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地元食材や名物が集まる美食のワンダーランド!
肥沃な土地、清らかな水…、大自然で育つ豊富な食材に恵まれた北海道は食の宝庫。そんな北の大地のテロワールを活かした道産子グルメが一堂に会し、フーディーを魅了しているのが大都市・札幌。
「札幌は名物が豊富。スープカレー、ジンギスカン、ラーメン、寿司は定番ですが、名物だからこそその一皿にこだわりが詰め込まれ、店舗ごとに個性が異なるので食べ比べしても新しい発見があります」と、夕張育ちの絵本作家・すずきももさん。また、室蘭出身で、札幌在住39年のグルメライター・小西由稀さんによると、「近年、北海道にはワイナリーや日本酒の酒蔵、ハードリカーの蒸留所が次々と誕生。札幌発ブルワリーもあり、地元のお酒を楽しめる飲食店が増えています。北海道の海・山・大地の幸を丁寧に生かした多様なジャンルのお店がそろっているので、いろんなお店を訪ねてみて」
特に最近、北海道ワインの評価が高く、世界一予約が取れないデンマークのレストラン『noma』が、北海道余市町の「ドメーヌ・タカヒコ」のワインを採用したことで話題になったのも記憶に新しい。そんな北海道のハイレベルなワインを提供する店が札幌にも増え、気軽に飲めるのもうれしい。さらに札幌は自然豊かな見どころが点在しているため、さんぽしていても楽しい街だという。
「札幌はコンパクトな街で、地下鉄、市電、バスなど交通アクセスも充実しているので車なしでもスムーズに移動できます。札幌市時計台、さっぽろテレビ塔、北海道大学などの札幌を代表する観光名所は、グルメさんぽの合間に立ち寄ってみてください」(小西さん)
「4月になると、札幌は桜と梅がほぼ同時に咲くのでお花見も楽しめます。特に札幌を代表する桜の名所・円山公園がおすすめ! 園内にはエゾリスがたくさん棲んでいるので、さんぽ中に出会えることもありますよ」(すずきさん)
食と自然を満喫できる札幌で、ぜひグルメさんぽを楽しんでみて。
【札幌市電西8丁目駅】ジンギスカン/士別バーベキュー

ジンギスカン鍋ではなく、網焼きの炭火スタイル。
道産のサフォーク羊肉を味わえる貴重な一軒。
北海道士別市の自社牧場で育てたサフォーク種のラム肉を提供する専門店。市場にあまり流通しないことから「幻の羊肉」の異名を持つ最高品種のサフォーク種は、余分な脂が少なく、赤身が多いのが特徴。クセがなく、炭火でじっくり焼くと、ラム本来の旨みが引き立つ。
INFORMATION インフォメーション

札幌市中央区南3条西7‐7 TEL:011・209・3210 11:30~15:00、16:00~23:00(土・日・祝日11:30~23:00) 不定休
【札幌市電中央区役所前駅】スープカレー/曉(あかつき)

「チキンとあさり」¥1,250。辛さを自由に選べる。0~50番は無料で、辛党さんは20番以上がおすすめ。激辛ゾーンの55~100番は+¥50、105番以上(50番ごとに+¥50)は自己責任で。
さらっとしたスープ×刺激的なスパイスの競演。
じっくりと煮込んで旨みを引き出した鶏出汁と秘伝の12種類のスパイスが香るスープは、さらさら系ながらコク深くヤミツキに。レモンアチャール(¥100)など、ライスの付け合わせも豊富。
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札幌市中央区南1条西12‐322‐24‐2F TEL:011・211・0744 11:30~14:50、17:30~19:10(木曜11:30~14:50) 日~火曜休 Webからの完全予約制。
【JR札幌駅】みそラーメン/ラーメン札幌一粒庵

「元気のでるみそラーメン」DX¥1,500。
食べればパワーがみなぎる地産地消ラーメン。
看板メニューの「元気のでるみそラーメン」は、道産味噌が香る熟成スープに、道産小麦のみをブレンドしたモチモチの太麺が好相性。豚ひき肉と行者ニンニクを炒めてから卵でとじたものなどトッピングもユニーク。お持ち帰り用の生ラーメンはお土産に◎。
INFORMATION インフォメーション

札幌市中央区北4条西1‐1 ホクレンビルB1 TEL:0120・219・313 11:00~15:00LO、18:00~19:30LO※夜は臨時休業あり 無休
【地下鉄東西線二十四軒駅】塩ラーメン/NOUILLES JAPONAISE とくいち

「札幌軟石」プレートの上に鎮座する「特上らぁ麺塩」¥1,500は、ミネラル豊富な八雲町の「熊石の塩」が決め手。
ラーメン界のヌーヴェル・キュイジーヌ。
札幌のフレンチ『Le Musee』がメニューを監修。塩と醤油の二枚看板で、地鶏の旨みが凝縮されたコンソメベースのスープと旭川の「須藤製麺」のふすま(小麦粒の表皮部分)を混ぜた麺が自慢。昆布と白醤油の“Air(泡)”が食べ進めると徐々に溶け、深みのある味わいに。
INFORMATION インフォメーション

札幌市中央区北11条西22‐1‐26 卸売センター万歳市場内 TEL:011・699・6707 9:00~15:00LO 水曜休、不定休
【札幌市電西線6条駅】寿司/あら政

寿司10貫に味噌汁がついた「おまかせ寿」¥3,850。ランチもディナーも同価格。この価格でこのクオリティは稀有。
鮮度ピカイチ! 北海道ならではの寿司を。
昭和40年創業。親子2代で握る寿司目当てに地元客が絶えない実力店。大将自らが市場で目利きして仕入れる地魚をメインに、鮮度抜群の海の幸が勢揃い。なかでも数の子やホッキ貝は外せない。道産の「ほしのゆめ」と新潟の「コシヒカリ」をブレンドした自家精米のシャリが、ネタの味を引き立てる。
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札幌市中央区南6条西15‐1‐6 TEL:011・561・8117 11:30~14:30、17:00~22:30 水曜休
【札幌市電資生館小学校前駅】スープカレー/Soup Curry SOUL STORE

スープが見えないほど野菜たっぷりの「季節の旬菜カリー」¥1,600。4月は山菜、ふきなどが入る予定。
器からはみ出すほどの特製ごぼうバーが!
スープは4種類から選べ、1番人気で定番のクラシックは、鶏や魚介、野菜の旨みを凝縮させ、そこにスパイスを合わせることで奥深い味わいに。野菜は、農家直送の道産がメインで、野菜それぞれの個性を引き出せるよう、焼く、蒸す、揚げるなど調理法も変えるこだわりよう。
INFORMATION インフォメーション

札幌市中央区南3 条西7‐3‐2 F‐DRESS7 BLD 2F TEL:011・213・1771 11:30~15:00、17:30~20:30 不定休
PROFILE プロフィール
小西由稀さん
フードライター。室蘭市出身。料理や食材のおいしさの背景に着目し、料理人や生産者の思いを通して、北海道の食の魅力を伝える記事を執筆。著書に『小西由稀の札幌おささる味手帖2』(財界さっぽろ)など。商品のアドバイザーも行う。
すずきももさん
絵本作家、イラストレーター。夕張市育ち。JR北海道特急列車の車内誌連載を書籍化した『ももが行く ほっかいどう くいしん坊のスロー旅』(北海道新聞社)や、『おいしい大地、北海道!』(イースト・プレス)など、著書多数。
anan 2440号(2025年3月26日発売)より