見るようになって、60分で上演できる既成の戯曲が少ないことを知ったんです。なかにはネットから拾ってきたような戯曲を使う学校もあるくらい。もっと彼らの選択肢を広げられないかと思ったんです」

そこには三浦さん自身が「10代の頃に触れてきた映画や小説、アニメなどのさまざまなカルチャーに救われてきた」という自覚があるから。

「もともと僕は映画が撮りたかったんです。でも例えば宇宙を舞台にしようとすると映画では尋常でないお金がかかりますよね。でも演劇だったらちょっとした言葉や空間のアイデアだけで、映画と同じスケール感を見せることもできる。空っぽの空間に窓枠を置くだけで内と外が区切られて、その脇に立つ人の目線ひとつで、窓の向こうの景色が見えてくる。少しの工夫で、観客の頭の中に目に見えるもの以上の世界を見せられる、演劇の原理的な面白さも立ち上げられたらと思っています」

本シリーズは「連作短編小説のスタイル」で繰り広げられる連作群像劇。作品ごとに主人公を変え、さまざまな目線から、学校内で起きる出来事が紡がれていく。それは時にユーモラスに、時にセンチメンタルに。

「高校演劇によくあるのが、葛藤を乗り越えて教訓めいたもので終わるパターン。でもそうじゃなくても演劇って立ち上げられるし、人の心を動かすことができるんです。僕は小説も好きなんですが、ただ人がいて、彼らが一緒の時間を過ごしているだけの様子を書き繋いだ小説に、僕自身が感動した経験があるんです」

三浦さんが描き続けているのは“人と人との出会い”。

「全然別のモノ同士が出会って物語が生まれる。演劇は、俳優や作り手と出会う場所。出会うことで何かが生まれるのって面白いですよね」

みうら・なおゆき 1987年生まれ。宮城県出身。’09年にロロを立ち上げ、全作品の脚本・演出を担当。’15年に『ハンサムな大悟』が岸田國士戯曲賞にノミネートされ注目を集める。

3月23日(金)~31日(土) 早稲田小劇場どらま館 脚本・演出/三浦直之 出演/板橋駿谷、亀島一徳、重岡漠、新名基浩 一般3000円(当日3500円)、U‐25 2500円(当日3000円)、高校生以下無料 特設サイト http://lolowebsite.sub.jp/ITUKOU/

※『anan』2018年3月28日号より。写真・村上未知 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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