ゴミも正しく分別すれば、資源として有効活用できたり、焼却や埋め立てる量を減らせて環境負荷の軽減になる! 改めて、正しいゴミの出し方を把握して、実践してみよう。
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ゴミの正しい出し方最新事情
分別や出し方など、複雑化しているゴミのルール。どうしてここまで複雑化してるのか、立教大学コミュニティ福祉学部教授の藤井誠一郎さんが解説。
お話を伺った方
Profile
藤井誠一郎
ふじい・せいいちろう 立教大学コミュニティ福祉学部教授。ゴミ収集の現場に足を運び、地方自治体の清掃事業の研究に取り組んでいる。『ごみ収集の知られざる世界』(筑摩書房)など、著書多数。
「その理由は主に3つあります。1つめは焼却炉の故障を防ぎ、埋め立て地を延命化させるためです。分別せずに何でも清掃工場に搬入すると焼却炉の故障の原因に繋がり、修理には多額の費用が生じます。また、埋め立てできる量は無限でなく、年々埋め立て可能量は減っていきます。ちなみにゴミの分別や出し方が自治体によって異なるのは、焼却施設の性能差や、人口規模の違いなど、地域の実情に応じて各自治体が独自のルールを制定しているから。2つめが大量のゴミを焼却処分すると多量の温室効果ガスが排出され、地球温暖化を促進する一因になるからです。3つめが、資源をゴミと分別してリサイクルすることで、限りある天然資源を無駄にしないためです」
ここに記載したゴミや資源の出し方は一例で、自治体によって異なるため、住んでいる自治体のホームページなどを参考にして正しく分別を。
ペットボトル|実に9割近くがリサイクルされる!

ポリエチレンテレフタレート(PET)で作られていて、リサイクルしやすい。資源を繰り返し循環させることで、CO2排出量の削減に。
「リサイクル法は主に2つ。細かく砕いた再生フレークを原料に、ペットボトルとは異なる用途の製品を作る『カスケードリサイクル』と、再びペットボトルを作る『水平リサイクル』に分かれ、現状は前者の方がリサイクル比率が高いです」。またキャップの売却益が途上国の子どものワクチン支援活動に役立てられることも。
正しく出すと…
他の資源と比べても再利用しやすく、日本では使用済みペットボトルの9割近くがリサイクルされている。新しいペットボトルのほか、洋服や毛布などの繊維製品、食品用トレイや卵パックなどのシート製品、洗剤ボトルやボールペンなどの成形品といった様々な製品に生まれ変わる。
出し方のポイント
キャップとラベルは必ず外す。汚れたペットボトルはリサイクルできないため、中身をすすいでから出すこと。汚れが取れない場合は可燃ゴミで出す。ペットボトルはかさばるので、できるだけ潰してゴミ袋に入れて出すこと。キャップはスーパーなどの回収拠点へ持っていくとよい。
電池|発火の恐れがあるので、交ぜるな危険

電池には、アルカリ乾電池やボタン電池、リチウムイオン電池など様々なものがあり、リサイクルが義務付けられている。
「リチウムイオン電池はモバイルバッテリーやハンディファンなどに使われていることが多く、近年電車や飛行機内での発火事件が相次ぎ、社会問題になっています。間違った出し方をすると、ゴミ収集車や清掃工場の火災に繋がる危険が伴うため、絶対にやめましょう」。各自治体によって異なるが電池専用の回収袋がある場合も。
正しく出すと…
回収されたアルカリ乾電池やボタン電池は、大きさ、形状、材質ごとに選別され、細かく粉砕される。粉砕された金属は、製鉄や合金などの原料として再利用される。非金属も、粉砕されて新たな製品の原料となることも。リチウムイオン電池はリサイクル資源としての活用を検討している最中。
出し方のポイント
乾電池や充電式電池は本体から取り外し、電池の+極と-極の端子部分に、セロハンテープやガムテープなどを貼り、電流が流れない状態にしてから有害ゴミとして出すなど、住んでいる自治体の指示に従って出すこと。モバイルバッテリーは分解せずに本体ごと排出すること。
スプレー缶|中身をしっかり出してから適切に処分

