
ニオイが気になり、つい我慢しがちなおなら。でも、うんち同様大切な存在なんです。なぜおならが出るのか、どうやって作られるのか、知っているようで知らないその実体。おならが教えてくれるありがたいメッセージを知れば、もっと上手に付き合えるはず。
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教えてくれた方々
Profile
長瀬みなみ
腸活プロデューサー。日本発酵文化協会上級認定講師。腸活の実践により慢性便秘を解消したことから、腸内細菌の重要性に注目。腸内環境の正しい知識と発酵食の魅力を発信中。著書は『ムリしない腸活』(緑書房)。
田代知映
医学博士。日本消化器病学会専門医。「渋谷からだと心のクリニック」副院長。専門性の高い炎症性腸疾患の治療に多く携わる。クリニック内の婦人科や心療内科などと連携し、患者の症状改善を心身両面からサポート。
Q1. おならは何からできているの?
A. 構成要素のほとんどを占めるのが、口から飲み込んだ空気です
おならの7割ほどを占めるのが、口から飲み込んだ酸素や窒素などの空気。そして消化管内で腸内細菌によって作られる水素、二酸化炭素、メタンなどの気体が約3割。これらはほぼ無臭だ。「残りのわずか1%ほどに、腐ったゆで卵のようなニオイのする硫化水素、インドールなど悪臭成分が含まれます。このニオイ成分の増減には、食べたものが強く影響し、乳児はうんち同様、おならもほぼ臭くありません」(長瀬さん)
Q2. 1日何回くらい出るのが普通?
A.10~20回程度出るのが普通です。激しい腹痛を伴うなら心配かも…
おならは、消化管内に溜まったガスを体外に自動で放出する生理現象。1日10~20回程度なら健康な腸と捉えている。「海外の研究では、1日あたりの中央値が32回という報告も。ガスが多い人は、腸内細菌の活動が活発とも考えられます。腸内細菌が元気で、食物繊維などがよく発酵し、ガスが増えている可能性が。量より気にしたいのは、おならに強い腹痛が伴うなら、腸のトラブルかも…。一度医師に相談しましょう」
Q3. おならはどうやって作られる?
A. 飲み込んだ空気に加えて、消化管で発生するガスから作られます
おならの約7割を占めるのが飲み込んだ空気だということからわかるように、げっぷとおならは近しい間柄。飲み込まれた空気は胃に入り、胃の上部に空気が増えすぎるとげっぷとして排出される。残りの空気が胃から小腸、大腸へ流れ、その過程で多様なガスが発生。「飲み込んだ空気や発生したガスがすべておならになるわけではありませんが、トータルで0.5~1.5Lほどの量が、毎日おならとして出るのが普通です」

① 飲食物が入る、空気を飲み込む
飲食時だけでなく、無意識に飲み込む空気も。1日に飲み込む量は約0.5~2Lとも。
② げっぷが出る
飲み込んだ空気の一部をげっぷで出す。げっぷは、おなら同様ガス処理機能のひとつ。
③ 十二指腸で…
胃から出た強酸性の胃酸が十二指腸に入り、膵液や胆汁に反応。二酸化炭素が発生する。
④ 大腸で…
食べかすを腸内細菌が分解・発酵。水素、メタン、硫化水素など本格的なガスが発生。
⑤ 直腸で…
ガスが直腸に到達すると、肛門が便かおならかを判別し、脳に放出のサインを送る。
⑥ おならとして放出!
Q4. お腹がいつもガスで張っている感じで不快です
ガスが増えやすい習慣を改善して。IBSという疾患の可能性もあります
まずはガスが増えやすい習慣の見直しを。早食い、口呼吸の人は、空気を飲み込む量が多くなるので要注意。タンパク質や食物繊維の摂りすぎも、ガスが増える原因になる。「慢性的な便秘による、ガスの滞留も考えられます。そして、実際のガス量以上に張りを強く感じてしまう、IBS(過敏性腸症候群)の可能性も無視できません」
Q5. お酒を飲んだ次の日は、下痢をするしおならも多いです
アルコールは、腸粘膜を刺激する存在。飲む量などに気を配ってみましょう
アルコールは腸粘膜を刺激し、腸が過敏になる。また、水分吸収能力が低下し、腸管内の水分量が増加。腸の神経にも作用し、消化管内の通過速度が上がるので下痢しやすくなる。「ワインに含まれるヒスタミンで下痢を起こす人も。糖質が多いビールが好きな人は、大腸で糖質がたくさん発酵するので、おならが増えそうです」
Q6. 臭いのは、悪玉菌が多いから?
悪玉菌が原因ではなく、食生活の偏りなど、食べたものの影響が強いと考えるのが正解
ニオイの原因は、食べたものの影響が一番強い。「タンパク質を多く摂ればニオイが強くなりますし、ネギやニンニクなどの硫黄化合物が多く含まれる食品を食べると、臭くなりやすいです」。ただし、異常な変化は別。急激におならが臭くなった、激しい腹痛がある、血便を伴うなどであれば、消化器疾患の可能性を疑って。
Q7. おならを出しやすくする方法は?
おならはうんちと違い軽いので、いきまず、上半身を左右にひねるだけで出やすくなります
うんちとおならが出る仕組みは、基本的には同じ。ただ、おならはいきむ必要はなし。「軽いガスは少しの圧力でも動くので、上半身を左右にひねってみると効果的です。また、ガスが流れる方向に、手のひらで優しく腸の上をマッサージしたり、クッションなどをお腹の下に置き、うつ伏せになり軽く圧をかけてみるのもおすすめ」
Q8. 我慢すると、毒素が体内を巡るってほんと?
吸収されても、肝臓で解毒されるから大丈夫。ただ、腸のためにはおならを我慢しないで
ガスの一部は腸壁で吸収され、血流に乗って肺や肝臓に移動し、呼気として出されたり、肝臓で代謝される。「ガスに含まれる毒素の一部も吸収されますが、肝臓には解毒・代謝の仕組みがあるので問題ありません。ただ我慢は禁物。お腹が張るほど我慢をすると周囲の臓器を圧迫して、腹痛や腸の働きを悪化させる原因になります」
Q9. 笑った時におならが出ちゃって恥ずかしい
おならやうんちの排出に関わる筋肉を、ちゃんと使えなくなっているのかも…
笑ったり、くしゃみをして腹圧が急に上昇すると出てしまうガス失禁は、老人に多い傾向。「若いのに頻繁に起こるなら、おならやうんちの排出を調節する、骨盤底筋や肛門括約筋がちゃんと働いていないからかも。下半身の冷えや、長時間の座りっぱなしが影響している可能性が。骨盤周辺を温めたり、筋肉をほぐすよう心がけて」
anan 2504号(2026年7月15日発売)より
































