ゲームとの出合いから注目作まで…オモコロチャンネル、各メンバーが明かす“ゲーム遍歴”

スター🐼
2024.10.26
ゆるくて笑えて、思いもかけず心に刺さる名言に出合える…独特のテンションと企画の面白さがクセになる人気YouTubeチャンネル「オモコロチャンネル」のメンバーがananに登場! みなさんが愛するゲームについて、お話をうかがいました。
オモコロ

写真下段左から、永田さん、原宿さん。写真上段左から、加藤さん、ARuFaさん、ダ・ヴィンチ・恐山さん。

【永田】明晰な頭脳とパワフルな絶叫で、ゲームを制する圧倒的リーダー。

マップやダンジョンが変化していく“ローグライク系”ゲームを偏愛する永田さん。ゲーム体験は幼稚園時代の『スーパーマリオブラザーズ』から始まった。

「十字キーを押しながらジャンプするのが難しくて、初めに出てくるクリボーを越えられなくて。2歳上の姉が先に進めた時は喜んで絶叫しました」

RPGやアクションなどを通り、プレイステーションが出ると、そのゲームの大人っぽい世界観にのめり込んだという。

「『ファイナルファンタジー7』は大作だけど物語がダークだし、『I.Q』もスタイリッシュ。小学生にはあの背伸びしてる感が良かったんです。ゲームデータを保存するメモリーカードも好きでしたよ。管理画面が凝っていて、データを消そうとするとアイコンが泣く。1枚あたりのデータ量は15ブロックなのに、他社が128ブロックのものを出した時は『じゃあ15ってなんだよ』って(笑)」

そして、永田さんを語るうえで欠かせないのが、オモコロチャンネルにも登場する『風来のシレン』だ。出会いは小学校時代、スーパーファミコンの第1作だ。

「『不思議のダンジョン』シリーズって二度と同じマップはないから、時間をかければクリアできるものじゃない。その一期一会のシステムにハマりました。最後のステージの99階をクリアできた日のことは今でも覚えてます。熱が出て学校を休んでいて、母親も働きに出て家にいなかったのでやり始めて。いつも途中で死ぬのに今日は行けるなあと思ってたら、夕方くらいにクリアできた。いつの間にか自分が上達していたことも感慨深かったです」

『風来のシレン』は今年1月に6作目が発売に。

「前作の5発売から10年以上経っていて、新作はもはや出ないのかなという諦めもあったんですけど、今作の6は売れ行きも好調らしくて、なんか勝手に我がことのように嬉しくなっています。今も新作を受け入れてくれる人たちがいることがたまらないです」

いま楽しみなのは、ローグライクとカードゲームの要素を組み合わせた『Slay the Spire』の次作だ。

「カードゲームも好きなので、イベントもあるし戦略も必要で、ゲームバランスが素晴らしい。2025年発売なんですけど、楽しみすぎて逆に怖いです(笑)」

ながた 1987年生まれ、東京都出身。2009年にオモコロライターとなり、’11年バーグハンバーグバーグ入社。’18年より副社長に。好きなクリエイターは『真・女神転生』『ペルソナ』のキャラクターデザインを手掛ける金子一馬さん。

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【原宿】その黒歴史さえも愛おしい、混沌と困惑を生む狂気の異才。

オモコロ編集長の原宿さんのゲーム原体験は、5歳の頃。伯父さんのパソコンで遊んだ、アクションシューティングゲームの『テグザー』だ。ゲーマーの従兄弟の影響でファミコンも初期から親しんだという。

「当時のゲームは不親切で。西遊記を下敷きにした『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』なんて、突然草原に悟空の自分と三蔵法師が放り出されて始まる。どこに行けばいいのかわからないし急にアクションゲームになる。イライラしながら遊んだ記憶があります」

次世代機が登場するとセガサターンを選んだ。

「プログレというかメジャーコードじゃないゲームを好む傾向があって。セガサターンはプレイステーションに比べてクセのあるタイトルが多かったんです。サバイバルホラーの『アローン・イン・ザ・ダーク』や、謎解き要素の強い『ミスト』。作り手の世界観が色濃く出る洋ゲーをカッコいいと思ってました」

その嗜好は今も変わらない。好きなクリエイターはサム・バーロウというイギリスの開発者だ。

「『Her Story』というSteamにある作品がすごく良くて。断片的な映像を見るうちに真実がわかってくる、映画を観ているようなゲームです。最近だと、韓国の開発者Somiが作った『未解決事件は終わらせないといけないから』も、UIが良くて面白かったです」

原宿さんが好むもう一つの軸が歴史シミュレーション。古くは『三國志』に始まり『水滸伝』や『ロイヤルブラッド』など様々なゲームをプレイしてきた。『タクティクスオウガ』では苦い決断をした経験も。

