他人の投稿を見て嫌な気持ちになるときは休息を! SNSと上手に付き合うための7つのQ&A

ライフスタイル
2024.11.03

今の時代、何かしらのSNSを利用している人がほとんど。楽しい情報や刺激に触れられる半面、時には心が削られるような投稿を目にすることも。メンタルの上手な守り方を知っておこう。

心の整え方や機能活用でSNSと適切な距離感を。

SNSはスマホを持っている人にとって身近な存在。ただ、日々触れていると、嫌な気持ちになるような投稿がおすすめに流れてきたり、友達の楽しそうな投稿を見て自分と比べてしまったり、心が乱されることもしばしば。

「SNSはさまざまな投稿で溢れています。それを見て、時に落ち込んだり、傷つくこともあるでしょう。ただそれも、自分軸で物事を捉えられるように心を整えることで、回避できます」(公認心理師・山名裕子さん)

見るだけでなく、自分の投稿に否定的な意見が集まるなど、ショックな事態になることも。

「SNSで憂さ晴らしをしようとする人は一定数います。自分が無意識のうちに誰かを傷つけるような投稿をしてしまったのなら、きちんと対処したほうがいいと思いますが、そうでない場合はスルーするのが賢明です」(弁護士・蔦大輔さん)

では、どうするのがいいのか。7つのQ&AでSNSとの上手な付き合い方を知ろう。

デジタルでの人との関わり、SNSが欠かせない時代に…上手に付き合う方法って?

ふいに傷つくコメントを見てしまったり、変な絡まれ方をしたり…。どうしたら自分の心の平穏を保てるのか。識者2人がアドバイス。

Q、見ると落ち込んでしまう、嫌な気持ちになる投稿から距離を置く方法は?

A、キーワードをミュートして見たくない投稿をブロック!
「Xならミュート機能を使うといいかもしれませんね。自分が見たくない言葉を設定すれば、それが含まれた投稿が表示されなくなるので、嫌な投稿と距離を置くことができます。あとは物理的にSNSを見る回数を減らすといいでしょう」(蔦さん)

Q、そんなつもりはないのに絡まれてしまうことも…。避けるべきネタはある?

A、主語が大きい投稿や一方的な“正義”は叩かれやすい傾向あり。
「絡まれやすいのは、主語が大きい投稿。例えば、何か意見を言う時に、『日本人は~』『女性には~』などとひとくくりにすると、違う意見を持つ人から叩かれてしまいがち。また、自分の意見が正しくて、もう一方を否定するといった投稿も、立場によって正義は変わるので、叩かれやすい傾向にあります」(蔦さん)

「自分の心を守るためには自分軸で物事を捉えることが大切ですが、それをSNSで断言するようなことはおすすめできません。人は育ってきた環境や経験により異なる考え方を持っているので、それぞれの立場を尊重した発言が求められます」(山名さん)

Q、SNSでは仲良しだけど会ったことがない。個人情報を教えてOK?

A、自分の情報をあまり出さないように。連絡手段もDMにとどめよう。
「基本的には、会ったことがない相手には自分の情報を出しすぎないほうがいいと思います。同世代の女性だと思っていた人が、実は中年男性だったというケースもよくあります。連絡手段もLINEではなくSNSのDMにとどめたほうがいいでしょう」(蔦さん)

Q、SNSの嫌な投稿から心を守るためにできることは?

