「むくみやすい」「尿に異変が…」 腎臓のチェック法を医師に聞きました!
腰のあたりに左右1つずつある空豆のような形の腎臓。そのメカニズムにはまだ謎も多いのだとか。
「腎臓は毎日、排泄する尿の100倍もの血液を処理するフィルターです。また、血液の状態を常に把握して足りないものを作る指示をしたりと、生命活動にとても大事な臓器です。一度壊れるとなかなか元に戻らないので、フィルターが目詰まりしないよう、水分補給や適度な運動で血流を良くすることが大切です」(上符先生)
むくみやすいと感じたり、尿に異変があったら腎臓の不調かもしれない。「健康な尿は薄い黄色なのですが、茶色に近い色だったり、反対に無色透明なのもよくありません。また、尿が泡立っているのはタンパク質が出ている証拠で、甘い匂いがするのは糖尿です。通常はさほど尿に出ないタンパク質や糖が出ているのは、腎臓が弱っている証」(上符先生)
健康診断で腎機能をチェックするには、血液中のクレアチニンや尿素窒素(BUN)の数値を参考に。どちらも尿と一緒に排出される不要な老廃物だが、血液中の値が大きいほど、腎臓の機能が弱まっている可能性がある。
【腎臓はこんなことをしている!】
血液を濾過して尿を作る
1日の平均的な尿の量は1.5~2lといわれるが、腎臓にはその100倍もの血液が流れ込み、糸球体というフィルターで濾過をしている。体に必要な栄養分や水分は再吸収して血液に戻し、老廃物は尿として体外に排泄される。
体内の塩分量を調整
ナトリウム、カリウムなどの電解質を一定に保つのも腎臓の役目。血圧をコントロールしながら、体内の水分量と塩分量のバランスを保つための調整もしている。これがうまくいかないと血圧に影響し、高血圧や心不全につながる。
さまざまなホルモンを分泌
血圧をコントロールする「レニン」「プロスタグランディン」や、赤血球を作るよう骨髄に働きかける「エリスロポエチン(EPO)」というホルモンも分泌している。EPOが分泌されず赤血球が不足すると腎性貧血という病気に。
骨を丈夫にするビタミンDを作る
カルシウムを体内に取り込むときに必要な「活性型ビタミンD」を作っている。腎臓の機能が低下すると腸からカルシウムの吸収ができなくなり、不足を補うために骨のカルシウムが溶け出し、骨がもろくなってしまう。
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