「物語の途中で、一般市民を虐殺するか、国を裏切るか、という二択を迫られる場面があるんです。え、ゲームの選択ってこんな重いの? って一昼夜悩みましたね。自分の手で操作するから、完全に自分の責任になる。その奥深さというか、ゲームってこんな深いところまで突いてくるんだと気付かされました」

仕事に育児にと忙しい今、妄想するのは国家を築く『シヴィライゼーション』だけをやる一か月生活だ。

「今も遊んではいるんですけど、どうしても全身を傾けられなくて、半身なのが嫌で。100%全力で遊んだらどうなるか試したいです。絶対無理ですけど」

はらじゅく 1981年生まれ、神奈川県出身。’90年代後半のテキストサイト全盛期、クソゲーのレビューなどを行う個人サイト「桃色核実験」を立ち上げる。2008年にオモコロのライターとなり、’12年に2代目編集長に就任。

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【加藤】料理と肉と下ネタへの愛が光る、魅惑の電脳チャイナパトロール。

オモコロチャンネルでは独特な発言を連発し、“電脳チャイナパトロール”や“手頭顔寒(てずかおさむ)”などの伝説のキャラを生み出している加藤さん。個性派揃いのメンバーの中でも、無敵道を極めている。

「初めてやったのはファミコンの『ドラゴンバスター』。従姉妹の家でカセットが金色だったから選んだゲームでした。小学生の頃に発売された『ポケットモンスター』は、雑誌で見て面白そうで始めたんですが、周りにやっている人がいなくて一人で黙々とやっていたんです。でも急に流行り始めて、ある日上級生に貸したらセーブデータが上書きされちゃって…。大切に育てていたリザードンが消えたのがショックで泣きました。『ゲーム貸せ』って言うような年上は怖かったので文句は言えなかったけど、ゲームはそれ以来貸したくないですね…!」

小学生の頃から大体のゲーム機を触り、流行ったゲームはひと通りやってきたそう。

「ある時からメイン機から外れて、格ゲーやギャルゲーなどのオタクっぽいゲームを揃えたセガサターンやドリームキャストにハマりだして。当時流行りだした音楽CDも聴けたので、ゲーム以外でも常に起動させていたハードでした。ずっと好きなジャンルは、一人で時間をかけてやるオープンワールドゲーム。なかでもベセスダ・ソフトワークスが作った『Fallout 4』が好きですね。サブクエとかやってるとクリアに大体60時間前後かかるんですが、20代後半から始めて今までクリアを20回以上はしてます。核戦争で文明が止まってしまった世界で、科学力だけは何百年先まで進んでいるという設定で。ビームは出てもテレビはブラウン管、ボロボロのロボットが出てきたり、オールドアメリカンな人たちが殺し合いをする独特な世界観が好きで、グッズを買うほどハマりました」

いま楽しみにしているのは、今後発売される、ゲームの続編たち。

「鳥山明先生と、作曲家のすぎやまこういち先生の遺作といわれている『ドラゴンクエスト12』が発売されるらしいので、やりたい。それから、制作中の『Fallout 5』もめちゃくちゃ楽しみです。その前に『ドラゴンクエスト3』のリメイクもやらなきゃですね…忙しい…」

かとう 1985年生まれ、愛知県出身。ライター、編集者で、スーパーマーケットの精肉部、編集プロダクションを経て、現在はオモコロを運営するバーグハンバーグバーグに勤めている。

パンツ¥40,700(ガラアーベント/サーディヴィジョンピーアール) その他はスタイリスト私物

【ダ・ヴィンチ・恐山】作家としても非凡な才能を見せる、唯一無二の言葉のマジシャン。

“謎の仮面男”ことダ・ヴィンチ・恐山さんは、仮面の上から眼鏡をかけるスタイルを貫き、オモコロチャンネルでは頭脳担当。

「幼少期はゲームボーイから始まり、スーパーファミコン、NINTENDO64やニンテンドーゲームキューブなどをプレイしてきた“ニンテンドー少年”でした。初めてやったのは白黒の『スーパーマリオランド2 6つの金貨』。初代ゲームボーイはすごい速度で単三電池を消耗するので親から怒られたりもして。新しい電池をねだる時の情けなさを感じつつ、背に腹は代えられずに頼み込んでいた記憶です。今はニンテンドースイッチも持っています。家庭のテレビに繋ぐゲーム機と外に持ち運ぶものを、一つの機体で両立させるという唯一無二の形状は天才的だと思います」

