
豊富な湯量と泉質で、数えきれないほどの種類を誇る、別府の温泉たち。とことん癒されに、はたまたパワーを貰いに、全身で温泉に向き合うウェルネスな旅のススメ。
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どこまでも奥深い温泉道入門は別府で
温泉大国・日本の中でも、「源泉数」「湧出量」1位と、圧倒的な大自然のエネルギーを醸す別府温泉。その濃厚な湯の良さはさることながら、オリジナリティに溢れるのは泉質の幅広さだと、Webサイト「別府たび」編集部が教えてくれた。
「古くは武士の傷を癒したり、療養として訪れる人も多かったり、温泉は湯治の立ち位置でしたが、そんな中で別府が温泉観光地として歩み始めたのは明治の終わりくらいといわれています。別府温泉の魅力は、全部で10ある泉質のうち7種類もが揃っていること。ここにさえ来れば、いろいろな温泉が楽しめます」
最近ではその豊かさを活かした、温泉の新フェーズが見えてきている。
「泉質を組み合わせて入浴効果を高める“機能温泉浴”が注目されています。たとえば明礬(みょうばん)地域の酸性硫黄泉は、シャンプーのように汚れを落とす。鉄輪(かんなわ)地域の弱酸性塩化物泉は、リンスのように肌の保湿やコーティングをしてくれるので、この順番に入ることで美容効果が高まったり。新たな魅力も広まりつつあります」
市内には旅館や温泉施設はもちろんのこと、共同温泉(通称・ジモ泉)も含めて至る所に湯が点在している。初心者はどのように温泉や湯めぐり先を選べばよいのだろうか。
「フラッと立ち寄るのではなく、事前にネットで雰囲気を確認してみるなど情報収集をして、まずは見た目が綺麗な施設から行ってみてください。“ジモ泉”は、決して不潔なわけではないですが、どうしても温泉成分の蓄積で変色やぬめりが出てしまっているところもあるので、徐々に慣れていくのがおすすめです。また別府の温泉は刺激が強めといわれるので、普段温泉に入り慣れていない方は湯あたりにも注意を。最初は欲張らず、1日に多くても2か所の入浴がよいのではと思います」
五感をフル活用して、温泉で身も心も洗い流しに行こう!
“浸る”温泉|浴びるだけじゃない! さまざまに発展した入浴の形
温泉は温泉でも、ただの入浴だけではもったいないのが別府温泉の文化。濃厚な泉質や、ほわっと包まれるような暖かさのむし湯、体験後の解放感がクセになる砂湯、全国でも多くない泥湯…その他にも盛りだくさんで、入り方も質感もバラバラ。また全身浴に限らず、手湯・足湯・吸引・飲泉など、部分的に楽しめる場所も。個性豊かな湯がひとつの街に集結しているからこそ、めぐりがいがある。ぜひ初めての温泉体験にトライしてみて。
みょうばん湯の里
“湯の花”製造300年の歴史に思いを馳せながら入る、濃ゆ~い硫黄泉の湯
温泉の湯けむりを結晶化させ作る入浴剤「薬用 湯の花」は江戸時代から続く技法を使っており、その技術は国の重要無形民俗文化財。1988年、それまで職人たちが入っていた温泉を、観光としても楽しめるようにしたのが大露天岩風呂だ。標高350mと別府イチの高さを誇り、その気持ちよさはピカイチ!
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みょうばん湯の里
別府市明礬6 TEL. 0977-66-8166 10:00~19:00受付終了(大露天岩風呂) 9:00~17:30(湯の花小屋見学/入場無料) 大人¥600
鉄輪(かんなわ)むし湯
蒸気と薬草の香りに包まれる感覚は、地元民からも重宝される心地よさ
源泉の温度が高く、別府温泉の中でも際立って湯けむり景色を目にする鉄輪エリア。鎌倉時代、あまりの熱さで村人たちが困っていた蒸気を活かすように、僧侶・一遍上人がこの地に「むし湯」を開いたとされる。湿度80~90%、温度50~60°Cのしっとりとした入り心地は女性に大人気。入り方は従業員が案内してくれる。
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鉄輪(かんなわ)むし湯
別府市鉄輪上1 TEL. 0977-67-3880 7:30~19:30(最終受付19:00) 第4木曜(祝日の場合は翌日)休 むし湯 ¥700、レンタル浴衣 ¥220
竹瓦(たけがわら)温泉
飛べそうなほどの体の軽さを手に入れるなら、どっしり砂の重みに埋もれて
別府市街地の一角で華やかな佇まいが出迎えてくれる「竹瓦温泉」は、明治創設(現在の建物は昭和に建設されたもの)。広々とした入り口でウェルカムな雰囲気が嬉しく、“ジモ泉”にトライするならここからがおすすめ。別府温泉のシンボル的存在とも。砂湯と普通浴の2種類がある。
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竹瓦(たけがわら)温泉
別府市元町16-23 TEL. 0977-23-1585 8:00~22:30(砂湯) 6:30~22:30(普通浴) 第3水曜(祝日の場合は翌日)休 砂湯 ¥1,500(普通浴込み)、普通浴のみ ¥300
別府温泉保養ランド
まさにワンダーランドな広さと充実感! 唯一無二の感覚“泥湯”との出合い
『豊後国風土記』(奈良時代)にも記載が残る温泉噴出口・紺屋地獄に構える「別府温泉保養ランド」は、“泥湯”が最大の見どころ。天然の鉱泥は、肌に吸い付くようにきめ細かく、ほんのり硫黄の香りが。神経痛やアトピーをはじめ多くの適応症があるほか、美容効果も高く手作りの紺屋鉱泥石鹸「大自然の恵み」(40g)¥1,000も人気。硫黄泉「コロイド湯」、むし湯も忘れずに。
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別府温泉保養ランド
別府市明礬5 TEL. 0977-66-2221 9:00~20:00(宿泊プランもあり) 大人 ¥1,500
お話を伺った方
Profile
「別府たび」編集部
別府市観光課を中心に運営している、別府市公式観光情報Webサイト。モデルコースや観光スポット案内、定期的な特集記事の作成も行っている。温泉に不安がある人は、「別府流入浴の作法」ページ必見。https://beppu-tourism.com/
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別府温泉
大分空港から大分空港アクセスバス「エアライナー」で約50~55分、バス停「別府駅前」か「別府北浜」下車で中心地に到着。電車利用の場合はJR別府駅下車。特急電車で福岡県・JR小倉駅から約1時間10分など。
anan 2480号(2026年1月21日発売)より


