A、自分軸で物事を捉えられるように心の持ちようや技術を身につけて。
「SNSによって心を乱されないためには、自分軸で物事を捉えているかがカギとなります。世の中には、さまざまな考えや主張が溢れているもの。偏った意見や自分とは違う考え方を全面的に受け入れて落ち込む必要はありません。他者の意見に耳を傾けて自分なりに考えてみることも思考の幅を広げる意味では大切ですが、それと自分の状況を結びつけて『否定された』と短絡的に捉えず、ひとつの意見として受け止めましょう。自分の基準と合わない場合はスルーすることも必要です。また、他者を否定するような発言をする人は、自分の心が満たされていないケースが多いということも覚えておくといいと思います」(山名さん)

自分軸で物事を考えるには、こんなワークにトライ。

「まずは自分の考えや価値観を整理してみること。自分は何が好きなのか、生きていくうえで優先したいことは何なのか…。ゆっくり向き合うことで、他者の意見に左右されず、自分軸で情報や言葉を取捨選択できるようになります。また、ストレスケアをしていないと物事をネガティブに捉えがちに。定期的に現状のストレストップ5を書いてみて、それを軽減するために何ができるのか考える癖をつけましょう」(山名さん)

Q、絡まれてしまったら、どう対応すればいい?

A、基本的には無視するのが一番。自分に失言があった場合は謝罪を。
「リアクションをすると喜んでもっと絡んでくる人が多いと思いますので、反論せずに無視するのが一番です。コメントを削除するのも火に油を注ぐ結果になるのでNG。ただ、誰かを傷つけたなど自分に非がある場合は、謝罪をしたほうがいいでしょう」(蔦さん)

Q、傷つくコメントなどを見たら、どんな心持ちでいるといい?

A、相手はきっと満たされていない。そう思って自分の心のケアに専念を。
自分の投稿に否定的な意見が! 傷ついてしまうかもしれないけれど、それは相手の問題と捉えること。

「自分軸で自分の人生を楽しめている人は、人を傷つけるような発言をしないもの。とくにSNSは匿名でコメントができるので、その場の感情で攻撃してしまう人が少なくないのですが、正論で返したところで攻撃性はヒートアップするばかり。相手は不満を抱えているんだと思い、やり過ごしましょう」(山名さん)

他者ではなく、自分の心に原因がある可能性も。

「知らない人のコメントに心が揺らぐということは、疲れているサイン。他者のストレスや不安定さを背負わず、自分の心のケアに専念しましょう」(山名さん)

Q、キラキラ投稿や、苦痛と感じる投稿とはどう付き合えばいい?

A、素敵に見えても水面下では…。相手を“白鳥”と思うと心も平穏に。
「やはりこうしたネガティブな感情が生まれるのは、疲労やストレスが溜まっている証拠。休息を取ることをおすすめします。時間が取れるなら、プチ旅行など普段とは違う環境に身を置き、思考を切り替え、心を潤しましょう。軽い運動も有効です。また、周りへの感謝の気持ちが減少してくるとイライラしてネガティブな感情が生まれやすくなるもの。当たり前になってしまったことも、いま一度感謝して『ありがとう』という言葉を多用することが大切です」(山名さん)

「キラキラした投稿をしている人は、“白鳥”と思うこともひとつの手。見えている部分は素敵だけれど、水面下では足をバタバタさせている。そう思っておいたほうが、心の平穏が保てる気がします」(蔦さん)

PROFILE プロフィール

蔦 大輔さん

弁護士。森・濱田松本法律事務所所属。サイバーセキュリティ、個人情報保護関連の法的問題を主に取り扱う。共著に『明日話したくなる 個人情報のはなし』(清水書院)がある。

山名裕子さん

公認心理師。「やまな mental care office」代表。認知行動療法をベースに人間関係、ストレスケア、仕事といった悩みへのカウンセリングを行う。TV などメディアへの出演も多数。

イラスト・腹肉ツヤ子 取材、文・保手濱奈美

anan 2420号(2024年10月30日発売)より

MAGAZINE マガジン

No.2420掲載2024年10月30日発売

自分の護り方。

デジタル、お金、防災、防犯など、日々の生活の中で自身を守るための“自己防御の基本のキ”を身に付けるための特集です。堀潤さん、山崎怜奈さんによる最新ニュース解説やジェーン・スーさん、桜林直子さんによる対談などもあり、読めば明日から役に立つ一歩が学べる一冊です。

詳しくみるマガジン一覧

PICK UPおすすめの記事

MOVIEムービー