飽きっぽい性格からゲームは一気にクリアしたいタイプで、今は2時間ほどで完結できるPCゲームもよく遊ぶ。

「Steamという海外のプラットフォームで買える、どちらかというと小規模な作品が好き。個性的なゲームが多く、短編でひらめきを頼りに進めていく謎解き系やホラー系が多いですね。なかでも最近心に残ったゲームは群像ミステリーの『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』。東京の下町の七不思議をモチーフにしたもので、特別な呪具を持つ人たちに遭遇すると呪い殺されてしまうというホラー系です。面白すぎて一晩でクリアしました。本当は怖がりなんですが。ヘッドホンでプレイすると耳元で怖い音を出されるので、スピーカーから小さい音を出すようにしたり、怖いのが出そうになったら視線を壁に逸らしたりする工夫でどうにかホラーゲームもプレイできています」

ストーリー、ゲーム設計の思想、音楽性まで含めた独自性の高いゲームに惹かれ、“小粒”でも他にはない醍醐味を味わえる個性的なゲームに夢中になるそう。

「最愛のゲームは『塊魂』。ボールを転がして、最初は消しゴムなどの小さいものから人や街、富士山まで巻き込んでひたすら大きくし、最終的に宇宙に打ち上げて惑星にするというゲーム。原案者の高橋慶太さんは他のゲームクリエイターとは違うタイプの人で、ゲームの枠組みにこだわらない自由なところに惹かれています」

だ・ゔぃんち・おそれざん 東京都出身。小説家、作詞家、編集者として活動し、品田遊の作家ネームも持つ。新刊は『納税、のち、ヘラクレスメス のべつ考える日々』(朝日新聞出版)。

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【ARuFa】特異な発想と工作で話題を席捲。インターネットが生んだ副産物。

元々ゲームに対して前のめりではなかったARuFaさん。4歳の頃に遊んだモンスター育成ゲーム『モンスターファーム』も母親の勧めでプレイしたんだそう。

「でも結局、関連漫画を全て暗記するくらい好きになりました。友達との遊びを断って、ピクシーというビキニ姿のセクシーなモンスターだけをひたすら育成している時期もありましたね。いい思い出です」

その後『ラチェット&クランク』や『塊魂』などをそれなりにプレイ。社会人になると一度ゲームから離れたが、ある日『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下『ブレワイ』)にのめり込んだ。

「なんとなく始めてみたのですが、もうリアルさが凄くて。雨の日には爆弾矢がしけって不発になったり、金属製の剣に雷が落ちたりするんです。そのご都合主義じゃないマジさに感動しました。とにかくユーザーへの信頼が強い。目的地までの道中に寄り道したくなるような場所が何個もあったり。人がどこをどう見たら興味を持つか裏まで読まれてるのが最高ですね。音楽も好きで、操作せずにBGMだけを部屋で流すこともありました。僕は『ブレワイ』に関わってる全ての人を尊敬してるんですけど、なかでも岩田恭明さんの作る曲が大好きです。〈鳥人間チャレンジ〉の曲とか千回聴いてます。『あつまれ どうぶつの森』のオープニングも岩田さんで、耳に残る音楽を作る方なんです」

知的好奇心を刺激されるゲームが好きで、最近SFアドベンチャーゲーム『Outer Wilds』にハマったそう。

「ヒントがゼロで大変でしたが何とかクリアしました。急にメモが必要なことがわかって慌てて太ももに重要な情報をメモしたり。とにかく苦労しました」

独自の遊び方を考えるところもARuFaさんらしい。小学生の頃は『大乱闘スマッシュブラザーズ』で危険な遊びを発明していたそう。

「トレーニングモードで、一定時間経つと爆発するボム兵を出しまくるんです。それでテレビ音量を最大まで上げて、ボム兵が爆音を鳴らす直前にテレビの電源を切るっていう遊びをしてました。失敗すると爆音が鳴るので、親に『ボム兵遊び禁止!』と、クッパ城に貼ってありそうな注意書きを部屋に掲示されました」

アルファ 1991年生まれ、千葉出身。2005年10月、中学2年生の時にブログ「ARuFaの日記」を開設。’14年にバーグハンバーグバーグに入社し、CMなどでも幅広く活動。ダ・ヴィンチ・恐山とWebラジオ「匿名ラジオ」を配信中。

衣装はすべてスタイリスト私物

オモコロチャンネル Webメディア「オモコロ」の人気ライターが出演するYouTubeチャンネル。永田、原宿、加藤、ダ・ヴィンチ・恐山、ARuFaの5人が中心になり、週5回ペースで動画を配信。ボードゲーム、好きなものマジプレゼン、安価な食品の味を見分ける「低レベル格付けチェック」、ダルい商品名の「ダル飯」グルメ企画など、幅広いジャンルの動画を制作している。イベントの開催やグッズの展開も行い、最近はラップグループ「シッコマン イン ザ パーティ」としてシングルもリリース。

※『anan』2024年10月23日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・井田正明 ヘア&メイク・鈴木かれん 浜田あゆみ 取材、文・若山あや 飯田ネオ 撮影協力・スタジオ バスティーユ

(by anan編集部)

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