意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「国際アビリンピック」です。

障害者が技術の高さを競う大会。ぜひ、注目を!

society

「アビリンピック」とは、障害のある方の職業にまつわる技術を競うことで、職業能力の向上と、企業の雇用を促すことを目的にした大会です。その国際大会が、3月にフランスのメッス市で開催されました。26の国と地域、440名の選手が参加し、44種目の競技が行われました。日本選手団は30名、17種目に参加しました。

今年で10回目になりますが、実は第1回は、1981年の国際障害者年に日本で開催されました。パラリンピックも日本生まれですし、ダイバーシティ化が遅れていると言われますが、障害者のみなさんの活躍の場は、日本がリードして作ってきたのです。

今回は歯科技工で金賞、家具(基礎)、ネイリスト、電子機器組立、英文ワープロで銀賞を、家具(応用)、ネイリスト、クリーニングサービスの部門で銅賞を獲りました。

僕は現地に行って取材したのですが、さすがフランス、メッスの子供たちが先生に引率されて、見学したり、アクティビティに参加したり、選手のみなさんと交流をしていました。フランスやスイスなどヨーロッパの国々でアビリンピックが開催されるときは、必ず見学に行くことが学校のプログラムに組み込まれているのだそうです。

ネイリスト部門で銀賞を獲得した山下加代さんは、北海道出身。2019年のアビリンピック全国大会で金賞を受賞。JALサンライトという、障害者と健常者が共に働く会社から声をかけられ、’20年の全国大会後、同社に就職しました。そして今回、国際大会に出場したんですね。応援に来ていた同社の社長は「彼女たちの頑張りが、健常者の社員に学びと刺激を与えてくれている」とおっしゃっていました。

会場ではインドの選手団が日本選手団に駆け寄り、「あなたの国がアビリンピックを始めてくれたおかげで自分たちがいます」と感謝の意を告げる場面も。しかし、残念なことに日本ではアビリンピックはほとんど認知されていません。さまざまな分野において、高い技術を世界に伝える大会でもあります。本当の意味でのダイバーシティ促進のためにも、もっと多くの方に興味を持っていただきたいと思います。

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ほり・じゅん ジャーナリスト。8bitNews代表。『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX)が放送中。スーダン取材の2つの写真展を6/6~11に、両国『ピクトリコ』と恵比寿『弘重ギャラリー』で同時開催。

※『anan』2023年6月7日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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