なかなか話す機会がないからこそ気になる、人のセックス事情。25~39歳の女性300人、男性100人への調査をもとに、2人の専門家が分析。価値観をアップデートするレポートをお届けします。

Index

    Q、セックスの経験はありますか?

    男性:YES…66%、 女性:YES…78%

     

    Q、あなたがセックスに求めるもの、大事にしたいことは?(複数回答)

    【相手との関係・絆を深める】男性…46%、女性…42%
    【心の充足感】男性…39%、女性…42%
    【相手の気持ちを確認する】男性…28%、女性…30%
    【相手に気持ちを伝える】男性…14%、女性…15%
    【身体的な快感】男性…22%、女性…22%
    【相手が満足する】男性…24%、女性…13%

    「昔から女性はセックスによる相手との絆を大事にしてきましたが、ここにきて男性の割合も増え、ジェンダーギャップがなくなってきたのは新しい傾向。コロナ禍を経て、異常気象や物価高などの不確実性が高まる社会的背景の中、親密な関係性にコミットしたいという感覚が芽生えたのかもしれません」(社会学者・高橋幸さん)

    Q、パートナーとの関係を続けるうえでセックスは必要だと思いますか?

    【とても必要だと思う】男性…27%、女性…20%
    【まあまあ必要だと思う】男性…42%、女性…41%
    【あまり思わない】男性…13%、女性…14%
    【思わない】男性…3%、女性…11%
    【どちらともいえない】男性…15%、女性…14%

    Q、セックスが必要だと思う、その理由は?

    ・愛情表現として
    ・心が満たされるから
    ・コミュニケーションとして
    ・相手への気持ち、関係が深まるから

    Q、セックスが必要だと思わない、その理由は?

    ・疲れるから
    ・しなくてもいい
    ・興味がない
    ・面倒くさい

    「[必要]と答えた割合が男女でほぼ合致しているのが、このデータの面白いところです。一方で、そう思わない人も自分の意見をはっきりと主張するようになっています」(高橋さん)。「[パートナーとのセックスは必要だと思わない]人がいることも、大切な気づきになるこの質問。“パートナー同士なら〇〇して当たり前”と思い込んでいるのは、自分だけかもしれません。『私たちのパートナーシップって、どういうもの?』と、話し合ったり、考えてみては?」(パレットーク編集長・合田文さん)

    Q、セックスの経験がある女性234人、男性66人に聞きました。セックスをすることが好きですか?

    【とても好き】男性…37.9%、女性…16.7%
    【そこそこ好き】男性…40.9%、女性…38%
    【あまり好きではない】男性…15.2%、女性…25.3%
    【全く好きではない】男性…1.5%、女性…8.5%
    【どちらともいえない】男性…4.5%、女性…11.5%

    Q、セックスの経験があり、現在パートナーがいるまたは過去にパートナーがいたと答えた、女性196人、男性58人に聞きました。セックスまたはスキンシップ(=挿入を伴わないセックス)はどれくらいの頻度でしていますか?

    【ほぼ毎日】男性…5.2%、女性…4.6%
    【2~3日ごと】男性…17.2%、女性…6.6%
    【1週間に1回くらい】男性…29.3%、女性…30.6%
    【10日~2週間に1回くらい】男性…13.8%、女性…13.8%
    【1か月に1回くらい】男性…19%、女性…14.3%
    【それ以下(3か月や半年など)】男性…15.5%、女性…30.1%

    Q、セックスの経験があり、セックスが「あまり好きではない」「全く好きではない」「どちらともいえない」と答えた、女性106人、男性14人に聞きました。セックスが好きではないと思う理由は?

    【関心がない】男性…2人、女性…15人
    【面倒や負担に感じる】男性…5人、女性…41人
    【満足感や快楽を味わえない】男性…5人、女性…25人
    【セックス以外のコミュニケーションで十分】男性…2人、女性…31人
    【マスターベーションで十分】男性…3人、女性…11人
    【そもそも性欲が低い】男性…1人、女性…31人

    Q、セックスの経験があり、現在パートナーがいるまたは過去にパートナーがいたと答えた、女性196人、男性58人に聞きました。マスターベーションはどれくらいの頻度でしていますか?

    【ほぼ毎日】男性…15.5%、女性…3.1%
    【2~3日ごと】男性…24.2%、女性…10.2%
    【1週間に1回くらい】男性…27.6%、女性…19.8%
    【10日~2週間に1回くらい】男性…17.2%、女性…15.3%
    【1か月に1回くらい】男性…10.3%、女性…12.8%
    【それ以下(3か月や半年など)】男性…5.2%、女性…38.8%

    セックス離れの傾向はあるが、愛情表現の方法として重視

    調査結果を見ると女性の場合、セックスやスキンシップの頻度が[3か月や半年以下]の割合が非常に多く、高橋さんは「日本のライフスタイルにおいて、セックスが日常的に頻繁になされる状況ではない」という特徴を指摘する。

    一方で、[パートナーとの関係を続けるうえでセックスは必要]と答えた男女は各60%以上に上り、理由の多くを愛情表現や心を満たすためといった内容が占める。合田さんは「動画、SNS、ゲームに読書と、各自が自由にスマホなどのデバイスで楽しめる現代。だからこそ、画面から目を離し、外の世界ではなく相手だけに集中できる時間は特別に感じられ、繋がりを深める大切な時間として重視されるようになってきたのかもしれません」と分析する。

    Profile

    合田 文

    株式会社TIEWA代表。クリエイティブで社会課題と企業課題の交差点になるようなコンサルティングを行う傍ら、ジェンダーやダイバーシティについて漫画でわかるメディア「パレットーク」編集長を務める。

    高橋 幸

    石巻専修大学人間学部准教授。専門はジェンダー理論、社会学理論。主著に『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど』(晃洋書房)、共編著に『恋愛社会学』(ナカニシヤ出版)など。

    アンケートは2025年7月、インターネット上にて日本全国の25~39歳の働く女性300人、男性100人を対象に行いました。

    イラスト・カタユキコ 取材、文・成田リナ

    anan 2458号(2025年8月6日発売)より
    Check!

    No.2458掲載

    愛とSEX

    2025年08月06日発売

    平成景気のさなかの 1989 年。「女性ファッション誌」として、当時の女性の目線での SEX を特集。そのセンセーショナルな内容は、表紙を飾った金子國義さんのファッショナブルなイラストレーションと共に圧倒的支持を得ました。メンタル、フィジカル、メディカル、さまざまな視点から、愛と SEX をテーマに、時代の気分や社会状況なども反映させて特集してきました。現在も年間 50 冊以上の特集を刊行するanan の中で、一年を通じて最大部数を誇る名物企画。毎年、表紙とグラビアにご登場いただく方は、社会現象ともいうべき話題に。愛のある幸せな「SEX」を、年に 1 度、特集し続けています。

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