
『LELO』ビジネスデベロップメントマネージャーのオリガ・コルトゥノワさん「性はいやらしいものではなく、健やかな暮らしに必要なもの」
まだ性を語ることにためらいがちな日本社会で、性にまつわる仕事を選んだ人たちがいる。今この時代に必要な視点と、新しい価値観の形を、その仕事から解き明かすため、お話を伺いました。
ウェルネス視点で性を発信“セルフプレジャーアイテム事業開発”
洗練されたデザインで知られるスウェーデン発のラグジュアリープレジャーブランド『LELO』。世界160か国以上で展開する人気ブランドで、日本市場を担当するのがオリガ・コルトゥノワさん。世界の中でも日本は性に関する情報発信に慎重さが求められる、難易度の高いマーケット。そこで、オリガさんは大切にしていることがある。
「日本では長年、性欲は隠さないといけないもの、恥ずかしいものとされてきました。そうした国の文化的な背景や人々の心理を理解しながら、性の大切さを最適な形で伝えるようにしています。たとえば、私たちは自社商品の素晴らしさだけを伝えたいのではなく、セルフプレジャーが心身の健康を育むためのものということを丁寧に伝えています。本国のスウェーデンでは、マスターベーションはリラクセーションやストレス緩和、免疫力向上など、心身の健康に寄与するセルフケアの一種と認識されています。プレジャートイがドラッグストアでも販売されているなどとても身近な存在なんです」
そうした情報を含め、自社メディア「LELOTIC JOURNAL」で性にまつわる記事を発信。ウィメンズヘルスイベントやドラッグストアショーへ出展し“性を語ること=健全なこと”というメッセージを届けている。近年はフェムテックの広がりやコロナ禍で自分と向き合う時間が増え、日本でも20~30代を中心にプレジャートイを使うことは恥ずかしいことではないというポジティブな変化が始まっている。
「以前はセルフプレジャートイを使っているとパートナーに不満があると誤解されがちでしたが、『LELO』は遠隔操作機能付きのトイを開発し、パートナーと離れていてもつながれるコミュニケーションツールとして提案をしています。また、スウェーデンでは高齢のシングル層に向けたイベントも主催していて、性が生涯を通じての大切な営みであることを伝えています。将来的には、日本でも性教育やフェムテックと連携し、幅広い層に向けて、性は健やかな暮らしに必要なものというポジティブなメッセージを発信していけたらと思っています」
オリガさんが教える、進化を続ける最先端のセルフプレジャーアイテム
Profile
オリガ・コルトゥノワ
1990年ウズベキスタン生まれ。2013年来日。スウェーデンのセクシュアルウェルネスブランド『LELO』のビジネスデベロップメントマネージャーとして、日本のパートナー企業と関係を構築し、イベント出展などを行う。
anan2458号(2025年8月6日発売)より
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MAGAZINE マガジン

No.2458掲載
愛とSEX
2025年08月06日発売
平成景気のさなかの 1989 年。「女性ファッション誌」として、当時の女性の目線での SEX を特集。そのセンセーショナルな内容は、表紙を飾った金子國義さんのファッショナブルなイラストレーションと共に圧倒的支持を得ました。メンタル、フィジカル、メディカル、さまざまな視点から、愛と SEX をテーマに、時代の気分や社会状況なども反映させて特集してきました。現在も年間 50 冊以上の特集を刊行するanan の中で、一年を通じて最大部数を誇る名物企画。毎年、表紙とグラビアにご登場いただく方は、社会現象ともいうべき話題に。愛のある幸せな「SEX」を、年に 1 度、特集し続けています。