この週末は、ちょっと足を延ばしてオトナの遠足旅へ。ここでは、特別な一皿に出合える栗と陶器の名産地、茨城県笠間市への旅をご案内。

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    特別な一皿に出合える栗と陶器の名産地

    益子から車で30分程度と程近くに位置する、茨城県笠間市。江戸時代中期から続く焼き物の産地であり、「ギャラリーロード」を中心に、多くのアトリエやギャラリーが立ち並ぶ。そばに立つ笠間陶芸大学校は、名匠から新進気鋭の作家まで、多くの作り手を輩出。目立った特徴がない「自由焼」とも呼ばれる笠間焼は作家の個性を大切に、しきたりにとらわれない作風で、日常使いに適したうつわから現代アートまで幅広いジャンルの作品が生み出され続けている。だからこそ、訪れる人それぞれが求めている陶器を見つけやすいのも笠間焼の良さだ。

    そしてもうひとつ、笠間で外せないのが和栗を使用したグルメ。全国有数の栽培面積と出荷量を誇る、良質な「笠間栗」をふんだんに使用した絶品スイーツを楽しめるお店も年々増えているそう。アートと陶器に触れながら、秋の味覚の代表格でもある栗を存分に味わえる、目にも舌にもうれしい秋旅に出かけてみよう。

    【和栗や 古 -inishie-】栗の郷で本格手絞りのモンブランをご賞味あれ

    東京・谷中『和栗や』をはじめ栗スイーツの名店を多く手がける竿代信也オーナーが満を持してオープン。笠間の自社農園で栗の栽培から手がけ、メニューは100%笠間栗を使用。

    モンブランデセル(¥1,700)。運ばれてきた瞬間に立ち上る豊かな香りに、栗そのものを味わっているような素材本来の甘みとほっくりとした食感は完全手絞りだからこそ。

    栗とバターのmariage(¥1,200)は芳醇な最高級バターの味わいとほろほろ食感を楽しめる。

    食器は藤本均の作品。店内で購入も可能。

    笠間稲荷神社正面の酒蔵を改装した趣ある店構え。

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    Information

    和栗や 古 -inishie-

    笠間市笠間1339 笹目宗兵衛商店内 11:00~17:00(16:00LO)、土・日・祝日~17:30(16:30LO) 火・水曜休

    【ふる川製菓】和洋折衷の栗スイーツからお気に入りの一品を

    創業から60年以上変わらず、お店のお菓子はすべて機械を使わず手仕事で作っている和洋菓子店。ショーケースには、笠間栗を使用したバラエティ豊かなお菓子がずらりとならび、観光客のみならず、地元でも手土産としても人気。

    写真左から、いつでも作りたての食感が味わえるようにあんこが別添えになったくまの手作りもなか(5個¥1,500)、白餡に笠間産栗ペーストを練り込んだ笠間栗もなか(¥380)、大粒の笠間栗がごろりとのった贅沢な栗蒸し羊羹(¥480~)。

    喫茶スペースも併設。

    Information

    ふる川製菓

    笠間市笠間309-2 TEL. 0296-72-0571 8:00~18:00 月曜休

    【菓子工房 福】フレンチシェフが焼き上げる本格派マロンシュークリーム

    店主・山口寿一さんが営む西洋割烹のデザートが好評を博し、2021年に専門店が誕生。フレンチシェフが作る本格オリジナルカスタードクリームを、サクふわ食感のシュー生地が包む絶品。

    渋皮煮を混ぜ込んだ自家製のクリーム、カスタード、栗ペーストが重なり、その上にドンとのった大きな栗の渋皮煮が存在感を放つ、笠間産栗のプレミアムシュークリーム(¥671)は、これでもかと栗の旨みを頬張れる。

    笠間焼のたぬきがお出迎え。

    Information

    菓子工房 福

    笠間市笠間1351-1 TEL. 0296-71-6005 10:00~18:00(売り切れ次第終了) 月曜(祝日の場合は翌日)休

    【回廊ギャラリー門】作り手と訪れる人々をつなぐ、笠間焼の“門”

    全周約50mある回廊が特徴的なギャラリー。中央は苔庭に。その店名の通り「笠間焼をより拓けたものに」と、80名以上の作家の作品も常設し、隔週ごとに変わる展示を行っている。

    時間や天気、季節によって装いを変える苔庭を背景に、陶器を見て回ることができるので、ちょっとした散策気分を味わえる。

    店内で使用される和の趣を感じられる什器や天井の梁などは石岡市の古民家から譲り受けたもの。

    Information

    回廊ギャラリー門

    笠間市笠間2230-1 笠間芸術の森公園前 TEL. 0296-71-1507 10:00~17:00 年末年始休

    【笠間工芸の丘】アートもグルメも、笠間の工芸を心ゆくまで体験

    今年3月にリニューアルオープン。アートギャラリーや陶芸体験に、カフェ、ショップも楽しめる複合施設に。現存する貴重な登り窯や、人間国宝・松井康成の常設展など笠間焼の歴史に触れられる。

    施設を一通り楽しんだあとは、併設の「クラフトカフェ」で笠間焼のカップ&ソーサーで一服を。ブレンドコーヒー(¥440)。

    ろくろを使った陶芸体験。自ら成形したうつわは愛着もひとしお。手びねり体験もある。

    Information

    笠間工芸の丘

    笠間市笠間2388-1 TEL. 0296-70-1313 10:00~17:00 月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始休

    Information

    陶と暮らし。2025 10/31~11/3

    今年で13回目の開催となる、笠間焼作家がそれぞれ新作を含む展示販売を行うクラフトフェア。笠間工芸の丘特設会場 9:00~16:00(最終日は~15:30)

    写真・鈴木愛子

    anan 2468号(2025年10月22日発売)
    Check!

    No.2468掲載

    秋の推し旅2025

    2025年10月22日発売

    anan恒例の旅特集!今回は“大人の遠足旅”をテーマに国内外、この秋行きたい場所をピックアップ。朝ドラで注目の松江をはじめ、ワインや栗、新米を堪能する八ヶ岳&諏訪のヌーボー旅、いまおさえたい北陸3県ときめき旅のほか、旅慣れた賢者が勧めるタイ・ソウル・台北・香港の週末旅プランなど、内容盛りだくさん。 私たちの毎日を彩った、食、暮らし、健康、美容、ファッション、そしてカルチャーたち。その輝きの数々をキーワードに落とし込み、ジャンル別にあらためてピックアップ。今年大活躍の白石聖さん、しなこさんも豪華に登場!

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