家具は壁際に配置を! 防災TO DOリスト&災害から身を守るための部屋作り

ライフスタイル
2024.03.09
地震や台風、洪水…日本に住んでいると自然災害のリスクと隣り合わせ。なかでも地震は、今年1月に能登半島地震が発生し、3月11日には東日本大震災から13年を迎えるなど、気の引き締まるタイミング。今こそ本気で備えよう!

備えておくか否かで被災のリスクは大違い。

Entame

日本は“地震大国”といわれるほど、地震の多い国。1月1日には能登半島地震が発生し、被災地の困窮はなお続いている。

「政府は、今後30年以内に首都直下地震や、南海トラフ地震が発生するとの予測を発表しています。これらの地震は、能登半島地震の被害を大きく上回ると予想されているのです。災害に備えていた人とそうでない人のリスクは、大きく異なります。『何とかなる』と考えずに、いざという時のために必要な準備をしておきましょう」(災害危機管理アドバイザー・和田隆昌さん)

また、防災初心者はこんな考え方なら取り入れやすいのでは。

「普段の暮らしの延長で、日常に溶け込む防災を。もちろん備えはあるほど安心だと思いますが、自宅のスペースは限られていますし、防災一辺倒ではなくインテリアも楽しみたい。無理なく実践することも長続きさせる秘訣です」(暮らしと備えのアドバイザー・Misaさん)

ここではやるべきことや、知っておくべきことを紹介。なかでも「最低限これだけは備えたい!」という一覧が、下記の「防災TO DOリスト」。チェックしてみて。

防災 TO DOリスト

  • ベッドの周りに倒れてきそうなモノを置かない
  • 水は1日3L×7日分を備蓄
  • 食べ慣れた食料を3日分備蓄
  • 非常用トイレは1週間分備蓄
  • 停電の時に必要な乾電池式ライトを備蓄
  • スマホの充電に欠かせないモバイルバッテリーを備蓄
  • 電気やガスが止まった際に役立つカセットコンロを備蓄
  • スマホの充電の節電方法を知っておく
  • 防災アプリを入れて通知をONにする
  • 住んでいる地域の自治体やよく使う公共交通機関のXをフォロー
  • 家族など身近な人との安否確認方法を複数共有しておく
  • 自宅やその周辺の災害リスクを知っておく

災害から身を守るための部屋作り。

家具の固定や、逃げ道の確保など、災害時のリスクを極力減らすために、やっておくべきことをポイントを絞って紹介。さほど手間なく、インテリアにも差し障りがないので、取り入れやすいはず。「自宅の備え」について、Misaさんに聞きました。

【ENTRANCE】靴を置くのは最小限に。屋外への逃げ道を確保しよう。

玄関は、避難経路を確保するうえで最も大事。「玄関付近にモノが多いと、地震の時にそれが倒れて出口を塞いでしまったり、つまずいて転んでしまったりするリスクがあるので、極力モノを置かないように。とくに割れ物は避けてください。どうしても置きたい場合は、転倒防止グッズで固定しましょう。靴を置くなら1~2足くらいにしておくこと」(Misaさん)

【FURNITURE】家具は壁際に配置。テレビを置くなら固定しておくと安心。

家具の配置場所にも注意。「地震の時に窓が割れる原因の多くは、家具などモノが窓に当たることだといわれています。そのため家具は壁際に配置するのが賢明。テレビを置きたい場合は、転倒防止グッズで固定しましょう。ベルトなど様々なタイプがありますが、底面のサイズに合わせて使える粘着剤なら、表面的には見えずに固定できるのでおすすめ」

Entame

ひっつき虫
好きな大きさにちぎってカタチを整え、底面に貼るだけの粘着剤。小物のほかテレビの固定の補助にも使えそう。1シート¥451(コクヨ TEL:0120・201・594)

【BEDROOM】ベッドの周りは極力モノを置かないこと。

寝ている時は無防備なので、地震が発生したら危険。「背の高い本棚など、高さのある家具をベッドの周りに置くのはやめましょう。とくに枕元は、頭を守るためにも何も置かないほうがいいと思います。置くとしても、腰高くらいまでの背の低いサイドテーブルなど。その上にマグカップなど割れる素材のモノを置いたら、寝る前に片づけて」

【KITCHEN】食器は重ねて収納するより立てたほうが割れるリスク軽減。

キッチンでは、食器の収納場所や収納方法にひと工夫を。「収納場所は、キッチン上の吊り戸棚ではなく、下の収納スペースへ。地震の揺れで上から落ちて割れるリスクを避けられます。下に置いたとしても何枚も重ねると、崩れて割れる原因に。ディッシュスタンドなどに立てて収納すればその心配がなく、取り出しやすくもなって一石二鳥」

【KITCHEN】重さも高さもある冷蔵庫は倒れたら危険。固定が必須!

冷蔵庫をはじめ、腰高以上の家具は固定しておくこと。「倒れてケガをしないようにというのはもちろん、地震には余震があるので、倒れた家具を元に戻しても、また倒れる可能性があり、体力的にも消耗します。家具の転倒防止グッズには突っ張り棒がありますが、それだと目立ちすぎるという場合は、ベルトタイプなどシンプルなものを選ぶと◎」

Entame

地震対策ゴムストッパー
家具と壁に貼るだけでOK。ゴムが伸びて転倒を防止する。取り外しも可能。対象物重量160kg以下で2本1組¥3,300(キングジム TEL:0120・79・8107)

災害危機管理アドバイザー・和田隆昌さん All About「防災」ガイド、NPO法人防災・防犯ネットワーク防災担当理事。著書に『今日から始める 生活防災』(ワニブックス)など。

暮らしと備えのアドバイザー・Misaさん インテリア×防災のアイデアをインスタグラムで発信(@kurashi_bosai)。著書に『おしゃれ防災アイデア帖』(山と溪谷社)。

※『anan』2024年3月13日号より。イラスト・黒猫まな子 取材、文・保手濱奈美

(by anan編集部)

PICK UPおすすめの記事

MOVIEムービー