ヘアスタイリング剤などに用いられるスプレー缶や、鍋で使用したカセットボンベ。
「こちらも電池と同様に、不適切な処理はゴミ収集車や清掃工場の火災に繋がる恐れがあるため、中身をしっかり使い切ってから、もしくはガス抜きを行ってから適切に処分しましょう」。以前は、穴を開けてから処分するように呼びかけられていたが、穴開け作業中に火災や爆発が発生した事例が多く、最近は穴を開けずに出すことを推奨する自治体も増えている。
正しく出すと…
プレスされたスプレー缶やカセットボンベは、分別・破砕処理することにより、金属として100%リサイクルされる。回収された金属類から鉄やアルミなどの素材に戻すリサイクルは、最も手間やコストが少ないといわれているため、経費削減とSDGsの両立に貢献できる。
出し方のポイント
キャップは外して分別。スプレー缶やカセットボンベ本体は、ガスをしっかり抜いてから出すこと。もしガス抜きを行う場合は、火気のない風通しの良い屋外で行うこと。公共施設などにスプレー缶回収ボックスを設置している場合もあるので、利用するのも手。
プラスチック|プラやPETのマークがついているか確認

世界中で脱プラスチックの動きが加速しているが、プラスチックはまだまだ身近で、食品用トレイや弁当容器、包装材など様々なモノに使用されている。
「プラマークやPETマークがついているプラスチック類は、リサイクルすることができます。可燃ゴミだったCDケースも最近では資源回収するように」。プラスチックは、海洋汚染や地球温暖化を進めるなど、環境問題の大きな要因になるため、できるだけプラゴミを出さない生活を心がけよう。
正しく出すと…
プラスチックは、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルなど様々な方法で再利用が可能。新たなプラスチック製品や化学製品の原料、エネルギーなどに生まれ変わり、作業着などの衣料品や、ペットボトル、洗剤などの容器、公園の遊具、ベンチなど多岐にわたる。
出し方のポイント
汚れているとリサイクルされた製品の品質が低下するため、水ですすいで、しっかり汚れを落として出すことで、資源として有効活用されやすくなる。リサイクルマークがついていないモノや汚れているプラスチックゴミは、可燃ゴミまたは不燃ゴミとして廃棄すること。
古紙|再生紙など、再び製品に生まれ変わる

「雑誌や新聞紙だけでなく、封筒、コピー用紙、菓子箱、チラシ、包装紙、トイレットペーパーの芯などの雑紙も古紙扱いになり、どれもリサイクルできる立派な資源です」。紙のリサイクルは、一度使われた紙を原料として繰り返し使うことで資源の有効利用になり、廃棄物を削減できる。また紙の原料となる木材(パルプ用材)を新たに投入することが減り、木材の使用量を抑制できるため、CO2排出の抑制やエネルギーの節約になり、森林保全にも繋がる!
正しく出すと…
回収された古紙は不純物を取り除き、プレス加工された後、製紙メーカーなどでリサイクルされ、再生紙などの新しい製品として活用される。日本の古紙回収率は長年にわたり80%を超える高い水準を維持し、世界的に見てもリサイクル率は高めになっている。
出し方のポイント
濡れた紙は乾かしてから、粘着テープは剥がしてから、できるだけ種類ごとに正しく分別。油や食品の汚れがある古紙は可燃ゴミへ。シュレッダーくずは、散らばらないようにしっかりと袋をしばること。公共施設やスーパーなどに設置された回収ボックスを利用するのもあり。
ビニール袋|丈夫なビニール袋はゴミ袋として活用

地球温暖化問題や海洋プラスチック問題への対策として、2020年から有料化されたビニール袋。レジ袋の国内流通量は有料化前の約20万tから約10万tに減少した。
「レジ袋やポリ袋など、私たちの身近なビニール袋のほとんどがポリエチレン製で、資源として扱われます。ただビニール袋は、瓶や缶を出す際の袋として使えるため、できるだけ長く使ってくちゃくちゃになってきたらゴミ袋として活用するのが賢い手といえるでしょう」
正しく出すと…
ビニール袋は、プラスチック同様に資源として回収される。化学製品の原料など、再生プラスチックにリサイクルされることが多い。ただし汚れているビニール袋は、焼却処分、またはそのまま埋め立て処分されるため、できるだけ各家庭で汚れを落としてから出すとよい。
出し方のポイント
一般的には、プラスチックと同じ資源ゴミとして出すこと。汚れがついているとリサイクルしにくいため、簡単な汚れであれば、水洗いして乾燥させてから出す。それでも汚れが取れない場合は可燃ゴミへ。ただし、缶や瓶を出す際の袋に活用すると、収集効率の向上に繋がる。
anan 2486号(2026年3月4日発売)より













