症状が出たら…? お悩み相談室。
敏感肌に陥らないよう、乱れたバリア機能を早く立て直すために知っておきたい知識をQ&Aで紹介。日常生活によくある具体的なお悩みに対して、専門家がアドバイスします。
Q. 洗顔するお湯の温度はどのくらいがいいですか?
A. ぬるめのお湯くらいの温度が目安。
そもそも、洗顔の時に熱いお湯を避けるのは、肌自身が持つ潤い保持能力を守るため。「角層の隙間を埋める細胞間脂質は、42°C以上になると溶け出してしまうといわれています。なので、それより低い温度のお湯で流しましょう。感覚的には、ぬるめのお湯くらいだと思います。顔を洗ったあとはなるべく早く保湿して、肌の保水機能を立て直すことも大切です」(美容ジャーナリスト・小田ユイコさん)
Q. 使っているコスメがしみる時はどうしたら?
A. 油分多めのコスメで保湿&クリニックへGO。
コスメがしみるということは、肌がデリケートになっているサイン、と皮膚科医・小林智子先生。「まず、いつものコスメは使用を中断して。特に水分はしみやすいので、化粧水はお休みに。油分が多くて刺激の少ない、敏感肌処方のクリームやワセリンなどで保湿するとよいでしょう。そしてなるべく早く、できれば1週間以内に皮膚科を受診してください。肌トラブルは、放置するほど治すのに時間がかかります」
Q. 日焼け直後のトラブルの対処方法は?
A. 何はなくとも肌を冷やす! あとは保湿を念入りに。
「赤くなったら、すぐ肌を冷やす。コンビニで買った氷や濡らしたタオルを肌にあてて、炎症を抑えます。炎症に対しては、美白コスメよりも敏感肌用コスメを使うのがおすすめ。刺激を避けて、保湿に注力しましょう」(小田さん)。「日焼けすると、皮膚から水分が出ていきます。皮膚は面積が広いので、脱水症状に近くなることも。水を飲んで、内側から補水することも忘れずに」(小林先生)
Q. 肌が敏感な時、食生活で気をつけることは?
A. タンパク質を補って乾きにくい肌を育む。
「天然保湿因子はタンパク質を材料に作られます。なので、肉や魚は必須。ただ、牛や豚など赤身のお肉よりも腸に負担をかけにくい鶏肉がおすすめです」(小林先生)。小田さんは、菌を体に取り入れる“菌活”を推奨。「土壌に棲む善玉菌由来の成分LPSは、肌のバリア機能によい影響を与えるそうです。根菜やワカメなどLPSを含む食品を積極的に摂ることは、敏感肌の立て直しに役立つはず」
Q. フェムゾーンのかゆみ、どの病院に相談するの?
A. 皮膚科でも婦人科でも診察してもらえます。
下着でこすれたり蒸れたりしてかゆくなった肌は、皮膚科でも婦人科でも診察が可能、と小林先生。「普段から綿など風通しのよい素材の下着を身につけて、肌荒れを防いで」。「女性は年齢とともにホルモンバランスが変化して、体に様々な変化が生じます。マメに検診を受けるなどして、肌トラブルを含めていろんな悩みを相談できる、かかりつけの婦人科を持っておくとよいですよ」(小田さん)
Q. インナーやストッキングが原因で、日中かゆくなる…。応急処置を教えて!
A. 保湿のできるスプレーでムズムズ感の鎮静を。
その場で本格的なケアは難しいけれど、スプレーがあればかゆみは解消できるはず、と小田さん。「お手洗いなどで手軽に使える、温泉水のスプレーのような保湿力の高いミスト化粧水で保湿してみては。あとは最近増えている、フェムゾーンケア用のミスト化粧水もおすすめ。なるべく、刺激の少ないコスメで保湿しましょう」。何度も同じ症状が起こるようなら、やっぱりクリニックに相談を。
小田ユイコさん 美容ジャーナリスト。美容記者歴30年。自身の敏感肌をケアしてきた経験などをふまえ、スキンケアやインナーケアなどについて執筆、講演を行う。耳より情報は、YouTube「小田会ビューティCHANNEL」でもチェック!
小林智子先生 皮膚科医、医学博士。YouTube「こばとも先生のスキンアカデミー」では、美容医療やコスメの情報を発信中。肌悩み別アプローチ法をまとめた近著『すっぴん肌が好きになる肌トラブル大全』(WAVE出版)も好評。
※『anan』2023年4月26日号より。イラスト・チルチッタ 取材、文・風間裕美子
(by anan編集部)